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映画「デタッチメント 優しい無関心」  監督:トニー・ケイ

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  主人公の高校教師ヘンリー(エイドリアン・ブロディ)は、幼い頃のことが心の傷となって、今も彼の重荷になっている。彼の記憶にあるのは、その頃、母と祖父と3人暮らしだった。母はいつも祖父に怯えていた。映画は、そのわけを言わないが、母への性的なことのようだ。ヘンリーに「あなたを祖父から守る」と母は言っていたが、結局バスルームで母は自殺してしまう。現在、その祖父は、有料老人ホームにいる。

祖父  デタッチメントとは、無関心、超然とした態度、脱離、孤立。コミットしない態度。 ヘンリーは、これまで人間関係や世間とはデタッチメントな関係を維持することで、自身の心の安定、安心を維持してきた。維持できていれば、外向けに優しい顔でいられる。デタッチメントは、彼の生活スタイル。今もって独身。

先生  ヘンリーの職業は、臨時教師だ。教師に欠員が出た学校に、一時の穴埋めのため短期派遣される。派遣先は、辞める教師が続出する、荒れた学校が自ずと多くなる。だから、悪がきやつっぱりの扱いは、お手の物。初日からクラスを繰るテクニックを持つ。だが、普通の先生とはだいぶ違う。教科書なんて使わない。自分が死ぬ前に言っておきたいこと、なんていう題の作文を課したり。授業に無関心な生徒も少しは面白がる、そんな授業内容だ。だからか、なかにはヘンリーに寄り添ってくる生徒も出てくる。
生徒  デタッチメントなヘンリーにしてみれば、いつも短期の仕事なので、生徒や先生とは行きずりの関係で済む。だから臨時教師という不安定な仕事を続けていられる。

アートな子  デタッチメントというシェルターの内側には、心優しい男・ヘンリーがいる。彼にとって、本来の自分とデタッチメントとの使い分けが難しい局面を映画は描き出し、ヘンリーという人物を彫り深く語ろうとする。そのひとつのエピソードは・・・。

  ヘンリーの優しさにひかれる、アート感覚鋭い、情緒不安定な女子生徒。ヘンリーのちょっとした行為、つまり生徒との距離を置こうとした行為が、彼女にはショックで、結局彼女は校庭で公開自殺してしまう。嘆くヘンリーは同時に逃げ出したい。

組10  もうひとりは、街で会った少女。いかにも売春してますスタイルだが、精神的に衰弱しているようで見るからに痛々しい。身寄りが無い。結局、ヘンリーは彼女を自分の部屋に泊める。ベッドは別々。
組1000  数日のうちに少女は、温和なヘンリーに好意を寄せ始める。ふたりで買い物に行った。彼より早く起きて朝食を作った。ヘンリーの祖父のベッドサイドに通い始めた。彼女にとって、生まれて初めて経験するアットホーム。  ヘンリーの優しさが前面に出た形だったが、結局は養護施設の係官を頼んで、少女を強制的に収容に入れることになる。彼女は泣き叫びながら連れられて行った。
  でも、ご安心を。映画のラストで、ヘンリーは養護施設に少女を引き取りに行く。

  高校教育の荒廃する現場が舞台の映画なので、教育が主題の映画だと思うかもしれないが、それだと映画の半分も観ていない事になってしまうので気を付けてね。

下原題:Detachment

監督・撮影:トニー・ケイ|アメリカ|2011年|97分|
脚本:カール・ルンド|
出演:教師ヘンリー:エイドリアン・ブロディ|校長キャロル:マーシャ・ゲイ・ハーデン|少女エリカ:サミ・ゲイル|教師サラ:クリスティーナ・ヘンドリックス|衰弱した男性教師ワイアット:ティム・ブレイク・ネルソン|サージ・ケプラー:ウィリアム・ピーターセン|ダーデン氏:ブライアン・クランストン|生活相談担当の教師ドリス:ルーシー・リュー|パーキンス:ブライス・ダナー|ベテラン老教師チャールズ:ジェームズ・カーン|メレディス:ベティ・ケイ|マシアス氏:イザイア・ウィットロック・Jr|


組015      組010
ヘンリーと少女、養護施設前で。           ヘンリーに好意を抱く女性教師。

組011      組012
生徒向け生活相談担当、いつも前向きだが・・・。  ヘンリーの板書。

組014      組013



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 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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