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映画「大阪物語」  監督:市川準  主演:池脇千鶴、田中裕子、沢田研二

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  コンビを組んで20年、めおと漫才の「はる美&りゅう介」(田中裕子、沢田研二)夫婦のスッタモンダと、その娘・若菜14歳(池脇千鶴)の青春を描く。

  はる美とりゅう介は、若菜と一郎のふたりの子を抱え、郊外にある2K程度の狭いアパートに住んでいる。敷布団2枚敷いて、一家四人は川の字になって寝る。こんな仲睦まじい家庭を持ちながらも、りゅう介は若い女にうつつを抜かす。

  妙子という女が妊娠した。りゅう介は、こともあろうに、一家が住んでいる同じアパートの同じ棟、その4件先に部屋を借りて、妙子との新生活を始めた。
  「しょーもな!」と、吐き捨てるように はる美は言ったものの、りゅう介の女性遍歴はこれに始まったことじゃない。 免疫はできている。だが今回、さすがの はる美も怒り心頭。 
  とは言え、女の赤ちゃん・千里が産まれる。 なんやかんやいって日は過ぎる。若菜も父の新居へ行って、千里のオムツを替えたりする。 「アホな お父ちゃん持って苦労するな、若菜」 「ほんまや」 「きっびしいな」
  こんな「はる美&りゅう介」は互いに生活のため、パッとしない めおと漫才だが、やめるわけにいかない。2人が家でタタミに寝転がって、ネタ合わせしている様子に、妙子は嫉妬する。その妙子の冷たい視線を感じて、りゅう介は思わず縁側の窓を閉める。
  そんな中、妙子は赤ん坊を残して、若い男と姿を消す。傷心し切ったりゅう介は酒浸り、家に帰って来ない。若菜は、赤ん坊背負って父を探しに、呑み屋をまわる。  そして・・・、りゅう介も姿を消した。  「アホかぁ!」  

  赤ん坊は・・・仕方なく、はる美が育てる、しかない。 家の風呂から赤ん坊をあやす母の声が聞こえてくる。若菜が覗いてみると、楽しげな母!・・・何なのこれは?  

組60000  ただでさえ青春の憂いにいる若菜。両親のイザコザは、若菜の理解を越え、こたえた。 若菜は家出した。
  そのきっかけは、淡い恋心を通わせていた同級生のトオル。近頃、学校で見かけないトオルも、家出して街でアウトローっぽい日々を送っていた。若菜はそんなトオルの心情に同調して行く。ときめきと開放感が若菜の心を洗った。

  そんなある日、浮浪者然とした りゅう介が交通事故にあう。知らせを聞いた若菜は病院へ。りゅう介は無事だった。久々に、家族四人と赤ん坊がそろった。  だが、まもなく りゅう介が死ぬ。 


組8,,00  葬儀当日、独り言のような語り口で、若菜に語りかける母・はる美。 若菜は、母が今も父を愛しているんだと、はっきり分かった。

  映画冒頭、池脇千鶴がカメラ目線で語るシーンは当時、サービス満点だったろう。また、たどたどしい池脇のナレーションがいい味。 さらに、出番は少ないが、田中裕子なくして、この映画は成り立たない。チョイ役で登場する、ミヤコ蝶々、坂田利夫など吉本の面々が、大阪の雰囲気を盛り立てています。
  余談だが、田中裕子と沢田研二、2人のシーンで、実の夫婦だからこそ出せる味、何気ないしぐさの演技が、意外と映画を支えています。そんなシーンを見つけるのも一興。よく出来た映画です。

監督:市川準|1999年|119分|
脚本:犬童一心|漫才台本:本多正識|撮影:小林達比古、蔦井孝洋|
出演:霜月若菜:池脇千鶴|父・隆介:沢田研二|母・春美:田中裕子|弟・一郎:中野敬佑|若菜の彼氏・トオル:南野公助|父の愛人・妙子:小林麻子|父と愛人の子・千里:宮地あんな|重田カナ:ミヤコ蝶々|千田:辻中達也|サチ:北川智子|立川:石井達矢|ジョンジ:川崎択|むつみ:関口まい|片腕の男:松本雄吉|マジシャン:一陽斎蝶一|隣家の夫婦:隼ジュン、町野あかり|アクセサリー売り:剣太郎セガール|警察官:町田康|大阪芸人:夢路いとし、喜味こいし、浜村淳、今いくよ・くるよ、中田カウス・ボタン、坂田利夫、原哲男、チャンバラトリオ、大木ひびき、千原兄弟、トゥナイト|

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
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