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映画 「アトムの足音が聞こえる」  音響デザイナー:大野松雄

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  ドキュメンタリー映画の主人公は大野松雄。日本最初の音響デザイナー。
  鉄腕アトムの歩く音、あの独特の音、ピュコピュコや飛ぶ音なんかをデザインしたことで有名。

<音響デザインって?>
  音を出発点に、メロディーやハーモニー、リズムに向かえば音楽だ。
  一方、音楽への方向じゃなく「物音」に関心が進めば、楽器以外の音響で、映像や空間に働きかけて何かを表現しようというデザインの仕事になる。例えば、スカイツリーに対する照明デザインに近いじゃないかな。

<大野松雄のスタート>
ライブ  大野松雄は舞台演劇の効果音に飽き足らなかった。今までに無い世界を模索していた。そして電子音楽のカールハインツ・シュトックハウゼンに出会う。
  「血液 止血のしくみ」(1962年)という教育映像が最初の仕事だった。顕微鏡映像で、血小板が踊っている。彼はこの映像に「音楽」ではなく「音」をつけた。黎明期の前衛的な電子音楽(現代音楽)の領域から大きな影響を受けた結果が実る。この映画、教育の場面以外に映像芸術として当時観られたそうです。
  今ならシンセサイザーで効果音を作るところだが、当時のシンセは真空管をたくさん使ったとても高価なものだった。手が届かない。
  そこで、アナログ録音したテープを切り貼りしたり、エフェクトをかけながらテープの回る速度数を変えたり、逆回転させたり再生したり。オープンリールのテープデッキを複数台駆使して音をつくった。そもそも、黎明期の電子音楽も録音テープを使っていた。

<鉄腕アトムは金属製か>
  次の仕事が、テレビ放映の準備を始めたアニメ「鉄腕アトム」だった。
  テレビ局のプロディーサーが手塚治虫に紹介した。大野と手塚は意気投合したらしい。また白熱した議論も多かったらしい。
  アトムの足音、あのリバーブのかかったピュコピュコした音を作り出す。
  大野の発想はアトムの足は樹脂製と考えたらしい、そして思いついた音がピュコピュコとなった。
  効果音の開発に熱中して満足すると、大野はアトムに飽きる。飛ぶ音、着地する音、墜落する音、お茶の水博士が慌てる時の音などなど、一通りの音を作ってしまえば、記号化される。後は当てはめるだけだ。アシスタント任せだったらしい。

発表会<アニメ以後>
  その後、彼は障がい者を扱うドキュメンタリー映画に携わることになる。そして現在は障がい者の施設で働いている。
  本作「アトムの足音が聞こえる」では、ラストに最近おこなわれた大野のライブコンサートが収録されている。

<映画に登場する大野の作品リスト>
  「血液 止血のしくみ」1962年
  「鉄腕アトム」1963年~ 
  「夜明け前の子どもたち」1968年
  「土くれ 木内克の芸術」1972年
  「光の中に子供たちがいる 三部作」1974-1977年
  「あざみ寮もみじ寮 今日もみんな元気です」1975年
  「飛鳥を造る 法輪寺三重塔といかるが寺の工たち」1976年
  「あそびの中にみる子どもたち」1996年
 (映像では紹介されないが、アニメにおいてはルパン三世の初期や宇宙戦艦ヤマトなどにもかかわった)

オープンリールアンサンブル<オープンリール・アンサンブルが面白い>
  この映画で出てくる音楽グループ。大野のライブで共演している。テープデッキをコンピュータに制御させての音楽。いい感じ。大野に録音テープのノウハウを伝授してもらっているのが印象的だった。

  オープンリールとは?・・・・・ウィキペディアへ

大野  監督:冨永昌敬|2010年|82分|東風|
  企画:坂本雅司|
  登場する方々:大野松雄|柴崎憲治|竹内一喜|大和定次|杉山正美|高橋巖|柏原満|桜井勝美|田代敦巳|町田圭子|小谷映一|ひのきしんじ|松田昭彦|OpenReelEnsemble|齋藤昭|涌井康貴|村上浩|由良泰人|レイ・ハラカミ|金森祥之





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