Home > 邦画評だけ見る 直近50作 > 映画「PicNic ピクニック (完全版)」  監督:岩井俊二  主演:チャラ、浅野忠信

映画「PicNic ピクニック (完全版)」  監督:岩井俊二  主演:チャラ、浅野忠信

TOPページにもどる

チャラ

  チャラを観る映画。

  前近代的な精神病院で出会った女と男の話。

ココ200  ココ(チャラ)は、両親に付き添われ、運転手付きの高級車に乗せられ、この病院に着いた。両親は、白衣の人達に連れられて病棟に消えていく娘を、淡々と見送った。
  彼女は黒いカラスの羽飾りを身にまとっていたが、入院患者として白い服を強制される。病室はガランと広い個室だった。
  ココは双子の姉。相手を「自分のニセモノだ」とする言い争いから妹を殺していた。殺したその時、正直、気持ちが清々した。だが、ココは思った。もう、この世を終りにしたい。いつしか「あたしが死ねば、この世は終わるのよ。」そう思うようになっていた。
  

幻影  ツムジ(浅野忠信)は、ココより先に入院していた。
  彼は小学校の時に、担任の先生からいじめを受けていたらしい。これが彼のトラウマとなった。中学生になっても高校生になっても、この担任の幻影が彼の目の前に現れては、小学校の頃の何かに付けて、彼を責めては厳しく問いただす。
  ついに彼は本物の先生を刺し殺した。 
  だが、今も幻影が病室の壁から突如現れては、彼を苦しめている。
  どうあがいても、このしつこい幻影から逃れられないツムジは、地球滅亡を望むようになる。 (確かに、この先生の霊が結構怖い。)


ピクニック300  ある日、ツムジはサトル(橋爪浩一)と連れだって密かに散歩に出ようとしていた。これを見たココも彼らに付いて行く。ただし病院の塀の上を伝い歩く、子供の遊びのような散歩だ。高い所は楽しい。気が晴れる。ただ、平衡感覚と足元に注意がいる。
  塀の上のココが足元からふと目を上げると、先を歩いていたツムジとサトルが折り返してきた。「あそこから先へは、行っちゃいけない。」とサトルが言う。ココは構わず、塀の上の、その先へどんどん伝い歩いて行く。
  ツムジもココを追って、「行っちゃいけない」隣の塀の上に立った。そして拒むサトルの手を引っ張った。

拘束0000  病院に帰って来たココとツムジは、病院の看護師たちから、お仕置きを受ける。ふたりは特別な部屋に入れられて、何本ものベルトでベッドに拘束され、太い注射器で鎮静剤を打たれた。
  夜中に、密かにツムジの拘束ベッドに上がり、彼にまたがって欲望を満たす女医。この部屋のそばには、鉄棒をはめた檻(おり)付きの牢屋のような病室があり、閉じ込められた多くの患者が、この様子を見入っている。
  朝方、ツムジは担任の幻影にうなされている。ココは隣のベットからツムジをじっと見つめている。そしてツムジを呼んだ。彼はやっと正気をとりもどし目を覚ます。ココはツムジに人を殺した人間の臭いを感じる。


組10  「7月10日がこの世の終わりだ。」とツムジが言う。「地球の最後を見に行くの。」とココが合わせる。「また、お仕置きされるぞ。」とサトルが退く。「地球最後の日だから、病院に戻る必要はないのよ。」とココが言い、サトルは妙に納得した。
  そんなことで、ある晴れた日、ココ、ツムジ、サトルの三人は、意気揚々と塀の上伝いのピクニックに出かけた。
  「行っちゃいけない」その先を、いくつもの塀を伝って歩いて行くと、思いのほか遠くへ行ける。うれしい。丘も野原も河も橋もビル街も線路も見える塀の上を、伝い歩いて行く。


nidome 00321  だが、途中で3人は、はぐれ出す。ふたりを振り返らずにどんどん進むツムジ。何度も道草をくって遅れたサトルは、誤って高い塀の上から落下し、ひとり野原の真ん中で息を引き取る。ココも気が付けば、周りに誰もいない。あてもなくツムジを追いかける。そして、塀の上で担任の霊に怯え泣き叫んでいるツムジを発見した。やっぱり、ツムジは人を殺した人間の臭いがする、「あたしと同じ」 とココは確信した。

ツムジ0  それから、ふたりは港に向かう。その先は沖へと続く一本の細い防波堤。並んで沖へと歩いた。
  小さな灯台に着く。ここが本当に行き止まりだ。
  ツムジは、ここへ来る途中で入手した拳銃を夕陽に向けて、数発撃った。太陽が死ねば地球は滅亡すると。
  その直後に、ココは言った。「あたしが死ねば、この世は終わるのよ。」
  彼から奪った拳銃で、すぐさまココは自分の頭を打ちぬいた。ツムジのために。
  周囲に黒いカラスの羽が舞い続けた。

灯台0


下監督・脚本:岩井俊二|1995年|68分|
撮影:篠田昇|
出演:ココ:チャラ|ツムジ:浅野忠信|サトル:橋爪浩一|
牧師:鈴木慶一|女医:伊藤かずえ|看護長:六平直政|看護婦:山本ふじこ|看護婦:佐山真里|看護婦:武藤寿美|警察官:島村日出夫|ココの父:加太孝明|ココの母:山口詩史|教会の少女:久野優理|教会の少女:高橋麻衣|教会の少女:曽我真奈美|街頭芸人:チャックと豆の木|
ポスター

TOPページにもどる


【 一夜一話の 歩き方 】

最新の記事はこちら。      直近の記事100 リストは、こちらから (All Archives)

邦画評だけ見る (直近掲載の50作品)   洋画評だけ見る (直近掲載の50作品)  

TOPページ (映画記事の人気ランキング、新作映画みました、映画の特集)

邦画の題名リスト    ◆洋画の題名リスト

邦画の監督名リストから記事を探す   ◆洋画の国別リストから記事を探す

一話 (京都、旅行、美味など)      書評   美術

クラシック音楽    ポピュラー音楽              


関連記事
スポンサーサイト

Comments: 0

Comment Form
Only inform the site author.

Trackback+Pingback: 0

TrackBack URL for this entry
http://odakyuensen.blog.fc2.com/tb.php/850-68979123
Listed below are links to weblogs that reference
映画「PicNic ピクニック (完全版)」  監督:岩井俊二  主演:チャラ、浅野忠信 from 一夜一話

Home > 邦画評だけ見る 直近50作 > 映画「PicNic ピクニック (完全版)」  監督:岩井俊二  主演:チャラ、浅野忠信

タグクラウド
プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

RSSリンクの表示
Tree-CATEGORY

Return to page top