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映画「ジェリーフィッシュ」  監督:エトガー・ケレット、シーラ・ゲフェン  イスラエル映画

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組1-00  三つのエピソードを追う映画。 
  イスラエルのリゾート地でもあるテルアビブの街での話だ。
  海から来た不思議な女の子、黒いドレスの詩人の女性、フィリピンからイスラエルに出稼ぎに来たジョイ。この三人の女性がキーに話は展開する。 

  エピソード1: 一緒に住んでいた彼が出て行って落ち込む女性バティアは、何もかもが投げやり。職場では上司から小言を言われてる。そのうち辞めるつもり。今日は、ひとりテルアビブの浜辺で地中海をぼんやり見ている。
  エピソード2: 結婚式中に運悪く足を骨折してしまう花嫁。新婚旅行は取りやめになり新郎新婦は急きょ、テルアビブ市内のホテルに泊まる。予約なしの宿泊だったので部屋が悪い。ホテル最上階にスウィートルームはあるが、予約が入っている。気が晴れない新婦、慰める花婿だが彼もむっつりしている。
  エピソード3: インディーズな演劇で、端役だが出演の願いがかなった女性ガリアは毎日稽古で多忙。入院中の母マルカの退院予定日に迎えに行けない。行けないというより、そもそも面倒くさい。以前から互いに疎遠な、母ひとり娘ひとりの家庭だ。退院後はケアも必要だ。で、仕方なく娘はケア・ヘルパーを雇い、喫茶店で簡単な打ち合わせ。ヘルパーはジョイというフィリピン女性だ。家族を母国に置いて、ひとりイスラエルに出稼ぎに来ている。

組2-00  そして・・・。
  エピソード1: ぼんやりしていると、小さな浮き輪の幼い女の子が海から現れて、バティアに向かって歩いてくる。
  エピソード2: そのスウィートルームには、黒いドレスの女性がひとりで泊まっている。名のある詩人らしい。新郎が非常階段で出会い、知ったことだ。
  エピソード3: フィリピン女性のジョイは、退院の日にベッドサイドで母親と会う。

  その先は・・・。
  エピソード1: バティアはその子を迷子だと思った。そして警察まで同伴した。がしかしその子は警察の手をすり抜けて、帰ろうとするバティアについて来る。一言もしゃべらない女の子。つかみどころがない。しばらく家で世話をしてあげることにする。職場に連れて行ったが、悪さをして上司が怒り即刻、解雇宣言を受ける。
組3-0  そしてある日、女の子が行方不明になる。バティアは慌てて街なかを探すがが見つからない。海岸で走る女の子を見つけた。その子は海に帰っていく。バティアも急いで後を追い海に入って行く。
  エピソード2: 部屋から出ずにぶつぶつ言う新婦に新郎は嫌気がさして、ホテルの非常階段の踊り場ででタバコを吸っている。ちょうどエレベーターが故障で、詩人の女性が階段を上がって来て、新郎と会話する。新婦は部屋でホテルのレターヘッドになにやら詩を書きつけている。かの女性は、それならスウィートルームを譲りましょうかと言う。そんなことで部屋を交換する。翌日、詩人の女性は替った部屋で自殺していた。彼女の最後の作詩は、新婦が書きなぐったレターヘッドの詩に、書き加えたものだった。
  エピソード3: 母親のマルカは、とても不機嫌。家に帰って来ても、フィリピン女性のジョイを無視している。そんな中、ジョイはマルカに娘ガリアの公演を一緒に観に行こうと誘う。後日、娘は家に来て、母に感想を聞く。「あなたの身体をやたらに触る相手役は何よ? そしてそのあと終演まで舞台上で死体で転がってるのね。」 それを聞いた娘は、母親に捨て台詞。「もう二度とあんたには会わないから!」 それに引き替え、日々真摯にケアをするジョイ。マルカはいつしかジョイに愛情をもって接するようになる。

組4-0  エピソード1の女性バティアの母親は、「黄金の屋根」という組織のリーダーで、貧しい人々を救うための募金活動をしている。母親はTVの募金募集コマーシャルに出ていたり、街角のあちこちには母親の写真が募金ポスターになっている。これらがエピソード1~3に度々登場する。これが気味悪く、ストーリーの通奏低音になっている。

  世の中、映画ストーリーの安易な過激化が進んでいる。その行きつく先は、使い捨てされた、ぶざまな映画が散らばっていることでしょう。この映画、そういうところからは一歩も二歩も距離を置いた映画です。ただ、心ない人のツマンナイ発言が映画を殺すかもしれません。

組5-0原題:Meduzot|Jellyfish|ジェリーフィッシュ=クラゲ。魚なんだ。|

監督:エトガー・ケレット、シーラ・ゲフェン|2007年|イスラエル、フランス|82分|
脚本:シーラ・ゲフェン|撮影:アントワーヌ・エベルレ|
出演:サラ・アドラー バティア|ニコール・レイドマン 少女|ゲラ・サンドラー マイケル|ノア・クノラー ケレン|マネニータ・デ・ラトーレ ジョイ|ザハリラ・ハリファイ マルカ|


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Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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