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映画「アントニア」 監督:マルレーン・ゴリス

メインne-movie-poster-1996-1010269000  いい映画だ。何回も観ています。

親子full  かつて、若きアントニアは一人田舎を後にした。そしてその日、彼女は娘ダニエルを連れて実家に帰って来た。老母が危篤という知らせを受けたためだ。その後、アントニアと娘ダニエルは、そのまま実家で暮らすことに。

  畑を耕し春には種をまき、そうして一年一年が過ぎていった。周囲の村人は徐々に彼女達に心を開きはじめ、アントニアの畑を手助けしてくれる人も現れる。一方アントニアは村で困っている人々をそれとなく気づかっていた。そんなことだからでしょう、アントニアの庭でテーブルをともにする人たちが徐々に増えていくのであった。

小 antonia  娘ダニエルには絵画の才能があった。アトリエを持って絵画や塑像に精を出す。そんな彼女は子供が欲しくなったが夫はいらない。町に出てツテを伝い、お城のような館を持つ、ちょいワル貴族王子から子種をもらうことになる。

  その子はテレーズ。成長するにつれて数学と音楽の才が出てきた。のちに大学で教鞭をとるとともに、現代音楽の作曲家として人生を歩むのであった。テレーズの夫は庭でテーブルをともにしていた男、まじめな農夫。その娘が、映画のナレーションをしているサラだ。彼女は詩を書くのが好き。

モノクロantonia1
(サラのナレーションより)
時は流れた。
子だくさんな時代ではなくなったが、
世界が続くに十分な子供たちは生まれていった。
時は、獲物をあさるハゲタカのように命を奪うこともあった。
そう、時は生死に頓着しない。
成長、衰退、憎しみ、嫉妬、
人にとっては、時を忘れるほど大切なことを
時はすべて無視した。

テーブルiasline  ラストシーン。
  サラは納屋の2階の窓に腰掛けて、庭のテーブルに村人が集まってくるのを見下ろしている。アントニアをはじめその一族や、近所の知り合い達がいる。中には新しい顔ぶれも。
  食事を続ける者、ダンスを始める者。そしてよく見ると、庭のあちこちに少々遠慮して、人々がたたずんでいる。それはすでに亡くなった人々や殺された人。笑みを浮かべて庭の光景を眺めている。


(サラのナレーションより)
死は永遠じゃないわ。
何かが残り、新しい何かが育つの。
新しい命が。
どこからなぜ生まれたかは知らずにね。
でもなぜ?
命は生きたいからよ。
天国もないの、
命のダンスがあるだけ。

  サラからみると、曽祖母、祖母、母となるアントニア、ダニエル、テレーズ。女4代記がテーマの映画です。
  こんな小さな村でも、それこそいろいろなことがおこります。若い女性への強姦や先天性障害者いじめなど、弱者に対しては顕著です。ただし行き過ぎは、村人の総意で止められます。こんな永い時間の中で、多くの人が命を全うしますが、不測の事故で即死する人、ときに殺さる人が描かれます。時の大きな流れは、しょせん人にはコントロールできません。あくせくせず、ゆったりとして観て下さい。
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監督:マルレーン・ゴリス|オランダ ベルギー イギリス |1995年|103分|
原題:Antonia
出演:アントニア:ヴィルケ・ファン・アメローイ|ダニエル:エルス・ドッターマンス|バス:ヤン・デクレール|ドラ・ヴァン・デル・グルーエン|テレーズ:ヴェールレ・ヴァン・オファーロープ

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
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