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映画「昇天峠」  メキシコ映画  監督:ルイス・ブニュエル

上
バス車内のオリヴェリオ(横縞柄シャツの若い男)と、通路を挟んでその右の女性がラクェル。
彼女は終始、オリヴェリオに秋波を送る。



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 メキシコの太平洋沿岸にある小さな村の出来事、時は1950年ごろ。
 この映画は、明るい太陽のもと、陽気で楽天的な人々の喜劇ですが、唯一、そうでないのは、ある一家の遺産相続のいざこざです。

 それは三兄弟の母親が病に伏せっていて、死期が迫っている、この事から話は始まります。
 つまり、この時を待っていた、上の兄ふたりは、三男オリヴェリオを蚊帳の外に置いて、自分たちに都合良いような遺産の配分をしようとし始めているのです。(ただし映画は、さほど深刻には描いていません)

 一方、ベッドの中の母親は、親思いの善良な三男オリヴェリオに良くしてやりたい。兄ふたりの企みを阻止したいと考えました。
 そこで母親はオリヴェリオに、法的効果を発生させることができる遺言書を作って欲しい、そのために町に住む弁護士のところへ行ってほしいと頼みます。(しっかりした母親です)

 そんなことからオリヴェリオは急ぎ、乗り合いバスに乗車し町へ向かいます。(話は第二段へ進みます)
 話の基軸は、遺産相続のいざこざなのですが、映画はここからエピソードの枝葉を広げ、オリヴェリオ含め、バスに乗り合わせた人々の、てんやわんやを可笑しく語り始めます。

 その、てんやわんやの中身はというと、急で狭い峠道で対向車が来てバスが立ち往生する話、乗客の妊婦がバス車内で急に産気づいて無事出産する話、渡る橋が無いため川の流れを横切る途中、バスがまた立ち往生する事件、運転手が母親の誕生日祝いをするため実家に立ち寄りバス運行がストップする話、よって急ぐオリヴェリオはバスを借りて一足先に町へ行きますが、峠で雷雨に遭遇する話、あとは選挙に立候補した男の話などです。
 とりわけ映画がエピソードとして強調するのは、若いオリヴェリオに色目を使う女ラクェルのシーン。
 下記の予告編の前半部分で、このシーンが垣間見れます。(禁断の果実と南国ムードをどうぞ‥‥)

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=PG4sbtx4BU0

 そう、言い忘れましたが、オリヴェリオは村で、結婚式を挙げた直後に、遺産相続のいざこざに巻き込まれ、このバスに乗っているのです。
 今ごろ新妻は村で、母親の看病をしています。もちろん、ラクェルはそれを知ってのチョッカイなのです。

 あとは観てのお楽しみ。ハッピーエンドです。
 当時の宣伝ポスターを見ると、ラクェルの色っぽさや浮気のエピソードを強調しています。
 また、オリヴェリオとラクェルとの禁断の幻想シーンは白昼夢ですが、これに気を取られすぎるのもどうかと思います。
 総じてこの映画は、当時のメキシコの村人たちの、牧歌的な日々を描くとともに、当時の現代世情を批判的に描いています。
 ちなみに、ルイス・ブニュエル監督の1968年の作「銀河」(フランス製作)の記事は、こちらからどうぞ
 

オリジナルタイトル:Subida al cielo
監督:ルイス・ブニュエル|メキシコ|1951年|75分|
原案:マヌエル・アルトラギーレ|脚本:ルイス・ブニュエル 、 マヌエル・アルトラギーレ 、 ファン・デ・ラ・ガバダ 、 リリア・ソラノ・ガリアナ|撮影:アレックス・フィリップス|
出演:オリヴェリオ(エステバン・マルケス)|ラクェル(リリア・プラド)|バス運転手・シルヴェストロ( ルイス・アセヴェス・カスタニェダ)|オリヴェリオのMama(レオノーラ・ゴメス)|Albina(カルメン・ゴンサレス)|Eladio Gonzalez(マニュエル・ドンデ)|

映画「昇天峠」は、いわば、同じバスに乗り合わせた乗客の話でした。
こういう、バスの乗客を扱った面白い映画は、ほかにもあるんで特集を組みました。
これをクリックして特集ページをご覧ください。
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【 一夜一話の歩き方 】 下記、クリックしてお読みください。

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やまなか
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