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映画「夜明けの祈り」  監督:アンヌ・フォンテーヌ

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 ポーランドの女子修道院に、突然降りかかった悲劇と救済を描く映画です。

 ようやく終結した第二次世界大戦、その直後、ソ連は赤軍をポーランドに駐在させた。
 その兵隊たちが、女子修道院へ乱入し強姦。8人の修道女たちを妊娠させる事件が起きた。
 兵士は数日で去ったが、修道女たちの体内では胎児は日に日に育つ。
 修道院内では、帝王切開が必要な修道女の悲痛な叫びが響く。

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 この非常事態において修道院長は、自身の監督不行き届きの責任追及や、修道院の閉鎖を恐れるあまりに、教会上層部へ、事の次第をまったく報告をせず、事を院内に封じ込めようとする。
 つまり、新生児を密かに知り合いの家に預ける‥‥という手段を考えた。

 かたや当の修道女たちは院長に絶対服従でなけらばならず、一方で強姦され妊娠したことの恐怖と、信仰心では解決されぬ事態に彼女たちの心は激しく動揺する。
 また、修道女のひとりは、自分を輪姦から守ったある赤軍兵に恋心を抱き、彼を追って修道院を出ようと心を決める者も現れる。

 そんななか、副院長的立場の修道女は、事態解決のため院長に背き、単身、フランス赤十字の拠点におもむき、赤十字の組織的了解を得ずに、その場で躊躇する女医マチルドを見つけ出し、何とか修道院に招くことができた。
(この映画は、実在のこの女医が残した日記をもとに製作された)
 マチルドは帝王切開の手術をしたり出産に立ち会い、修道女を救うが、なかには宗教上、他人(女医でも)に自身の肌を見せることを禁じることを頑なに守ろうとする者もいた。

 しかし、マチルドのこうした行動は、フランス赤十字の規範に反することであった。フランス赤十字の活動は、在ポーランドのフランス人のみを救護する活動なのだ。(ポーランド人はポーランド赤十字に頼るべきであるという見解、だが修道院がポーランド赤十字に救済を求めれば、ことの事態が発覚してしまう)

 よってマチルドのこの単独行動は、夜間に密かに行われた。
 さらには赤軍占領下のこの地で、フランス赤十字の拠点を離れるフランス人マチルドの行動は、何の保証もないとても危険な行動であった。

 こうして、修道院、マチルド双方にとって危ない橋を渡る決断の結果、出産はすべて終えることができた。
 そのころ、ついにマチルドの行動がフランス赤十字の部隊長に知れ、彼女はフランスへの帰国命令が出る。

 さて、マチルドが置き土産として修道院に提案した「今後に向けての救済案」とは、そして修道院長の苦しい懺悔(ざんげ)とは‥。
 修道院長の行為はひとりの修道女の自殺をも招いたのであった。

マチルドのモデルとなった実在の女性医師マドレーヌ・ポーリアック(1912 - 1946)については下記Wikipedia参照してください。
 しかし不幸にも彼女は早死にだったようです。

オリジナルタイトル:Les innocentes(罪の無い者)
監督:アンヌ・フォンテーヌ|フランス・ポーランド|2016年|115分|
原作:フィリップ・メニヤル|脚本:サブリナ・B・カリーヌ、アリス・ビヤル、アンヌ・フォンテーヌ、パスカル・ボニゼール|撮影:カロリーヌ・シャンプティエ|
出演:ルー・ドゥ・ラージュ(マチルド)|アガタ・ブゼク(シスター・マリア)|アガタ・クレシャ(マザー・オレスカ)|ヴァンサン・マケーニュ(サミュエル)|ヨアンナ・クーリグ(シスター)|ほか


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やまなか
Posted byやまなか

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