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映画「カンバセーション…盗聴…」   監督:フランシス・フォード・コッポラ

上
盗聴機材を積み改装したバンの車内から外の様子を見るハリー。
オフィス
  
  自分の仕事に、良心の呵責を感じ悩む、そして神に許しを請う。そんな悲しい男がいた。
  彼の仕事は盗聴。依頼人が指定した人物の会話を傍受し、録音/編集したテープを作成する仕事だ。傍受には最新技術と電子機器を駆使し、計画と実行力と機密保持が試される。
  主人公・ハリー・コール(ジーン・ハックマン)は自分の仕事に誇りと自信を持っていた。ニューヨークで名をあげ活躍していた彼は、ある仕事でつまずいた。依頼された盗聴テープを依頼人に渡した後に、その盗聴ターゲットの関係者に死者が出た。この事件は、ハリー・コールに何の責任もなかったが、このことが盗聴という仕事に良心の呵責を感じるきっかけとなった。
  そして心機一転、ハリー・コールはウエストコーストに仕事の拠点を移した。
  人気のない地区にある古いビルの、広いワンフロアーまるまるが彼のオフィスだ。とはいっても、盗聴/録音機材が置いてある場所は、フロアの極々一画である。あとはガラーンとしている。このオフィスで仕事をしているのは当のハリー・コールともう一人の男だけ。機密保持のための厳重な態勢のようだ。

広場  今度の依頼は男女の会話の盗聴だ。サンフランシスコにある広場・ユニオンスクエアを散策している二人を、望遠鏡付の超高感度集音マイクで2か所のビル屋上から狙い、あとは広場にいる男がバックに隠しマイクを入れて二人を追尾して盗聴した。
録音  最新機材とはいえ、歩き回る声を拾うのは大変である、三か所から狙っても聞き取れるクリアな音声が得られるとは限らない。聞き取れる話し声を3つの音源から探し当て編集する、実に根気のいる仕事だ。

ホテル  ハリーは、録音内容に関心を示してはならないと自分に言い聞かせてきた。しかし編集段階で、どうしても聞いてしまう。ふたりの会話から殺人の臭いを感じたハリーは、良心の呵責から、盗聴ターゲットの領域に深入りしてしまうのだった。
  その結果、ハリーは依頼人から「それ以上踏み込むな」という脅しの電話に受け、ある録音を聞かされ驚愕した。盗聴のプロが隙を突かれた。ハリーが電話口で聞いた録音は、自宅で彼が吹くサックスの音。ハリーの唯一の趣味は、自宅でジャズをひとり楽しむことだった。
  受話器を置くや否や、彼は自宅に仕込まれた盗聴マイクを捜し始める。仕掛けていそうな定石の場所をチェックしたが見つからない。無我夢中ですべての壁板と床板をはがしたが、やはり見つからない。徐々に壊れゆく彼の心は、彼の思考を停止させる。そして無意識のうちにジャズサックスを奏ではじめるのであった。

電話  機密を扱う技術職人ならではの実直さと慢心が、孤独と突かれる隙と悲しみを招く。そんなハリーの心を和らげてくれるのは、自身が吹くジャズサックスのバラードな音色だけであった。
  独特の気風を持ついい映画。サスペンス映画ジャンルに押し込んでしまうには、あまりにも近視眼。



下オリジナル・タイトル:The Conversation

監督・脚本:フランシス・フォード・コッポラ|アメリカ|1974年|113分|
撮影:ビル・バトラー|
出演:ジーン・ハックマン|ジョン・カザール|アレン・ガーフィールド|フレデリック・フォレスト|シンディ・ウィリアムズ|ハリソン・フォード|テリー・ガー|ロバート・デュヴァル|






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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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