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映画「プラットホーム」  監督:ジャ・ジャンクー

上  「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」とした文化大革命が1977年に終って、その2年後の1979年から話は始まる。まだ中国社会に重い疲弊が残る頃。ここは小さな地方都市、山西省汾陽(汾阳・フェンヤン)。地方都市とは言え、北京からそう遠くない。街には毛沢東や中国共産党を讃える芝居を専門に打つ、宣伝工作隊の地元劇団があった。

組5-00  劇団メンバーのうち、明亮(ミンリャン)、瑞娟(ルイジュエン)、張軍(チャンジュン)、鐘萍(チョンピン)の4人は幼なじみの腐れ縁。イタズラ盛り、青春真っただ中の彼らが映画の主人公だ。文化の香り乏しい汾陽で唯一といっていい、自身の感性を発揮できる場であった劇団は、若い彼らにとって居心地が良かったに違いない。

  張軍と鐘萍はすでに恋人同士。明亮(ワン・ホンウェイ)は、街で商店を営む家のボンクラ息子。瑞娟(お馴染みの女優チャオ・タオ)の父親は警察のお偉方。さて、このふたりの行く末は、また張軍と鐘萍のふたりのこれからは、どうなりますやら・・・。 そんな彼らの、その後の10年間を映画は151分かけて描いて行く。だから、話の展開は結構端折ります。

組22222  劇団は、党からの支援が無くなり自立、つまり自ずと民営化の道を歩み始める。従来の宣伝工作隊からショービジネスに変化していく劇団。当時流行りのポップミュージックやダンスを取り入れて行く。公演は汾陽を離れ、砂漠の中の僻地の村々へも遠征する。文化大革命時代は、トラクターにひかせた荷台に乗って移動したが、公演地が遠くなるに従い、大型トラックで街道を走る劇団。そんな変化の兆しに瑞娟(ルイジュエン)ひとりは、街に残って転職していた。


帰郷  さて、自由を謳歌する劇団活動であったが、徐々に彼らの興行成績が悪くなってきた。新しい趣向の劇団が次々に登場し、彼らのショーは相対的に古くなって行った。そしてついに明亮、張軍、鐘萍は劇団を辞め、故郷の汾陽に戻ってくる。最後のシーンは、明亮(ミンリャン)、瑞娟(ルイジュエン)が家庭を持った光景で終わる。

  文化大革命その後の10年が進むなかで、幼なじみ4人の心境の変化を中心に、彼らの身内の人々や劇団団員そして観客や街を歩く人々の様子の変化を、映画はていねいに描きます。主人公の恋の行方も気になるが、革命後10年間の中国人の変化に関心が向かないと、この映画、面白くないと感じるでしょう。この映画が難しいとすれば、それはジャ・ジャンクー監督の作家性によるものではなく、観る側の、中国への関心の度合いに起因するものと思います。

下120原題:站台|英語タイトル:PLATFORM| 

監督・脚本:ジャ・ジャンクー|香港、日本、フランス(ただし便宜上、国別分類は中国に)|2000年|151分|
撮影:ユー・リクウァイ|
出演:ワン・ホンウェイ:明亮(ミンリャン)|チャオ・タオ:瑞娟(ルイジュエン)|リャン・チントン:張軍(チャンジュン)|ヤン・ティェンイー:鐘萍(チョンピン)|




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