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映画「原子力戦争 Lost Love」 監督:黒木和雄

  福島第一原子力発電所周辺を舞台とした1978年の劇映画。(この原発の営業運転開始は1979年3月)
  原作はドキュメントノベル「原子力戦争」田原総一朗著1976年。
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入り口index  映画の途中で、原発正門を無許可で撮影するシーンが何故か出てきます。ここだけが唯一「ルポ」なのですが、今観ると妙にリアルです。


  この福島原発の浜に、心中死体が上がります。小さな町は、大きく動揺しだします。
  この町の名家青葉家には3人の子がいる。漁業組合長で市議を狙う「守」、東京へ大学に通っているはずの長女「望」、地元にいる次女「翼」(風吹ジュン)。その「望」は、ヒモの坂田(原田芳雄)に、「帰郷するがすぐ東京に戻ってくる」と言い残して東京の家を出て1ヶ月帰らない。心配する坂田は実家のある福島原発の町に来た。わかったことは「望」は見も知らぬ男と心中していた。その男とは、原発勤務の東大出の技術者・山であった。不審に思う坂田は、山の妻(山口小夜子)に会う。そして、山が残した書類を受け取った。その書類は、燃料棒の欠損事故の顛末書であった。
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  一方、新聞記者(佐藤慶)は独自の調べで、福島原発にどうも大きな事故があったらしいことを先にかぎつけていた。「人間ふたり殺さなければならないような、大きな事故だ」と。坂田は、町にいる佐藤慶と協力し合い事故隠蔽を暴こうとするが、大きな抵抗勢力にあう。漁業組合長で市議を狙う「守」は、漁業補償で2億円の追加が得れる。原発に秘密調査で訪れている原発学者は御用学者で、佐藤慶のツッコミにノラリクラリの発言を繰り返すのみ。福島原発所長にも会うが遠まわしに取材は止めろと言われる。新聞社上司からも取材の中止を命令される佐藤慶。
  そして、心中偽装の実行者たちは、坂田にも手を伸ばし始めた。
  もっとも坂田にとっては、なぜ「望」が死なねばならなかったのか、それが分かればよかった。


  今となっては、お話はチンケですが、「かつては年間2億円の町が、今は12億の年収があるのは原発のおかげ」という漁業組合長「守」のセリフが耳に残ります。また映画冒頭に出てくる町のシーンで、ちらっと見える店の看板に驚き!「お食事と原発みやげ」


監督:黒木和雄|1978年|106分|
原作:田原総一朗
出演:原田芳雄(坂田正首)|山口小夜子(原発職員山の妻・明日香)|風吹ジュン(青葉翼)|石山雄大(青葉守)|浜村純(青葉繁)|佐藤慶(新聞記者・野上)|



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Comments: 2

URL 2011-07-30 Sat 07:15:52

風吹ジュンは、私の出身高校卒だというウワサが、ずーっと以前流れた。およそ該当しそうな各年次卒の人たちが、あれこれ探ったが、????。どの学年でもなかった。wikiで彼女の生い立ちをみると、中卒でご苦労されたようだ。

kayo URL 2011-07-30 Sat 01:29:09

わたしの親友は福島出身。彼女のお父さんはその昔の原発イケイケ推進派。でも、いまはボケてしまって3月の地震のことも覚えていない。「いい気なもんだよ」と学童を抱えるその友だちはグチッてた。風吹ジュン、大好きです。中学生の頃から好きでした。特別にうまい女優とは思わないけど、その存在が好き!

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