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映画「パラダイス 愛、希望」  監督:ウルリッヒ・ザイドル  「パラダイス3部作(愛/神/希望)」より

  「パラダイス3部作(愛/神/希望)」から、「愛」と「希望」の2作です。 
  ちなみに、3部作のなかでは、「神」の出来が一番良い。 「神」のレビューは、こちらからどうぞ。
愛上「パラダイス 愛」
愛組00000
  普通のオーストリアのおばさんが、アフリカのリゾート地へ、軽く遊びに行く話。 その遊びとは、アフリカの若い男たちとセックスすることだった。ウィーンで娘とふたり暮らしの、50を過ぎたテレサは、中産階級の真面目なおばさん。そのおばさんの愛のパラダイスを描く映画。
  ここは、白人観光客だけの海辺のリゾートホテル。女性客が、ホテルを出て街に向かうと、オートバイに乗った男たちがとり囲む。女性客は、気に入った男を見つけると、彼のバイクに乗ってベッドへと向かうのである。
  さてテレサも、誘われるままに男の部屋に行くが、その最中に拒否してしまう。浮気もした事のないテレサの初めての遊びであった。この仕事の男たちは、肥満の白人女性を丁寧な言葉使いで西欧風に優しく扱う。手をつないで歩く。ベッドでも紳士的。そんな雰囲気づくりに、ほだされる観光客たち。このリゾート地では、テレサも若い女性のように扱ってもらえるパラダイスなのだ。
  次の男は、前の男に比べてずっと優しかった。何度もベッドを共にするが金を要求しない。実はこれがこの男の作戦であった。テレサを妹の家に連れて行き、病気で家計が大変だと言う。テレサは何の疑いもなく大金を渡してしまう。彼女がそれと気づくには少々の時間がかかった。
  今日はテレサの誕生日。オーストリアの娘からは、祝いの電話もない。しかし、知り合いになった宿泊客のおばさん3人が、サプライズのバースデーパーティを用意していた。テレサの部屋で、ケーキとシャンパンと、そして若い男ひとり。「頭の先からあの先まで、全部あなたのものよ。」 盛り上がるパーティ。

追1  ホテルの客は、水着姿でビーチチェアに寝そべり海を眺めている。そのプライベートビーチにロープが張られている。ロープの向こうには、アフリカの男たちが幾人も黙って立っている。ホテルの客がロープを越えて海に向かうと、待ってましたとばかりに男たちが一斉に群がって来て、土産物を売り付ける。そんな観光客相手で食っていくしかない地元の人々。映画では女性客相手の風俗を描いているが、もちろん男性客相手の女たちもいるんだろう。
  映画の売り文句が、お上品でソフト過ぎる。映画を観てエ~ッ!と、びっくりする方もいるだろう。ご用心を。
  しかし、この映画をアフリカの人が観て、どう思うんだろうか。
  ビーチに張られたロープは、パラダイスと現実の結界であり、結界を監視するアフリカ人のガードマンたち。そして、さらなるを求めてオーストリアのおばさん達は、ロープを越え、自分たちの非日常を探しに、愛のパラダイスをさ迷うのである。

オリジナル・タイトル:Paradies: Liebe|
監督:ウルリッヒ・ザイドル|オーストリア・ドイツ・フランス|2012年|120分|R15+|
脚本:ウルリッヒ・ザイドル、ベロニカ・フランツ|撮影:ボルフガング・ターラー、エドワード・ラックマン|
出演:マルガレーテ・ティーゼル:テレサ|ピーター・カズング:ムンガ|インゲ・マックス:インゲ|


希望上「パラダイス 希望」

  肥満児向けの減量合宿。13歳のメラニーに割り当てられた相部屋は2段ベット2つ。4人の少女は、いたずら盛り。夜中に調理室に入って盗み食い。夜に抜け出して、近くのバーで酔いつぶれる。メラニーは、合宿施設の医師が好きになってしまうが・・・。
  「パラダイス3部作(愛/神/希望)」のなかで、一番の不出来。この作品で初めてウルリッヒ・ザイドルに出会った方は、不幸かも。

希望下オリジナル・タイトル:Paradies: Hoffnung|
監督:ウルリッヒ・ザイドル|オーストリア|2012年|91分|
脚本:ウルリッヒ・ザイドル、ベロニカ・フランツ|撮影:ボルフガング・ターラー、エドワード・ラックマン|
出演:メラニー・レンツ:メラニー|ジョセフ・ロレンツ:医師|ミヒャエル・トーマス|ビビアン・バルトシュ|

ウルリッヒ・ザイドルの映画 ~ 一夜一話から

「パラダイス 神」  「パラダイス3部作(愛/神/希望)」より。 これが3部作のなかで一番いい。

「インポート、エクスポート」  ウクライナとオーストリアの現実を、働く者の視点から活写した映画。

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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