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映画「母と娘 (ははとこ)」  監督:ロリー・ビー・キントス フィリピン映画

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母・Josieと長女・Carla。 ふたりの気持ちは、すれ違ったまま。

  フィリピンでは、家政婦として海外に出稼ぎに行く女性がとても多い。

  この映画は、フィリピンのマニラでの話。
  Josieは3人の子持ち、気丈な主婦。
  夫はマニラで仕事が見つからず、台湾に出稼ぎに行くことになった。 だが、3か月経ったある日、夫は台湾から帰国した。どうしたの? ホームシックで仕事が手に付かない・・・。
出発  このままでは生活ができない。悩んだ末に、Josieは香港に出稼ぎに行くことにした。6年契約で、住込みのメイドの仕事だ。長女のCarlaは、母がいなくなることを一番悲しんだ。家に帰れるのは、年に一回だけ。Josieが帰国する度に、みな喜んで迎え、香港へ戻る日には、みな悲しんだ。家政婦を雇って家のことはやってもらっているが、夫も優しく子達の面倒をみた。

  Josieは懸命に働き、できるだけの金額を仕送りした。住込み先は、小さな子がひとりの金持ち中国人家族のマンション。一部屋をメイド用にあてがわれている。子供はなついているが、夫婦は彼女にとても厳しい。彼らにはフィリピン人家政婦に対して差別意識がある。なにやら蔑視に近い。この家族が海外旅行に行く時、Josieはマンションに閉じ込められ拘束された。もちろん食事には困らないが、電話回線は切られていた。

tegami.png  ちょうど、この間、マニラでJosieの夫が急死した。親族が香港に電話したが通じない。手紙を送ったが、Josieは郵便受けに行くことができず、手紙が来たことを知る由もなかった。しばらく経って、中国人一家が旅行から帰ってきて、夫婦はJosie宛のその手紙を彼女に渡した。それで初めてJosieは、夫の死を知ったが、葬儀は終わっていた。悲しんだが、帰国は許されなかった。Josieは、香港での虐げられた過酷な様子を、今までも子達には一切、知らせていなかった。

食卓  一方、長い歳月が流れる中で、Carlaを始め子達には、母の存在が徐々に薄れていた。特にCarlalは思春期、難しい年ごろになっていて、帰って来ない母を大いに憎んだ。さらにCarlalは、取り残されたような、情緒不安定な中、自分の気持ちの持って行く先が見つからず、自暴自棄に陥っていた。酒やセックスに溺れ、良からぬ男たちと遊ぶことで、自身を傷つけるばかりであった。

母娘  6年が経ち年季が明けて、母・Josieが帰国した。親戚や近所の人々が、彼女を歓迎した。だが、子達はなかなか母に近寄らない。特にCarlalは、母を避ける、無視する。母が何か言うと、食って掛かる。香港へ帰れと言う。
  Josieは考える。幼い子をこの手で育てたい、家族と一緒にいたい、母であること、妻であることを捨てて、お金を求めて香港へ渡った。この6年はなんだったんだろうか? 貧しくとも家族一緒にマニラにいれば良かった。
  ある日、Carlalの前で母は、こんな思いのたけをすべて娘に話した。
  翌日から、Carlalの態度が少しずつ軟化し始めた・・・。残された家族に団らんが戻り始める。
  そして母は、やはり生活のため、また香港へ渡る。ただし、マニラから香港から、温かい手紙のやり取りが始まった。

  フィリピン人メイドの、香港でのイメージは良くないのだろうか? 中国人夫婦の、Josieへの態度が異様だ。一方、Josieのメイド仲間は、駆け落ちするなど自由奔放に描かれている。
  フルーツ・チャン監督の「リトル・チュン」でも、フィリピン人女性のメイドが出て来て、チュン少年と雇主とメイドの関係をよく描いていた。映画「リトル・チュン」の記事はこちらから

  本作「母と娘」は、脚本が弱い。親子の人物表現が物足りないため、突っ込みどころが多々あるのが残念だ。

下オリジナル・タイトル:Anak

監督:ロリー・ビー・キントス|フィリピン|2000年|120分|
脚本:リッキー・リー、レイモンド・リー|撮影:ジョー・バタック|
出演:Josie:ヴィルマ・サントス|Carla:クラウディン・バレット|Michael:バロン・ゲイスラー|Daday:シェイラ・モー・アルヴェロ|Rudy:ジョエル・トーレ|Lyn:エイミー・オーストリア|Mercy:チェリー・パイ・ピカチェ|Brian:レアンドロ・ムエオス|


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