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「ボクと空と麦畑」  監督:リン・ラムジー

バス車内555     終点着


ジェイムズ  少年少女が主人公の映画ですが、結構ビターですから、要注意。

  12歳の少年ジェイムズと友達ライアンの2人は、水路の水辺で戯れていたが、押されたライアンはハズミで深みにはまり、一瞬でその姿は見えなくなってしまった。周りに人影はない。後ろ髪をひかれるジェイムズは、その場を離れ無言で帰宅した。
  しばらくして通りがかった人に死体は発見され、小さな街に話はすぐに広まった。霊柩車が来て墓地に向かうのを眺めていた。あれから数日たつがジェイムズの心は、未だに後ろ髪をひかれている。重い。思考は無限ループに陥っている。ある日、そんなジェイムズに追い打ちがかかる。同じアパートに住むケニーは、2階の窓から君とライアンの件を見たよとささやいた。

  とにかく、この場を離れたい。行先考えずバスに乗る。乗客のいない車内、車窓を流れる景色は、彼の心をただ通り抜けていくだけだが、心に淀んでいるものを少し流し去ってくれるようだ。終着の停留所に着いた。そこは見渡す限り麦畑の真ん中だった。ああ、気持ちが軽くなり澄んでいく。こんな景色の中にずーといたい! そう思うジェイムズだった。

麦畑  家族

マーガレット  ジェイムズの気持ちを支えることになるのは、14歳の女子マーガレット・アンだ。彼女はこの界隈の悪がきたちのイジメ対象であり、恒常的にセックス対象になっていた。ジェイムズとマーガレット・アンは話さなくても気持ちが通じ合え、実の姉弟のよう。お互いに心が解放された。だがジェイムズは事件の事は話さない。

  さて、真面目なジェイムズは自分の心と、どう向き合い、どう解決しようとするのでしょうか。子供でなくても、ひとりで落とし前をつける事になったら、こうなるしかないのだろうか・・・。

  映し出される家々の風景を見て、ケン・ローチ監督の映画?と思う人も多いと思う。どちらの映画も、経済的に落ち込んだ1970年代のイギリスの、グラスゴーが舞台になっているからでしょうか。

  それぞれのモチーフは、なかなかいい。だが、それらモチーフやアイデアが、まだ半煮えの状態で映画になっているのが惜しい。うまくやってれば、もう2段上の作品になれたかも。

監督・脚本:リン・ラムジー|イギリス|1999年|93分|
撮影:アルウィン・カックラー|原題:RATCATCHER|
出演:ウィリアム・イーディー (James)|トマス・マクタガート(近所の友達・ライアン)|リアン・マレン (年上の彼女マーガレット・アン・Margaret Anne)|トミー・フラナガン (父・Da)|マンディー・マシューズ (母・Ma)|リン・ラムジー・ジュニア (妹・Anne Marie)|ジョン・ミラー(動物好きのケニー)|クレイグ・ボーナー(近所の悪がき・マット・モンロー)|
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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
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 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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