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映画「古都」   監督:中村登  主演:岩下志麻

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千恵子と苗子 (右) 一人二役

  どういう事情だか、この世に生まれてすぐに生き別れた双子の娘が、
  互いの顔も、両親の顔も知らずに、
  ひとりは、西陣の呉服問屋の一人娘として育ち、
  片や、北山の奥深く中川の村で、北山丸太の丸太磨きとして働いている。

四条  このふたりが、その夏に祇園祭で賑わう四条河原町あたりで、出会った。
  双子同士だ、直感でお互いが姉妹だと感じたが、北山の娘は、西陣の娘の身なり、顔だちを見て思わず「お嬢様」と呼んだ。そう、この育ちの違い、身分の違いが、嬉しいはずの出会いを、ふたりの行く末を、狂わしていくのであった。

  西陣の娘、千重子を愛する男がふたりいる。
  ひとりは、手織り機で帯を織る職人、秀男(長門裕之)だ。いい腕、いい仕事をする男。もうひとりは千重子の幼なじみの兄で、竜助(吉田輝雄)という。竜助の家も呉服問屋だが、大店だ。千重子が育った呉服問屋より数段経営がしっかりしていて企業化がなされている。竜助はこの店を父親に代わって取り仕切っている、そういう腕がある。 

双子と秀男  北山の娘・苗子の話。
  姉妹が四条河原町で出会った直後、彼女は四条大橋を渡っていた。そこへ偶然すれ違った秀男が、西陣の娘・千重子と見間違い、「お嬢さんの帯を織らせてくれ」と言い、反射的に北山の娘は、はいの返事をしてしまう。
  後日、千恵子のために織りあげた帯を持って秀男が千恵子の家を訪れ、彼女から、「実は四条大橋の上で出会った娘は、わたしの姉妹の苗子」である事を知らされた。千恵子は言う。プレゼントのために「苗子に帯を織ってほしい。」 彼は承諾し、織った帯を北山に住む苗子に届けに行くのであった。

悩む苗子
北山の苗子  このふたりに、いつしか愛が芽生える。一方以前から身分違いの交際はあり得ないと、秀男は父親から、千恵子への憧れを否定されていた。
  つまり、ふたりの愛には、ふたりの間には、はじめから「千恵子の代わりとしての苗子」という幻影がいて、これを振り払う事ができない、悲しい愛。

店  千恵子はある選択をした。
  この世で唯一血を分けた苗子に、秀男を譲った。育ての親には、丸太屋の再建で恩を返そう。だから千恵子は、竜助の好意を行け入れる。

  千恵子の家・呉服問屋の丸太屋の帳簿が怪しいという噂を、竜助が聞きつけて千恵子に進言する。さっそく千恵子は番頭(田中春男)を呼び自ら帳簿を調べる。これにあわせて竜助も店にあがる。もちろん事前に、竜助の父(柳永二郎)は、千恵子の義父(宮口精二)に承諾を得ていた。千恵子の義父は、芸術肌でもともと商売には疎かった。一方、竜助の父は、有り余るビジネスマインドから、能ある竜助を使って事業拡大を目指していた。そして竜助は千恵子を愛し始めていた。

  
  千恵子/苗子のひとり二役。だから同時に岩下志麻を2倍楽しめる映画。
  でも、北山の娘・苗子のほうがいい。千恵子役の岩下は、妙に表情が硬く、その分伝わってこない。
  京の街並み、清水寺、時代祭、祇園祭、送り火、地蔵盆など観光シーンが多い。はるか50年前の京都を懐かしめる。先斗町の「いづもや」はああだった。四条大橋の苗子のうしろを、京阪電車が通り過ぎるが、電車が映し出されない、地上の京阪! 残念。
  上七軒のおかみ役の浪花千栄子が、ここでも光る演技を見せてくれる。いいな、この女優。
  
四条英語タイトル:Twin Sisters of Kyoto

監督:中村登|1963年|106分|
原作:川端康成|脚色:権藤利英|撮影:成島東一郎|音楽:武満徹|
出演:岩下志麻(佐田千重子・西陣呉服問屋丸太屋の一人娘)、苗子・北山の娘)|宮口精二(義父・佐田太吉郎)|中村芳子(義母・佐田しげ)|吉田輝雄(大店呉服問屋の跡取り息子・水木竜助)|早川保(千恵子の幼なじみ水木真一)|柳永二郎(水木兄弟の父・水木惣平)|長門裕之(大友秀男・帯職人)|似てる環三千世(千恵子の親友・真砂子)ふたりで出かけた北山で苗子を知るきっかけになる|東野英治郎(秀男の父・大友宗助)|浪花千栄子(上七軒のおかみ)|田中春男(丸太屋番頭植村)|千之赫子(芸者)|


千恵子の頼みで、苗子を家に招いた。義父義母は喜んで、一緒に住もうとも言った。
だが、苗子は、千恵子の幸せを邪魔したくなかった。だから一泊だけの事になった。

双子




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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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