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映画「喜劇 駅前団地」 監督:久松静児

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  楽しい映画です。私の近所が舞台です。
  新宿駅から小田急線で西へ、多摩川を渡って神奈川県川崎市(北部)。高度成長を支える会社員たちのために、公団団地が開発され始めた。
  
  農地を売る地元農家、公団予定地周りの土地を買いに来る不動産屋、公団近くに移転したい地元開業医/新天地を求めてきた病院経営者、そしてクリーニング屋・駅前居酒屋といった商店・警察官・農家などノンキーな在の人たち。こういった人々の夢、喜び、思惑、葛藤、悲哀を描く、まことに元気な映画です。
  
  戸倉家は、この地に代々続く医者一家。暁天堂戸倉医院。
  今の院長は戸倉金太郎(森繁)、看護師数名、ベッド数5、建物は病院・住宅が一体、いかにも古風で老朽化してる。この際、新団地のそばに病院を移して開業したい思い。

ちらしB0969  地主農家の権田家は、茅ぶき屋根。
  映画の舞台のこの辺りは丘陵がやたら多い地域(川崎市麻生区)。権田家はそんな土地を代々所有して畑、畜産を営んでいるが、丘陵斜面の多くは手付かずな里山林だ。権田孫作(伴淳三郎)、かめ(森光子)夫婦には3人の子、その長男が一郎(山内賢)。親は大学進学を期待するが、本人はこの地で畜産農家をしたい。
  昨日までの林がドンドン売れ、空前絶後の現金収入。オーディオ機器(ステレオ)、冷蔵庫、テレビ、洗濯機、掃除機など当時最先端の家電が、古民家な部屋に並んでいるが、それ以上の出費は決してしない。但し女性は別。
  まだ売る土地があるらしく、自前でチラシを配った。売り出し総件数1万坪。坪3000円より。

  ある日この地に、不動産屋のフランキー堺が、女医の淡島千景を連れて現れた。見晴らしのいい丘を買いに来た。病院を建てるのだ。ところが淡島が交通事故に会い、森繁の医院に担ぎ込まれる。こんな田舎ヤブ医者は嫌だと言い出す淡島。一方、フランキー堺は居酒屋の女将(淡路恵子)に熱い視線。話はここから楽しくコンガラガッていく。

駅me  この映画、辺境の開拓者的な自由さ・おおらかさを感じる。
  新駅「百合ヶ丘駅」は、1960年(昭和35年)に開業した。
  現在は小田急線新宿駅から急行&各駅電車を乗り継いで35分くらいの駅。



松葉湯3863  <超ローカル・ネタ>
  この団地(実在:旧第二団地)の脇に銭湯がある。松葉浴場という。
  この映画が公開された1961年(昭和36年)に銭湯を開業している。
  ちょうど今年50周年記念。記念日は明日 11月26日。いいふろ
  鉄筋コンクリートのモダンな銭湯。川崎市の銭湯で初めて露天風呂を作った。私もちょくちょく通っている。近辺の銭湯と比較して松葉湯にはハナがあります。サウナ、打たせ湯、電気風呂もあり、お勧め。
  二代目当主の話。開業当時は家に風呂が無い家が95%だったそうだ。
  火曜~土曜14時~ 日曜・祝日(正月も)は朝8時~ (朝、湯船に朝日が差しているのが好き!)

  神奈川県川崎市麻生区百合丘3丁目3-5 044-951-2683 ‎
  松葉浴場の銭湯wikiはこちらからご覧ください。

  ロケ地の研究は、このブログがすばらしい(→) http://ogikubo-toho.com/seitidanti.html


3人  44  監督:久松静児|1961年|88分|東京映画|
  脚本:長瀬喜伴|撮影:遠藤精一
  出演:医者の戸倉家~森繁久彌 (戸倉金太郎)|左卜全 (戸倉銀之助)|二木まこと (戸倉桂一)
  地主農家の権田家~伴淳三郎 (権田孫作)|森光子 (権田かめ)|山内賢 (権田一郎)|岩城亨 (権田正夫)|佐藤まき子 (権田つる子)
  フランキー堺 (不動産営業マン・桜井平太)|淡島千景 (女医・小松原玉代)|吉川満子 (その母・小松原克子)
  坂本九 (地元クリーニング屋の青年・九作)|淡路恵子 (地元の飲み屋女将・君江)

  黛ひかる (桃子)|小桜京子 (豆子)|麻生鮎子 (怜子)|渋沢詩子 (みどり)|千葉信男 (巨漢・山上巡査)|立岡光 (野呂仙吉)|松本染升 (荒岩虎吉)|織田政雄 (魚清)|深見泰三 (大内教授)|長谷川万里子 (内山一子)|川内まり子 (根岸トミ)|塚田美子 (付添看護婦)|山崎明子 (明子)|中原成男 (荒岩組運転手)|佐藤紘 (一郎の友人A)|秋山由紀雄 (一郎の友人B)|富田友重 (一郎の友人C)|加藤三好 (一郎の友人D)|小沢直好 (一郎の友人E)|田辺元 (土地ブローカー)|サトウ・サブロー (地主)

九B0967   ステレオB0973
坂本九(中央)はクリーニング屋。                      権田家のオーディオ家電 
バックを通り過ぎる小田急線、当時の車体カラーリング       中央上がLPレコードプレーヤー、下がアンプとラジオチューナー 




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Comments: 4

やまなか URL 2012-06-04 Mon 22:18:11

すばらしいですね。溝の口でしたか。

荻窪東宝 URL 2012-06-03 Sun 21:45:11

お尋ねしました旧戸倉医院の所在地、その後、判明いたしました。少し離れた溝の口でした。今も門は保存されています。

やまなか URL 2012-05-10 Thu 08:15:05

近くに住む者にとってロケ地探訪は大変面白く拝見いたしました。旧戸倉医院・・・、念頭においておきます。

荻窪東宝 URL 2012-05-06 Sun 22:58:34

ロケ地紹介のページとして推薦していただき光栄です。ありがとうございます。おかげさまで駅前団地のロケ地のほとんどは特定できたのですが、旧戸倉医院(瓦葺きの門構えの日本建築の病院)のロケ場所がわかりません。お心当たりないでしょうか。もしかしたら百合ケ丘周辺ではないのかもしれませんが。

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
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 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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