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映画「きらめきの季節 美麗時光 」  監督:チャン・ツォーチ

上

  分かりやすく、ていねいな作りの作品だ。

食卓  台北の街外れ、川沿いにある再開発から取り残された狭い一画。ここは、時代に取り残されたからこそ、近隣同士のきずなが切れずに温かい。
  主人公のアウェイの家族は、5人家族。家を切り盛りする祖母。父は仕事せずに毎日町内の連中相手に賭け麻雀と酒。祖母に年がら年中「甲斐性なし」と罵られている。母は病死した。アウェイと双子の姉は、がん末期で終末ケアを在宅で受けている薄幸な日々。そして弟がいる。路地を挟んで向かいは、アウェイの従弟アジェの家。両家は一家同然にして毎日を送っている。住人達は、みなそれぞれに自分の生き方を堂々と楽しんでいる。そこがいい。
付近  こんな様子を映画は丹念に描いていて、観客もここの住人になったように思えてくる。台北に住む、下層の人々のドキュメンタリーとして観ていいくらいリアル。そして微量だがファンタジーの粉をふりかけてある。こういう、しっかりした背景をもとにアウェイとアジェのふたりの物語が語られる。

客引き  アウェイもアジェも、仕事らしい仕事をしてない。暴力団経営のバーの、客引きをアウェイは毎晩やっているくらい。ある日、暴力団事務所にふたりは呼ばれ、呑み代取り立ての仕事を任される。気合いが入るふたり。特にアジェはそうだ。なんたって、彼の手には拳銃があった。護身用にと組が貸し与えたんだ。ここから先の展開は想像もでき、できなくもあり・・・ですね。いい映画ですよ。

水槽 のち 水


下原題:美麗時光|英題:THE BEST OF TIMES|

監督・脚本:チャン・ツォーチ|台湾、日本|2001年|110分|
撮影:チャン・イーミン|
出演:ファン・チィウェイ (アウェイ)|ガオ・モンジェ (アジェ)|ウー・ユゥジィー (アウェイの姉・アミン)|ツェン・イーチャア (アチャ)|ツァイ・ミンショウ (アジェのおじ)|フー・ホァンジ (アジェの兄・アギィ)|ユゥ・イェンメイ (アウェイの祖母)|


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この作品から思い出す、お薦め映画 ~ 一夜一話からピックアップ
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「Orzボーイズ!」 台湾映画2008年

  アウェイとアジェが小学生の頃は、こんな感じで戯れてたんじゃないかと思えるピッタシ映画。

  台湾の子供が主人公の映画。彼らの世界観をのぞき見れて楽しめます。
  台北の海べり。裏街のマーケット街の曲がりくねった奥にある漢方薬店、そのばあさんの孫「うそつき2号」の母は、ハワイにいるとかだが音信不通。ばあさんの細腕で育ってきた。 ・・・・「Orzボーイズ!」 へ


「憎しみ」 フランス映画1995年

  アウェイとアジェと同年齢の3人の話。やっぱりフトしたことで拳銃が手に入った話。似た環境だ。

  場所は、パリ郊外の団地らしい。
  移民が多い公営住宅。住人は所得レベルの低い人たちが多そうだ。
  主役は3人の男の子。ヴィンスはユダヤ人、ユベールはアフリカ系、そしてサイードはアラブ系だ。いつも、団地近辺のどこかで、することも無くつるんでいる。他にも多くの若いのが、そしておじさんもブラブラしている。仕事がない。 ・・・・「憎しみ」


「雲の上」 日本映画2003年

  アウェイとアジェと同年齢の2人の話。「雲の上」では「チケン」と「シラス」。特に、アジェが「雲の上」のチンピラの「シラス」に似ている。人がよくて気が小さくて。

  いい映画だ。
  8ミリで撮影された。そのワイルド感と録音ノイズ、その場一発撮り的な、生なライブ感が織りなす映像は観客をとりこにする。
  そしてシラス役の鷹野毅が何とも言えず、素晴らしい!! 
  世間からこぼれ落ち、生活力もなく、何をやらせても頼りない、実に弱々しい男シラス。でも切に自分を生きたい、そう願うシラスを深い共感を持って切々と演じている。シラスが主人公とも言える映画。 ・・・・「雲の上」


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やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
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