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映画「タッチ・オブ・スパイス」   監督:タソス・ブルメティス

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イスタンブールのじいさん  移民の話、意外に深い映画です。
  イスラムの国・トルコはイスタンブールに、多くのギリシャ人が住んでいる。
  もちろん、彼らにとってギリシャはあこがれの地であるが、祖父祖母の代から、この地に住み継いでいる家々では、ここトルコを本当の故郷と思い、在留ギリシャ人でありながら、みなトルコの国を愛している。

  映画は1960年代のイスタンブール。
  主人公・ファニス少年の家は香辛料専門店で、じいさんが築いたお店。少年は、じいさんっ子。市井の哲学者ようなじいさんは、人生の様々な事を、各種のスパイスに例えて教えてくれる。そしてトルコ人の少女・サイメとは、幼い恋をする。イスタンブールでの、こんなことが、ファニスのその後の人生に、大きな影響を与えることになる。そんなラブロマンス絡みのお話です。

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マップ0  ことの発端は、地中海に浮かぶキプロス島であった。
  この島の中で、ギリシア系住民とトルコ系住民がもともと対立していた。 その後に両国の本国、ギリシアとトルコが、これに介入。トルコは本国に住む、「ギリシャ国籍で非イスラム教ギリシャ人」を追放するに至る。
  ファニスの一家は苦渋の選択を余儀なくされた。つまり、じいさんをイスタンブールに置いて、ファニスと両親は、強制的な退去命令で出国、ギリシャのアテネに移住することになってしまった。追放の当日、ギリシャに向かう列車の前で、ファニスは、じいさんと、愛しのサイメに悲しい別れをした。  

教授  アテネに来たこの一家は、辛いことだが、ここが安住の地にならない。トルコではギリシャ人扱い、ギリシャではトルコ人扱いを受ける。差別だ。相手が言う無意識な言葉が辛い時もある。
  さて、ファニスは、トルコ時代から大人顔負けに料理の才能があった。レストランの厨房で働きながら勉強を続ける。そして、大学に進み、地球物理学を学んだ。そして現在、ギリシャの大学で天文学の教授だ。学会では名が通った教授になったが、未だに独身。

別れ00  ある日、じいさん危篤の知らせが届く。ファニスはイスタンブールでの葬儀に出かけ、そこで人妻となったサイメに出会う。ふたりは、場所と時の隔たりを越え、微妙なバランスのなかで語り合う。そして、新たな別れ。
  ファニスは、サイメが夫と娘と共に列車に乗り込んでいくのを、駅で見送るのであった。

  「キプロス問題」については、wikiに詳細があります。
  こちらから、wikiへどうぞ。http://ja.wikipedia.org/wiki/キプロス問題 
  (外部リンクです)




入出国管理局の役人が父に言ったことは、「ご家族のうち、あなただけが在留許可が更新できません。トルコ追放です。」
続いて耳打ちされる。「あなたが、もし、イスラムに改宗すれば、在留許可は簡単に更新されます。」
そして父が選んだ選択は、じいさんを置いて、家族3人でギリシャに行くことだった。

組2 00
ファニス少年とじいさん、ギリシャ正教の教会にて。        風呂で語り合う父とその友人たち



オリジナル・タイトル:A Touch of Spice

監督:タソス・ブルメティス|ギリシャ|2003年|107分|
撮影:タキス・ゼルヴォラコス|
出演:ファニス (ジョージ・コラフェイス)|ヴァシリス・じいさん (タソス・バンディス)|ファニス(子供時代) (マルコス・オッセ)|サイメ (バサク・コクルカヤ)|サヴァス (イエロクリス・ミハイリディス)|ソルタナ (レニア・ルイジドゥ)|ムスタファ・サイメの夫で軍医 (タマール・カラダリ)|エミリョス (ステリオス・マイナス)|

ギリシャ料理が好きな人はたまらない。       料理少年、ファニス。
料理


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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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