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映画「誰も知らない 」  監督:是枝裕和

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母2  主人公で長男の「明」が柳楽優弥であること、その「母親」がYOUであることが、この映画の決定打です。

  セリフがほぼ無く、黙々とすなおな演技をする柳楽優弥の、ナント饒舌なこと!!  話が進むに連れて映画にぐんぐん引き込まれていくのは、彼の存在感のせい。驚く。
  そして、この母親役。他のどんな女優が演じても、普遍的に母親が持つ、生あったかい生活臭が出てしまうであろう母親役。母親をドライに、さらりと自然に架空っぽく演じられるのは、確かにYOUしかいない。抜群の選択だ。
22.png  あとは、明の兄妹を演じる子役たちの自然さが、とても印象に残る。これが、この映画の底辺を支えている。スタッフ全員の力だろう。

  都会のマンションの一室に、この一家が引っ越してきた。
  「部屋から出ちゃダメ。ベランダにも出ちゃダメよ。大きな声も出しちゃダメ。約束守れる?」と母親は四人の子たちに話しかける。長男の明12歳を筆頭に、京子、茂、ゆき。みんな小学校や幼稚園に通ったことがない。父親はみな違う異父兄妹。
3.png  留守がちな母親。兄妹の生活を支えるのは、明。明だけが外出できる。買い出しや料理をする。家計簿をつけている。長女の京子は洗濯や掃除。母親が長期不在になる時は親から、まとまった現金を受け取りATMに入れて管理する、明。金が尽きてくると、カップ麺ばかりの毎日。明は、兄妹の父親に会いに行く。タクシーの運転手、パチンコ店の店員。数千円から1万円くらいをせしめてくる。
44.png  水道、電気、ガスが料金不払いで止められる。公園で飲料水を確保、洗濯もする。もう兄妹全員が外出する。外で遊ぶ。親しいコンビニの裏口で、期限切れ廃棄処分のおにぎりやパンをもらう毎日になっていく。
  そう、母親は、すでに、この子たちを捨てて、男の元へ去っていた。
  ある日、一番下の子が、取り返しのつかないことになってしまう。羽田空港の滑走路のそばに、旅行トランクに入れたまま埋葬した。
  でも、3人になった日々の生活は、意外に図太く続くようだ。

部屋  この一家に親戚はいないんだろうか、地域のコミュニティ、民生委員、警察は? セイフティネットって? 「誰も知らない」

  中国映画「ミスター・ツリー」のハン・ジェ監督が、一番好きな映画は?という問いに対して、この「誰も知らない」を即座にあげていました。 (第12回東京フィルメックスにて)


買い出し   家計簿







モノレール33英題:Nobody Knows|
監督・脚本:是枝裕和|2004年|141分||
企画:安田匡裕|撮影:山崎裕|
出演:柳楽優弥 (長男・福島明)|YOU (母・福島けい子)
北浦愛 (福島京子)|木村飛影 (福島茂)|清水萌々子 (福島ゆき)
韓英恵 (水口紗希)|串田和美 (吉永忠志)|岡元夕紀子 (吉永江理子)|タテタカコ (宮嶋さなえ)|加瀬亮 (広山潤)|平泉成 (中延司)|木村祐一 (杉原)|遠藤憲一 (京橋)|寺島進 (少年野球の監督)

ダイニング   階段






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Comments: 3

kayo URL 2012-08-17 Fri 12:59:25

はい、毎日聴いているそうですよ。

やまなか URL 2012-08-16 Thu 22:12:16

kさんもゴンチチ好きでしたね。

kayo URL 2012-08-15 Wed 22:33:03

ゴンチチのサントラがナイスでした。そうね、YOUと主人公の男の子を中心に、兄妹の自由な演技が本当にリアルだった。実話ベースなのだそうですが、実際はもっと悲惨な話だったようです。観賞後はズシンと重い気分になりましたが、それでも、やはり数々の賞を受賞するだけのことはある内容に納得。

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