Home > 洋画評だけ見る 直近50作 > 映画「ウィズネイルと僕」  監督:ブルース・ロビンソン

映画「ウィズネイルと僕」  監督:ブルース・ロビンソン

組0

  「ひとつの時代が終わろうとする時」を主題とする映画なんだろうと思う。また、自伝的脚本を書いた監督には、Swinging-Londonといった華やいだ文化の中にいたという意識は、たぶん無いんじゃないかと思う。

  時は1969年ごろ。ロンドンに住むウィズネイルと僕は、ともに俳優志望で貧乏なオボッチャマ青年。ハッタリかますウィズネイルと、引っ込み思案な僕。ふたりは何かと小心で、漠たる傷心な日々を過ごしている。  
  五月革命やプラハの春やらには距離を置く2人は、世間に背を向け、カウンターカルチャーな生活にドップリ浸かっている。1960年代末特有の、一種の負け犬意識がふたりにはある。
  家賃不払いでアパートに居れなくなったふたりは、ウィズネイルの伯父の別荘へ行くが、僕はゲイの叔父に迫られる・・・。
  う~ん。ツマンナイ。どこがいいんだろう? どう傑作なんだろう? 何が言いたいのか? 
  1969年。あの時代の当事者として監督は、何をどう表現したいのだろうかが、皆目わからない映画だ。
  
  映画冒頭にキング・カーティスのサックスで、プロコル・ハルムの曲「青い影」が流れる。
  これで思い出すのは、つのだ・ひろの「メリージェーン」が流れる映画、「あらかじめ失われた恋人たちよ」 だ。(監督:清水邦夫/田原総一朗・1971年) 
  この邦画も、ひとつの時代が終わろうとする時を主題とする映画。時代に立ち会った作り手の当事者意識がはっきりしている。軟弱でありながらも骨がある青年を演じる、石橋蓮司が男であった。<2011-05-15掲載>

組200  「ドント・ルック・バック」という1967年の映画がある。
  ボブ・ディランの英国ツアーのドキュメンタリー映画だ。ディランの憂鬱と、10代の女の子たちのキャーキャーが対照的だった。<2012-11-02>
  この「ドント・ルック・バック」に登場する若い子たちの世代が、Swinging-Londonとか言う文化の享受者たちであり、消費者たちである。かたやSwinging-Londonの作り手たちは、この子たちより年上の世代だ。つまりウィズネイルと僕の世代。彼らは同時代的な憂鬱の空気の中にあった。たぶん、そこんとこを言いたかったんじゃないかな、この「ウィズネイルと僕」という映画は。

原題:Withnail and I
監督・脚本:ブルース・ロビンソン|イギリス|1987年|107分|
撮影:ピーター・ハナン
出演:ithnail リチャード・E・グラント|I/Marwood ポール・マッギャン|Monty リチャード・グリフィス|Danny ラルフ・ブラウン|Jake マイケル・エルフィック|
関連記事
スポンサーサイト

Comments: 1

やまなか URL 2015-05-14 Thu 19:10:21

なるほどコメディね、そういうことでもあるでしょうね。
私も私じゃなければ、そう思えたかもしれない。
でも、同時代的に感じる者にとっては、そうそう笑える状況じゃなかったですね、当時を思い返せば。

> テーマ云々よりもコメディとして圧倒的にすぐれているんだと思いますよ。
> 機知に富む台詞の数々はいろいろな作品で引用されています。
> 私が観たときは観客は爆笑につぐ爆笑でした。
> そしてラストは青春の終わりのせつなさが味わえる名作です。

Comment Form
Only inform the site author.

Trackback+Pingback: 0

TrackBack URL for this entry
http://odakyuensen.blog.fc2.com/tb.php/987-0539440b
Listed below are links to weblogs that reference
映画「ウィズネイルと僕」  監督:ブルース・ロビンソン from 一夜一話

Home > 洋画評だけ見る 直近50作 > 映画「ウィズネイルと僕」  監督:ブルース・ロビンソン

タグクラウド
プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

RSSリンクの表示
Tree-CATEGORY

Return to page top