映画「ナイン・シガレッツ」    監督:ウーゴ・ロドリゲス

上
ネネをかくまうドラッグストアの女性。    街の警官を射殺する散髪屋の女将。
シャッターの外へ乱射する店の主人。   ロシアン・マフィアの男の髭を剃る。


  この映画、クライム・サスペンス映画だが、製作のお作法が「メキシカン」で「のどか」。
  つまり、オシャレでスピーディで銃弾びゅんびゅん、アメリカン・クライム・サスペンスに慣れていると、この映画は「ダサッ」の一言で片づけられてしまうかもしれません。

  メキシコの、どこか地方の街の一晩の物語です。
  ほとんどの店は、店じまいを終えていて、通りはしーんと暗い。散髪屋の夫婦と、ドラッグストアの夫婦が今日最後の仕事をしている。散髪屋は、太った男のひげを剃っている。この男に携帯電話がかかって来た。ロシアンマフィアらしい。銀行口座に不法にログイン可能なIDとパスワードを入手したという知らせだ。男は髭剃り途中をかまわず、あわてて店を出た。
ロロ  ある場所に男たちが集まって来た。トムソンとロロ、ネネの三人組は、ハッカーのロロが入手したIDとパスワードを約束の時間どおりに持ち込んだ。報酬はダイヤモンドで、という事であった。その場でデータを開いてみるとCDには、なにやら女性のアパートの室内映像、つまりは隠し撮り映像しか入っていなかった。持ってくるCDを間違えた、ロロの単純ミスであった。気弱なロロは小声で弁解するが、事が事、話は一気にややこしくなって銃撃戦。逃げるトムソンとロロ、ネネの三人組は、暗い街に散った。
3人  イケメンのネネは、傷を負って閉めかけのシャッターを開けてドラッグストアに逃げ込む。店には色っぽい奥さんがいて、傷の手当てをしてくれた・・・。そしてこの店内で面倒な事が起き始める。ダイヤを持ったロシアンマフィアも傷を負い、駈け込んだのは、さっきまでいた散髪屋だ。また散髪の椅子に座って携帯電話をする。ロシア語で話しているが、散髪屋の女将は、この男がダイヤを「腹」に隠している、ということを理解した。そして、この店内で異様なことが・・・。
  田舎の日常が、突如、破られ、さっきまで思ってもみなかった非日常が、散髪屋とドラッグストアの2組の夫婦の心中に噴き出し始める。

たばこ  話の素材は、なかなかいいが、脚本の組み立てが苦しい・・・。だが、観ないでおくには、もったいない映画。話の素材だけをご賞味あれ。(変だな)
  ああ、なぜ「ナイン・シガレッツ」かって?  ・・・・・。



ポスターオリジナル・タイトル:NICOTINA

監督:ウーゴ・ロドリゲス|メキシコ、スペイン|2003年|90分|
脚本:マルティン・サリナス|撮影:マルセロ・イアッカリーノ|
出演:ディエゴ・ルナ(3人組の一員・ロロ)|ルカス・クレスピ(3人組の一員・ネネ)|ヘスス・オチョア(3人組のボス・トムソン)|ノーマン・ストロンゴ(ロシアンマフィア男・スボボダ)|
ラファエル・インクラン(散髪屋の主人・ゴジョ・禁煙中でイラついている)|
ロサ・マリア・ビアンキ(散髪屋の女将・カルメン)|
ダニエル・ヒメネス・カッチョ (ドラッグストアの主人・ベト)|
カルメン・マドリード(ドラッグストアの色っぽい女将・クララ40歳)|
マルタ・ベラウステギ(ロロの隣室の女性・アンドレア・隠し撮りされるチェリスト)|








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