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映画「暁の合唱」   監督:枝川弘  1955年

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  昭和30年当時の日本の田舎で、のんびりしたい人、どうぞ。 もちろん、若き香川京子を愛でたい方へ。

朋子  主人公・朋子(香川京子)は、高校3年生。明るく、はつらつ、利発な娘だ。
  父親は農耕馬の売買を業としているが家計は厳しい。義母に連れ子の銀二郎(子役時代の石橋蓮司!)がいて、朋子は実の弟のように可愛がっている。そして、義母に子ができた。
  朋子は大学進学を目指して勉強してきたが、自分の進路が腑に落ちない。受験当日、路線バスの乗り換え停留所で、朋子は進路を変更した。映画はここから始まる。

  この乗り換え停留所には、路線バス会社・東光自動車の小さな社屋がある。木造二階建て。その玄関先に女子社員募集の看板が出ていた。朋子はこれを見て進路を決めたのだ。さっそく採用される。
  バスの新米・車掌になるが、朋子は給料が高い運転手希望だ。そのためには、バスの修理もやるし運転免許の勉強もしている。

60 1010  このバス会社のオーナー・小出信吾(小沢栄太郎)は独身で登山家だ。一年のほとんど、会社にいない、お気楽者。オーナーは、その生真面目さが気にいたのか、芸者の米子を身請(みうけ)して、会社の経理事務をさせ一切を任せている。そのほかは運転手と車掌で全社員10名か、そんな会社だ。そう、朋子と米子は、このバス会社の社屋に住み込みで働いている。
  オーナーはこの町の映画館もやっている。甥の三郎(根上淳)にマネジメントさせている。
  あと、残る登場人物は、バス運転手・浮田(高松英郎)だ。インテリで朋子に免許取得の勉強を教えている。

  話は、バスの乗客のドラマを交えながら、朋子、米子、三郎、浮田の四人の話が展開します。
  放蕩息子的で臆病な映画館の三郎は、朋子に「も」気があり、米子は浮田に浮いている。さて、この四人の恋路はいかがなことになりますやら。
    
  
  取り立てて、どうこうの無い、牧歌的なお話です。
  ところどころ、少々道徳の時間のようなセリフがあります。
  この時代、まだまだ中卒が多かった時代だったかと思います。大学進学とは驚きです。
浮田  そして、日本のあちこちに、こうした小規模なバス会社が成立した時代です。1941年の映画「秀子の車掌さん」は、成瀬巳喜男監督、高峰秀子主演の映画ですが、秀子はやはり個人経営の小さな田舎バス会社の車掌です。しかし「秀子の車掌さん」の映画の中では、大きな資本のバス会社が、新型バスを同じ路線に走らせて競争時代に入っていました。ですが・・・、「暁の合唱」の小沢栄太郎演じる会社オーナー、こういう富裕のひと、その土地土地に当時いたんでしょうね。
  「秀子の車掌さん」はとってもいい映画なので、次回観る機会があれば一夜一話にあげたいと思います。この映画から20年経った1961年の映画「雲がちぎれる時」。監督は五所平之助、田舎バスの車掌は、倍賞千恵子でした。高知の田舎バスですがたしか県営バス。あ、なんか川本三郎みたくなってシマッタ。
  

メカニック監督:枝川弘|1955年|
原作:石坂洋次郎|脚本:八住利雄|撮影:板橋重夫|
出演:香川京子 (斎村朋子)|見明凡太朗 (実父・斎村兵吉)|竹里光子 (義母・斎村美代)|石橋蓮司 (義弟・斎村銀二郎)|根上淳 (映画館の小出三郎)|小沢栄太郎 (オーナー社長・小出信吾)|高松英郎 (バス運転手・浮田隆)|伏見和子 (バス会社事務員・山辺米子)|半谷光子 (吉江とみ子)|守田学 (萩村)|酒井清子 (映画館の女みどり)|青島純子 (花塚駒子)|橘喜久子 (附添の女)|菅井千鶴子 (中年の女)|宮島健一 (田辺巡査)|直木明 (試験場の教師)|酒井三郎 (朋子に自転車を強奪された郵便集配人)|北林谷栄 (バスの乗り合わて出産を手伝う老婆)|


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やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
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