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映画「Love Letter 」  監督:岩井俊二   主演:中山美穂

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渡辺博子(中山美穂)と、秋葉(豊川悦司)  神戸のガラス工芸アトリエにて

  「小樽市銭函二丁目二十四番地  藤井樹(いつき)」と、「神戸市中央区北野6-22-305  渡辺博子」との不思議な文通で紡がれる、少しファンタジーな、お話。
  藤井樹と渡辺博子、両方の役を中山美穂が演じる。いい映画。

墓前  さて、場所は神戸。
  映画は「藤井樹」の三回忌のシーンではじまる。登山で遭難死したらしい。親戚、登山仲間たちが大勢いる。その中に渡辺博子(中山美穂)もいた。彼女と藤井樹とは恋人関係で、藤井の両親とも親しかった。三回忌を終えて、樹の母(加賀まりこ)は渡辺博子に、樹の中学卒業アルバムを彼の部屋でみせた。「この頃は私たちは小樽に住んでいたのよ。卒業間際に引っ越したけれど。」そう言いながら樹の母は台所に行った。  彼の部屋にひとり残った渡辺博子は、アルバムの巻末に住所録を見つけた。  
  藤井樹 小樽市銭函二丁目二十四番地 
  この住所を書きとめたい。彼女は、樹の母が戻る前に、あわてて自分の腕に、この住所をメモった。

  ここから話は進んでいきます。墓石や、そのままにしてある彼の部屋はモノでしかなく、彼女の心を癒やす手触りを感じるものでは決してなかった。渡辺博子は迷ったが小樽市銭函二丁目二十四番地に手紙を書いた。私を残して世を去った藤井樹に。

  拝啓 藤井樹様

   お元気ですか?
   私は元気です。
          渡辺博子

ラブレター  この手紙は、小樽市銭函二丁目二十四番地「付近」に住んでいる 藤井樹(いつき)(中山美穂)に届いた。彼女に心よせる郵便配達男が運んできた手紙。「いつきちゃん、これラブレター?」 (→)
  風邪をこじらせているいつきちゃんは、渡辺博子という人に覚えはない。 誰ッ! イラついた先に思いついたのは、お返事を書いてみよう。ひとり笑いながら咳き込みながらワープロ(文書作成専用パソコン)で、  わたなべひろこさま・・・変換。こうしてふたりの中山美穂が文通を始める。

  神戸の渡辺博子を以前から好きだった秋葉(豊川悦司)は、遭難死した藤井樹の同輩。そもそも藤井に渡辺博子を紹介したのも秋葉だった。世の中、そういう役回りの人っている。
  返信してくる藤井樹は誰だってことで、渡辺博子と秋葉は推理する。結果、秋葉は文通に茶々を入れることになり、小樽のいつきちゃんは怒りの手紙を最後に文通は途絶えてしまう。そして渡辺博子は秋葉に怒る。誰だか知らない「藤井樹」と文通することに癒やされていたのだ。

  この先、思わぬことで話は大きく展開して、藤井樹は思い出す。「藤井樹って中学の時のアイツ?!」・・・文通が新たなレイヤーで再開します。そして秋葉の運命はいかに!

  一人二役なんで冒頭よく分からず話が進みます。なにがなに? 観客を煙に巻くって感じです。
  やはり、中山美穂がいいです。二役ですから、「いい」が倍増。でも小樽のいつきちゃんが良い。
  チョイ役ですが、加賀まりこ、范文雀が脇から、ちゃんとした映画にしています。篠原勝之、鈴木慶一もトボケタ役で味出します。そして忘れてならないのは酒井美紀(少女期のいつきちゃん・藤井樹)です。豊川悦司はどうかな?
  

監督・脚本:岩井俊二|1995年|117分||
撮影:篠田昇|
出演:中山美穂 (渡辺博子、藤井樹)|豊川悦司 (秋葉茂)|
<小樽>
酒井美紀 (少女期のいつきちゃん・藤井樹)|柏原崇 (少年期の藤井樹)|
范文雀 (いつきちゃんの母・藤井晶子)|篠原勝之 (おじいちゃん藤井剛吉)|
<神戸>
加賀まりこ (彼の母・藤井安代)|鈴木慶一 (彼の父・藤井精一)|

鈴木蘭々 (及川早苗)|中村久美 (浜口先生)|塩見三省 (梶親父)|田口トモロヲ (藤井慎吉)|光石研 (阿部粕)|うめだひろかず (利満)|長田江身子 (春美)|小栗かおり (鈴美)|わたる哲兵 (吉田)|後藤直樹 (大友)|酒井敏也 (運転手)|山口晃史 (担任)|山口詩史 (阿部粕の妻)|山崎一 (学年主任)|神戸浩 (治夫)|ランディ・ヘブンス (稲葉)|

銭函の家
小樽の藤井樹・いつきちゃんは、風邪でダウン。母親とじいちゃんの3人家族。
古風な洋式家屋に住んでいる。いいね!


図書館
いつきちゃんは小樽の図書館に勤務。同僚は手紙についても相談役。

振り返り神戸から来た渡辺博子は小樽の街かどで、いつきちゃんに出会う。
「藤井さん!」と呼びかけた。 
一瞬、振り返ったが、そのまま何も分からずに去っていく、いつきちゃん。
芸が細かいですね。いい脚本です。
そして、入れ子のようになった複雑な構成です。






映画ピックアップ ~ 一夜一話より

紹介0060第6弾のテーマは 「自分を探す旅 (邦画編 その1)」

  誰しも、自分を探す。
  恥ずかしながら、自分を見失う事もある。
  自分の中を見てみる。
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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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