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映画「反撥 (反発)」  監督:ロマン・ポランスキー  主演:カトリーヌ・ドヌーヴ

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  キャロル役のカトリーヌ・ドヌーヴが、105分の尺を、ほぼ出ずっぱり。
  誰もが、金髪のカトリーヌ・ドヌーヴの美しさに見とれるが、表情が見えない。恐怖を抱く人形のよう。
  だが、最後まで一気に観てしまう。この映画、サイコスリラー映画というんでしょうか・・・。

  キャロルは、高級なエステティック・サロンに勤めているが、まだ新人でアシスタント。客にネイルケアをしているシーンで、彼女の爪がアップになる。 不自然に短い爪。噛む癖があるんだ。二十歳前か? それにしても幼い感じ。おどおどしている。
65組0  キャロルは、姉とアパートに住んでいる。内気で無口な彼女に比べ、姉は勝気な女性。マイケルという男と熱烈不倫中。最近、彼がアパートに泊まることが多くなった。
  夜中に、その声が聞こえてくる。バスルームの鏡の前に置いてあるキャロルのコップに、マイケルの歯ブラシや髭剃りナイフ(剃刀)が無造作に入ってる。彼の下着が床に落ちている。キャロルは、そのひとつひとつに耐えられない。
  キャロルに惚れてる優しい男コリンは、彼女の昼休み時間を狙って待っている。昼食や夜のデートに誘うが、相手にもされない。無理にキスしたら、キャロルは自分の口を、急いでぬぐった。

65-0.png  どうも精神的な障がいを持っているように見えるキャロル。
  彼女の症状が悪化し始める。つまり、今まで防御してきた心の領域に、マイケルやコリンが踏み込んできたとキャロルは感じて、彼らに嫌悪感を抱くようになる。それが、何かの引き金を引いたようだ。
  結果、店に出勤できなくなり家にこもる。さらに悪いことに、姉がマイケルと旅行に出かけて、キャロルひとりになってしまった。姉の留守中、家の中で彼女は妄想に苦しみ出す。
  部屋の壁に大きな亀裂が突然走る。天井が彼女を圧迫する。壁が湿った粘土を触るようにヌウッとへこむ。街頭で見かけた男が部屋に侵入し襲われる。廊下の壁から、突如、たくさんの男の手が出てくる。
  そして、訊ねて来たコリンを金属製のロウソク立てで撲殺しバスタブに沈める。家賃を催促に来た家主の男を、マイケルの髭剃りナイフでめった斬りして惨殺する。ことが発覚するのは、姉とマイケルが帰宅してから。

  これらのシーンを指して、狂気、精神異常と言って、今もこの映画の売り文句にしている。だが、そう言ってしまうことに、違和感を感じる。 
  50年前の映画だ。当時の認識では、精神障がいに対して、細やかな配慮に至らなかった、なんだろうか?  いやいや、娯楽映画なんだから、そんなこと、いいじゃん?  と思いつつも映画は進む。
  さて、ラストになって、キャロルの少女時代の写真が大きく写し出される。彼女のそれまでを暗示させるシーン。少女の頃に何かがあって、やはり心に障がいを持ち続けて苦しんできた、ようだ。

過去0  例えば、男に執拗に追われて、追い詰められて、ついに異様な潜在能力を発揮し出す・・・といったようなスリラー性ホラー性を、前面に出す娯楽ストーリーなら話は別だ。 だが「反撥」では、臆病なキャロルの細腕で大の男を簡単に殺せてしまう、といったことで分かるように、キャロルの精神障がいによる妄想を描いている。
  う~んやっぱり、病気に苦しむ人を見せ物にする風を感じざるを得ない。病を主題にするには、今も昔もそこんとこに気を回さないと、見識を疑われても仕方ない。


下オリジナル・タイトル:Repulsion
監督:ロマン・ポランスキー|イギリス|1965年|105分|
脚本:ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ|撮影:ギルバート・テイラー|
出演:キャロル:カトリーヌ・ドヌーヴ |ヘレン:イヴォンヌ・フルノー|マイケル:イアン・ヘンドリー|コリン:ジョン・フレーザー|ほか



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Posted byやまなか

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