Home > 洋画評だけ見る 直近50作 > 映画「我らの生活」  監督ダニエレ・ルケッティ

映画「我らの生活」  監督ダニエレ・ルケッティ

上0

  舞台はイタリア、ローマ郊外。
  クラウディオは、マンション建築工事の現場監督。監督自ら身体を動かし、仕事の要領を身を持って見せ、現場のやる気を引き出していく。働き手には、ルーマニアやモロッコからイタリアに入国して不法滞在、低賃金で働く男たちが混じる。クラウディオは、美しい妻と二人の子持ち。妻は三人目をお腹に抱えている。決して金持ちじゃないが、幸せな家庭。子煩悩なクラウディオ。
組0  だが、ま、映画のお決まりで、この一家に不幸が始まる。妻が出産時に亡くなる。新生児を抱えてクラウディオは途方に暮れる。親族が集まって彼を慰め励ますが、クラウディオはなかなか立ち上がれない。
  そんなある日、彼は決心する。子たちのために自分ができることは、働いて金を稼ぐこと。今までのような雇われ現場監督ではなく、自分がボスとなって建築工事の請負を始める。そのためには人を雇い資材を調達し、まとまった金が要る。で、同じアパートに住む親しい友人・アリから、元手資金を借り受ける。新生児は、アリの妻に預けることになった。妻はアフリカのセネガルの女性だ。後でわかることだが、実はアリはクラウディオの希望する全額を用意できず、不足分の金を彼の知る、ある組織から借りていた。

  さて、不法入国の男たちを集めて、クラウディオの初めての請負工事が始まる。だが、急きょ集めた男たちは、あまりにも工事に未熟でモラルも低かった。納期迫るなか、仕事は遅々としてはかどらないい。ついに納期を延期してもらう。
  一方、工事代金が懐に入らず、アリに金を借金返済期日に返せない。案の定、アリは組織から催促の脅しを受け、アリはたまらずクラウディオに催促の電話をした。なんとかしなきゃならない。クラウディオは兄から金を借り、すぐさまその金を持って急ぎアリの家へ向かった。開け放たれたドアを入ると荒らされた部屋、そして息・絶え絶えなアリがいた。「24時間以内に返せないならお前を殺す」と言い残して、組織の男たちは去って行ったのだ。しかし、ああ、なんとか間に合った。この、あまりの恐怖にアリの妻は、セネガルに帰ってしまう。

組組0  クラウディオは、集めた男たちに賃金を出せないでいる。このために妻の遺品を売った。親戚が貴重なお金を出してくれた。かき集めた金を人数分の封筒に分けて入れ、賃金支払いの用意した。しかし、クラウディオの意に反して、男たちはもらった金を握りしめ、すぐさま現場を去って行った。
  
  工事はまだ完成していない。もう、本当に後がない。背に腹は代えられない。クラウディオは、イタリア人だけの技能集団を抱える手配師に工事をまる投げして、なんとか納期に間に合わせた。手配師に支払い、兄に借金を返し、結果利益はまったく出なかった。ただ、子供たちとの穏やかな日々がもどった。アリの妻は、気を取り直してアリの元に帰って来た。クラウディオの兄は、長かった独身生活を終えようとしている。お相手は、不法入国したルーマニア人の女性だ。

現場  以上のストーリーに伏線がある。不法入国したルーマニア人ガードマンのエピソードだ。時間は過去に戻るが、クラウディオ(右写真→)がまだ現場監督をしている頃、彼は工事現場にある深いエレベーターホールで死体を発見する。請負人のボスは、「その死体は現場の夜間ガードマンで事故死であった。ルーマニアからの不法移民だから、警察に知らせると工事が延期になり、金を稼ぐどころじゃなくなってしまう。見て見ぬことにしよう。」 違和感がありつつもクラウディオは、同意し黙っていた。
  ある日、クラウディオの前に、父親を探しているというルーマニア人姉弟が現れる。そして言う、工事に雇ってくれと。クラウディオは、この弟を気に入り、雇い、アパートの一室も与えた。海辺のレストランで働く姉が、クラウディオに気を寄せ始める。親戚のパーティに、この姉弟も同席するようになる。だが、実は姉弟の父親が事故死のガードマンであった。ついにクラウディオは姉弟の弟に真実を明かした。弟はクラウディオの元から去って行った。姉の方はクラウディオの兄と恋仲になるのであった。  
  このエピソードの展開に、口足らずなところが見受けられるのが残念だが、イタリアの移民問題を素直に描いていて好感が持てる。

クラウディオの兄が現場を訪れた。彼は警官だ。
その姿を見た労働者たちは、仕事を投げ出し、一応に逃げて身を隠した。
みな、ルーマニアやモロッコから来た人々であった。

下オリジナルタイトル:La nostra vita

監督ダニエレ・ルケッティ|イタリア|2010年|98分|
脚本:ダニエル・ルケッティ、サンドロ・ペトラリア、ステファーノ・ルッリ|
撮影:クラウディオ・コレピッコロ|
出演:クラウディオ:エリオ・ジェルマーノ|その兄ピエロ:ラウル・ボヴァ|友人アリ:ルカ・ジンガレッティ|クラウディオの妻エレナ:イザベラ・ラゴネーゼ|ほか


TOPページ (総合案内) ここから見る
   テーマ別映画特集・人気ランキング・新着映画紹介が見れます。

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す こちらから
   国名で探す こちらから

邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ  
関連記事
スポンサーサイト

Comments: 0

Comment Form
Only inform the site author.

Trackback+Pingback: 0

TrackBack URL for this entry
http://odakyuensen.blog.fc2.com/tb.php/896-418be455
Listed below are links to weblogs that reference
映画「我らの生活」  監督ダニエレ・ルケッティ from 一夜一話

Home > 洋画評だけ見る 直近50作 > 映画「我らの生活」  監督ダニエレ・ルケッティ

タグクラウド
プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

RSSリンクの表示
Tree-CATEGORY

Return to page top