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映画「夜の河 」  監督:吉村公三郎

ろうけつ

暖簾 来客  京都を舞台にした映画。
  堀川沿いに市電が行く、そこを東に入ると「丸由」という京染屋がある。
  店に入って奥へ行く。「丸由」の暖簾をくぐると、屋内だが床は石畳、井戸、かまどがいくつかある。手染めの染色工場。和服地になる長い布を手間をかけて釜で煮て染色する。根気のいる仕事だ。
  父・舟木由次郎(東野英治郎)と長女・舟木きわ30歳独身(山本富士子)そして手伝いの男の計3人で工場を回している。きわは、ろうけつ染めもなかなかの腕だが、一方企業家精神が旺盛だ。河原町あたりに店を出したいと思っている。
ゑびす屋  大阪・心斎橋筋の呉服屋ゑびす屋に、きわが描いたろうけつの着物を扱ってほしく一人出向いたり、東京のデパートの催事場でも扱ってもらえるようになったりと話は進む。

イノダ  そんなきわの意向を汲んで、関係筋に便宜を図ってやっているのが、近江屋のご主人だ。(小沢栄太郎)つまりは、きわに好意を寄せている。(イノダコーヒー本店にて) しかし、きわのドライな行動で、近江屋主人は、彼女に辛く当たるようになってしまう。

  さてそんな中、きわは、大阪大学の竹村教授(上原謙)と、さわやかな縁ができる。互いに魅かれていく。話はどんな結末になるんだろうか。

ポスター  この映画、そう悪くない。のだが・・・。
  まず一番に聞いてほしいのは、「色っぽい山本富士子主演・おやじ向けのエロ映画」ではない、という事。当時のポスターが、どうして寝そべったポーズになるのだろうか。宣伝もエロ路線だったようだ。
ふたり
  カラッとして現代的なストーリー展開ですが。次にふたつの残念。
  京染屋「丸由」ときわの手腕を、もう少し描いてほしかったな。女は男の手を借りないとビジネスできないという風潮だったのか。一方、きわと竹村教授との愛のストーリーが中途半端だ。よって映画の柱が、はっきりしない。勢い、宣伝部は、ふたりの逢瀬を過度に強調したエロ風路線を選ばざるを得なかった、のかな?
  だからか、鴨川に面した旅館での一夜の描写は、何か迎合したような違和感を大いに感じる。
  きわの着物ビジネスを通して、新しい京都の芽生えや古いものを大事にする心を話のベースにしながら、新しい愛の有りようを描いていれば、古くならない映画になっただろう。


染色監督:吉村公三郎|1956年|大映|104分|
原作:沢野久雄|脚色:田中澄江|撮影:宮川一夫|
出演:山本富士子 (舟木きわ)|東野英治郎 (きわの父親・舟木由次郎)|
上原謙 (大阪大学教授・竹村幸雄)|市川和子 (竹村の娘あつ子)|
阿井美千子 (きわの心許せる女学校時代からの友人・旅館経営・せつ子)|
小沢栄太郎 (近江屋)|川崎敬三 (画学生・岡本五郎)|万代峰子 (近江屋の妻やす)|橘公子 (舟木の後妻みつ)|
乾燥小野道子 (舟木の次女美代)|夏目俊二 (美代の夫清吉)|舟木洋一|星ひかる|山茶花究|大美輝子|若杉曜子 (先斗町・開陽亭の女主人)|朝雲照代 (奥さん)|真風圭子|南部彰三|天野一郎|西川ヒノデ (ゑびす屋)|石原須磨男|伊達三郎 (職人寛治)|高倉一郎 (職人利雄)|志摩靖彦|小松みどり|金剛麗子|玉置一恵 (中京京染め組合長)|藤川準|三浦志郎|越川一|小柳圭子|仲上小夜子|
高原朝子 (ゑびす屋の客)|前田和子|種井信子|

<京都観光タイムトリップ>

堀川と市電  道
堀川と市電                    堀川通りから東に入った道(まっすぐじゃない)

市バス2  街並み
市バス                      かつての京都の街並みが背景に見渡せる

床  長屋



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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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