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映画「戦争のない20日間」 監督:アレクセイ・ゲルマン

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  1942年の年末、従軍記者ロパーチンが所属するこの部隊は浜辺を歩いていた。楽しげな会話。明日から休暇がもらえる連中が多い。兵役延長の見返りとして20日の休暇が与えられるのだ。隊は戦闘態勢を解いていた。と、その時ドイツ軍の爆撃機が数機海岸上空に現れ、機銃掃射を受ける。逃げ惑う兵士達。
  敵が去り、安堵の空気が流れ始めた時、中尉が渚に倒れているのに気がついた。不運にも彼だけが戦死した。明日から休暇。第二次世界大戦中、ロシアがナチスドイツとの攻防に明け暮れた頃の話。

着021157  ロパーチンは、ウズベキスタンの都市タシュケント行きの満員列車に乗った。
  着いてまずすることは、妻との離婚届にサインすること。次にすることは、映画の撮影現場を訪れること。彼はかつてスターリングラードでの勝利に貢献し名誉が与えられていた。それで戦場での手記が原作となり、いま映画化されようとしている。これを視察し原作者として指示を与えなくてはならない。そして工場労働者たちを集めての集会で演説。でも、それだけのこと。ロパーチンはそう思っている。

惹かれていく-thumb  ニーナという女性との出会い。列車の中で見かけ、撮影現場で衣装係として働いている。つかの間の、行きずりの愛。お互い癒されていく。戦闘兵士の心はもちろんの事、銃後の街の人の心も、かつての平常心は蒸発しきっている。誰もが皆、明日への思考は止まっていた。
  そんななか、休暇を切り上げ、隊に戻れとの命令を受ける。戦場に戻る不安と鈍い恐怖。一方、心のどこから来るんだろうか、ここを去って戦場に戻れる、不思議な安堵感。
  

列車03  

  ロパーチンは、戦場を目指して、また列車に乗る。
  タシュケント駅構内では、多くの再会と別れ、そして永遠の別れが交錯していた。




  戦地では隊の仲間が首を長くして待っていた。新兵も加わった。ぬかるみの地を徒歩で進み陣営に向かう。
  あの丘の向こうが敵の陣営なんだろう。ヒューッと砲弾が飛び、あたりで炸裂しはじめた。急いで辺りのへこみに身を隠す。前線である、前線なんだ、という気持ちで一杯になっていく。 
  ロパーチンは現実にもどっていく手応えを感じていた。
再び戦場ginal
<同監督の名作「フルスタリョフ、車を!」は、コチラからどうぞ

監督:アレクセイ・ゲルマン|ソ連|1976年|102分|モノクロ|
原作:コンスタンチン・シーモノフ著「ロパーチンの手記より」
英題:TWENTY DAYS WITHOUT WAR
出演:ロパーチン:ユーリー・ニクーリン|ニーナ:リュドミーラ・グルチェンコ|空軍大佐:アレクセイ・ペトレンコ|ルブツォフ:ミハイル・コノノフ|ルブツォワ:工カテリーナ・ワシリエワ


アレクセイ・ゲルマンの映画 (一夜一話より)

・「フルスタリョフ、車を!」 
  なんだか、すごい映画を観てしまった。いい映画だ。でも、お薦めしにくい。
  首から上じゃ理解できなくて、身体でヅーンと受け止める映画です。
  映画製作のお作法・お約束事から、とても逸脱した特異・孤高の映画です。よって観客もいつもの文法でストーリーを読み解くことができません。私の前の席の人は上映開始10分で退場していきました。

「道中の点検」
  1942年の話だ。
  ナチスの領土拡張が進んで行く。ナチス・ドイツ軍はソ連北西部に侵攻し、この地を占領していた。占領下において、ユダヤ人に迫害を加えると共に、反ナチスの動きをするロシア人を徹底的に抑え込んだ。強制労働、絞首刑、銃殺なんでもありだ。 一方、・・・。

「わが友イワン・ラプシン」
  1935年ごろ、ロシアの地方の話。
  当時、少年だった男が、若き父や、父の周辺の男たちを懐かしく振り返る。
  これは遠い昔の話だ。父から何度も聞かされた。長い廊下に響く幼い私の足音、男たちのタバコのにおい、今では考えられない貧しい暮らし。通りはいつも冷たい風が吹いていた。そんな環境でも、私たちは不自由を感じることもなく、助け合って生きていた。記憶の彼方でよみがえる大切な人たちの顔や声。これは私の告白だ。

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
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