Home > 邦画評だけ見る 直近50作 > 映画「タイムレスメロディ」 監督:奥原浩志

映画「タイムレスメロディ」 監督:奥原浩志

メインimg 手触り感ある映画。生成りの、きめの粗い布の肌触り。 役者の演技も、音楽も。
 奥原監督と、役・音楽を担当する青柳拓次、この2人の仕事。これに市川実日子が味を添える。

 全体にセリフが少ない。セリフの間や、沈黙シーンの時間が長い。あての無い何かを待っている。
 この、長い沈黙に耐えるためには、役者が素直な自然体をどれだけ自然にできるか重要。
 そして長い間に耐えうる空間表現。温度は少し低くいんだけど、なぜか抱擁感ある空気感を、映画の舞台であるビリヤード場でどう演出するか? 
 これらがうまく合わさって、硬質になりがちなシーンの沈黙を、「適度な軽さ」に仕立てた。これが、この映画の味を産み出している。

 だだっ広いビリヤード場。
 ここで青柳がたたくドラムセット。市川がちょい鳴らす、リバーブ、ディレイいっぱいのギターサウンド。
 一曲全部演奏するわけではない。その中途半端さ・投げやり感が、言葉にならないメッセージをこちらに投げてくる。青柳が担当した映画音楽も、トツトツとしていて・・・・・。

 筋を追ってストーリーを楽しむ風ではない。一枚の絵画をゆっくり遠目に楽しむ・・・・、そんな観かたがこの映画にふさわしい。
 ただ唯一残念なのは、ビリヤード上手な客であった篠田の死亡を知って、突如現れた篠田の息子が弾くピアノ。超ダサい。ああダサい。この映画の汚点だ。クラシック奏者がいかにクラシックしか弾けないか・・・・。
-------------------------------------------------------------------------------------
床060118 監督:奥原浩志|2000年|95分|
 出演:青柳拓次(河本)|市川実日子(チカコ)|木場勝己(篠田:戸籍上存在しない謎の親父、ビリヤードがうまい、モーターボート所有)|近藤太郎(田村:篠田の息子)|余貴美子(チカコの母:なにやらN.Y.でやり手の女) ほか

   ソファーoto

バンド08000159 録音00159

海外映画評・題名50音順リストは、こちらから
   〃   ・製作国リストは、こちらから
日本映画評・題名50音順リストは、こちらから
   〃   ・監督名リストは、こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ




関連記事
スポンサーサイト

Comments: 0

Comment Form
Only inform the site author.

Trackback+Pingback: 0

TrackBack URL for this entry
http://odakyuensen.blog.fc2.com/tb.php/293-48c36b35
Listed below are links to weblogs that reference
映画「タイムレスメロディ」 監督:奥原浩志 from 一夜一話

Home > 邦画評だけ見る 直近50作 > 映画「タイムレスメロディ」 監督:奥原浩志

タグクラウド
プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

RSSリンクの表示
Tree-CATEGORY

Return to page top