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映画「コード・アンノウン」  監督:ミヒャエル・ハネケ  主演:ジュリエット・ビノッシュ

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  万華鏡のようである。
  だが、見えてくるのは、フランスのこれからを案じつつも、新たな模索のとっかかりすら見つけられない、そんなフランスの手探り/手詰まり状態だ。
  映画は主人公アンヌと彼氏ジョルジュ、そして田舎に住む彼の弟ジャンや父親らの生活や思いを描きながら、かたや各シーンで偶然に出くわす人々、特にフランスの下層で生きる人々を多面的にスケッチしていく。

組2-000  女優を目指す主人公のアンヌ(ジュリエット・ビノッシュ)の日常生活は思うようにうまくいかない。嫌な悪夢も見る。その彼氏ジョルジュは、コソボから帰って来た報道カメラマン。悲惨な現場を見て来たショックからまだ立ち直れない様子。彼の実家は母がいず、父親の農業畜産は先細りだ。ジョルジュは跡を継ぐ気はない。

  映画冒頭、ジョルジュの弟ジャンが田舎から出て来て、パリの街を歩いているところをアンヌと偶然遭遇する。なにやらむしゃくしゃしているジャンは、道端に座っていた路上生活のおばさんに当る。それを見ていた通りがかりの青年アマドゥに注意されたジャンとアマドゥが、揉め事を起こすところから話は始まる。近くにいた警官がふたりに駆け寄るが、彼らは反射的にアフリカンのアマドゥを取り押さえた。まわりに見物人の人垣ができる。関わりたくないおばさんは逃げようとする。

組3-0  映画は、このエピソードから多数のシーンを派生させて、アマドゥとその家族、かつて植民地であったアフリカ諸国の移民一世・二世の人々を描き、ひとり寡黙に路上生活するルーマニアの中年女性をはじめフランスに住む東欧諸国やアラブ諸国の人々の様子を描いて行く。
  アンヌやジョルジュのシーンも含め、この映画のすべてのシーンは断片化され、どれもが同じ重みで並列に観客の前に並べられる。観客は、映画と自身が持つ問題意識とを付け合せて観て行くことになる。

  聴覚が不自由なアフリカンの子供たちによるドラミングチームの楽しげな演奏、同じく聴覚障がいの子達が教室で演技するパントマイムの様子、また集まって楽しげにパーティーするは、ロマの人々か?・・・ そんなシーンが幾度か挿入される。 1942年生まれの監督は、70歳を越えている。監督は彼らに未来への光を感じているのかもしれない。

オリジナル・タイトル:CODE UNKNOWN|CODE INCONNU: RECIT INCOMPLET DE DIVERS VOYAGES|

監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ|フランス、ドイツ、ルーマニア|2000年|113分|
撮影:ユルゲン・ユルゲス|
出演:ジュリエット・ビノシュ|ティエリー・ヌーヴィック|ヨーゼフ・ビアビヒラー|アレクサンドル・ハミド|

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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