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映画「毎日かあさん 」    監督:小林聖太郎   出演:小泉今日子

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  こんなに強い、かあさんがいれば、観客もみんな元気になれます。
  かあさんこと、サイバラリエコ(小泉今日子)は漫画家、アシスタント一人と共に自宅が仕事場。家族は基本、長男ブンジと妹フミの三人家族。のちに柴犬が加わる。仕事は順調で、この家も新築した。

ぼくらの名前はぐりとぐら  子供たちが寝る時は、毎晩絵本を読んであげる。ただし、かあさんは仕事後の息抜き飲酒も必要で、結果、ベッドで絵本読みながら、いいちこ焼酎を飲むという図になる。この時期の子供達は同じ本を毎晩読み聞かせしても飽きないんです。

ベッドのとうさん: 「酒は、やめる」
入院の身の回りを持ってきた、かあさん:
「これで七回目の入院! 聞き飽きたわ、その台詞!」

七回目  
  さて父親はどうしたんだ?・・・現在、入院中。
  カモシダユタカ(永瀬正敏)は元・戦場写真家だった。が、戦場で遭遇した悲惨な出来事で精神的な後遺症を患う。そして、こころの逃げ場として過剰な飲酒でアル中、結果、アルコール依存症。家庭内暴力もあるが、子供、特に娘には優しい。
幻視  時に戦場風景の幻想を見る。血を吐いては入退院を繰り返してきた。彼に父親としての資格はない! とかあさんは、諦めている。次に血を吐けば・・・と医師から言われる。
  かあさんの、こんな苦難のはけ口は、近所のかあさん連中とのおつきあい。互いに言いたい放題で気を晴らす。柴田理恵らが、脇を固めています。

oite yattemo zettai muri  とうさんは、ついに自らすすんでアルコール依存症リハビリセンターに入所することになる。(←左写真)かあさんは言う 「もし、ここで完治し完全に断酒できたら、家においてやってもいいぞ!  だけど、絶対無理だ、また飲むに決まってる」 子たちは、遠くからこの会話を聞いている。
3人  しばらく時が経ち、このリハビリから出所してきたことを最初に知ったのは、息子のブンジだった。だって街の呑み屋で昼間っから飲んでいるのを発見されてしまう。

がん  そして、追い打ちがかかる。とうさんにガンが見つかる。早い進行性がんで余命半年という診断。頭は脱毛してしまった。

  ついに、とうさんは死んでしまいます。
  でも、残された家族は、今日も生きていきます。


      「世界中の ぜんぶの 女がやっていることで
       毎日は それだけで たのしいよ。」

       母子

   漫画家・西原理恵子さんの代表作で一話完結の漫画「毎日かあさん」の映画化だそうですが、映画を観るなら、あくまで映画作品として観ましょう。
   子達のイタズラ・悪さ、オネショやらドジなどのシーンが挿入されますが、映画の本筋は、大きな・かあさんと、大きな苦難を背負ってしまった・とうさんの、大人の愛と葛藤のドラマです。
   小泉今日子が自然な演技で好感が持てます。ありがちな、いかにも子役的なアクがない、兄妹の演技がいい。どうかな?と思う永瀬正敏は私が観た映画のなかでは、一番いいかも。また、私にはあまり関心ないが、このふたり元・夫婦。

   この家のとうさんのような状態になってしまうのは「本人の意志が弱い」からだと、周囲から非難の対象になりがちです。現に、かあさんも、そういう態度を終始通します。飲酒量を自身が制御できなくなるなど、精神疾患の一つとして医学的治療が必要です・・・。映画中に、こういうコメントが語られます。もちろん、その原因となった戦争取材中に受けた重度の心的外傷に対する治療も必要だったように思います。

死監督:小林聖太郎|2011年|114分|
原作:西原理恵子|脚本:真辺克彦|撮影:斉藤幸一|
出演:小泉今日子 (サイバラリエコ)|永瀬正敏 (カモシダユタカ)|矢部光祐 (ブンジ)|小西舞優 (フミ)|正司照枝 (トシエ)|
古田新太 (ゴンゾ)|大森南朋 (シマダ)|田畑智子 (愛ちゃん)|光石研 (サイバラの兄)|鈴木砂羽 (麦田)|柴田理恵 (粟田)|北斗晶 (稗田)|安藤玉恵 (米田)|遠山景織子 (母親)|


下
若き日、ふたりの出会いはバンコク。
かあさん曰く 「自分と同じ血の臭いを感じた」 そうだ。



下2
リハビリセンター屋上のとうさん。        病棟の廊下を歩く、沈むかあさん。


一夜一話のお薦め映画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

原作が「西原理恵子さん」の映画 ~ 一夜一話から

「パーマネント野ばら」  出演:菅野美穂、小池栄子、池脇千鶴 ほか

  どうせテレビドラマ的映画だろうと思ってたが、やられた! 哀しみと笑いがブレンドされた大人味。
  さびれた小さな漁港、まともな人は、もうとっくに町を出て行ってしまった。残っているのはカスだけ。町に一軒だけの美容室・野ばら。ここに自ずとカスの女たちが集まる。パンチパーマをしてもらいながら、飽きもせぬ尽きもせぬY談花盛りのオバちゃん達。
  主人公ナオコ(菅野美穂)はこの美容室が実家、子連れで出戻っている。・・・続き



「毎日かあさん」と真逆の映画 ~ 一夜一話から

「誰も知らない 」  出演:YOU(母親役)ほか

  主人公で長男の「明」が柳楽優弥であること、その「母親」がYOUであることが、この映画の決定打です。
  セリフがほぼ無く、黙々とすなおな演技をする柳楽優弥の、ナント饒舌なこと!!  話が進むに連れて映画にぐんぐん引き込まれていくのは、彼の存在感のせい。驚く。
  そして、この母親役。他のどんな女優が演じても、普遍的に母親が持つ、生あったかい生活臭が出てしまうであろう母親役。母親をドライに、さらりと自然に架空っぽく演じられるのは、確かにYOUしかいない。抜群の選択だ。
  あとは、明の兄妹を演じる子役たちの自然さが、とても印象に残る。これが、この映画の底辺を支えている。スタッフ全員の力だろう。
  都会のマンションの一室に、この一家が引っ越してきた。
  「部屋から出ちゃダメ。ベランダにも出ちゃダメよ。大きな声も出しちゃダメ。約束守れる?」と母親は・・・続く




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やまなか

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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