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映画「下町(ダウンタウン)」    監督:千葉泰樹

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鶴石と、りよと息子の留吉と。

待つ  りよ(山田五十鈴)は、ひとり息子の留吉と、二階の貸間一間に住んでいる。どこからか仕入れる茶葉を、まだまだ戦後復興が進まぬ街の家々を回って行商をしている。しかし、みな茶葉を買う余裕はあまりない。りよはこうして、シベリアに抑留された夫の帰りを待ち続けているのだ。

  りよの隣の部屋に、女がひとり住んでいる。りよのいい話し相手だ。隣室の女は明るく気丈に振る舞うが、以前から彼氏は入院したままらしい。りよとは、互いに慰め慰められる関係。
  この女の部屋には、この時代にはそぐわないたくさんの洋服、高そうなウィスキー、コーヒーがある。部屋に男が来る。一階にいる家主の女が斡旋している。ピンハネしているんだろう。家主の旦那の姿は無い。風来坊と諦めているようだ。
  りよは家賃の支払いが溜まっている。家主から、部屋で商売しないかと言われてしまう。男に取り残され、稼がねばならない女三人三様の人生。

荒川  茶葉の行商中に、ひとりの男と出会った。鶴石(三船敏郎)という。荒川の土手に詰所と作業場があってトラック一台で、男二、三人と組んで、鉄クズの商売をしている。鶴石はシベリア復員兵だった。
面倒見  損得勘定なく、りよの息子、留吉の面倒も見てくれる。見た目むさくるしいが、なんだか優しい。りよはそう思うようになった。

  ある日、三人で浅草の遊園地・花やしきへ行った。 互いに笑って一日よく遊んだ。まるで家族の様だ、
  その帰り、三人そろって場末の連れ込み宿に泊まって、りよと鶴石は、一夜を共にしてしまった。
宿  大人の成り行きだった。互いに悔いは無いが、展望もない。なぜなら、りよは夫を待っている身の女であることを鶴石は聞いていたからだ。
 
ふたり  そののち、りよが鶴石を訪ねて、詰所に行った。様子が変だ。見知らぬ男どもが、詰所で鶴石の荷物をまとめている。聞くと、昨夜、トラックで走行中、交通事故で鶴石はあっけなく死んでしまった。
  りよは、あまりのことに心が事態を受けきれず、地に足つかず、よろけるように詰所を出て行くのであった。
心
  

監督:千葉泰樹|1957年|58分|
原作:林芙美子|脚本:笠原良三、吉田精弥|撮影:西垣六郎|
出演:山田五十鈴(りよ)|三船敏郎(鶴石)|田中春男|多々良純|淡路恵子|村田知英子|亀谷雅敬|馬野都留子|沢村いき雄|鈴川二郎|中野トシ子|土屋詩朗|広瀬正一|佐田豊|五十嵐和子|中山豊|岩本弘司|
母子歩む








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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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