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映画「トゥルー・ヌーン」  監督:ノシール・サイードフ   タジキスタン映画

上


組220  国境とは何か、を教えてくれるタジキスタン映画。

  この映画は、3つの国と、2組の対立を描いている。
  当時、ソ連の支配下にあった中央アジアのタジキスタンとウズベキスタンの両国。支配する国と支配される国の関係。そして、ソ連の崩壊直後に起きた、タジキスタンとウズベキスタン2国間の領土問題。

  タジキスタンとウズベキスタンをまたぐ、山麓側の上サフェドビ村と、ふもとの下サフェドビ村。この2つの村の間に、ある日突然にウズベキスタンの軍隊によって国境線が引かれた。
  結婚、雑貨の売買、牛の群の行き来や種つけなどなど、両村の間では昔から日常的に交流が盛んだった。学校も両村の生徒を集めて行われていた。



組100  上サフェド村には、以前からソ連の気象観測所があった。ロシア人・キリルは、ここの気象観測の所員。家族と一緒にこの地に派遣されて住んでいたが、ソ連の政情を考慮して家族を返して、現在は単身赴任。ニルファは、上サフェドビ村の娘でキリルの観測助手をしている。ニルファは結婚を控えていた。旦那になる男は、下サフェドビ村の男だ。

夫
  一方、ニルファの母は出産間近だ。父は大喜び。診療所は下サフェドビ村にある。そんな折、国境線が引かれた。
  ある夜、陣痛が来た。慌てる父親をさとしてキリルは、国境に設置された鉄条網を切って、バイクに乗ったこの夫婦を通してやった。
  しばらくして、嫌なことが起こった。鉄条網付近で、牛が「地雷」を踏んで死にかけた。ウズベキスタン軍が夜間に、鉄条網に沿ってたくさんの地雷を仕掛けて行ったのだ。

越境  結婚式を前にキリルは、地雷探知機を自作した。そしてニルファは赤い小旗をたくさん用意した。そして式の前日にキリルは探知機を使って地雷の場所を見つけては、小旗を立てて置いた。当日、美しい花嫁衣裳のニルファとその親族は、キリルを先頭に、鉄条網を切った場所から、下サフェドビ村に 「越境」 した。
  キリルは赤い小旗を立てて置いた箇所を避けて進む。そのあとを恐る恐る歩むニルファたち。見守る夫の親族と両村の人々。何本もの旗を過ぎて、もう大丈夫と思ったその時、キリルの動きが止まった。地雷に足をかけてしまったのだ。ニルファの親族をみな通したあと、彼は言った。「観測所の無線機の電源を切るのを忘れたので、先に行っていてくれ。」 不審に思う両親族たち。次の瞬間、乾いた爆音がとどろいた。
無線機  誰もいない観測所、スイッチがオンのままの無線機から、キリルの妻の声がした。「あなた、元気なの?」 ソ連崩壊の影響で郵便機能は停止して久しく、無線機もずっと音信不通だったのだが・・・。

  鉄条網を切ったこの場所だけ、他の場所よりも地雷がたくさん仕掛けられていた。ソ連やロシア人を嫌う誰かが、ウズベキスタン軍に情報を流したのだろうか。タイトル名の「トゥルー・ヌーン」とは太陽が真南に来る時。偶然にもトゥルー・ヌーンは結婚式当日であった。
  地雷探知機 自作などとネット検索してみると分かるが、探知機は簡単にできるらしい。


鉄条網を挟んで両村の生徒が授業を受けている
学校オリジナル・タイトル:Истинный Полдеь
英語タイトル:TRUE NOON

監督:ノシール・サイードフ|タジキスタン|2009年|83分|
脚本:サファール・ハクドドフ|撮影:ゲオルギー・ザラーエフ|
出演:ユーリー・ナザロフ|ナシバ・シャリポワ|ナスリディン・ヌリディノフ|ロケ地の村人たち|




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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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