一夜一話

      

映画「未来は今」 監督:ジョエル・コーエン

上

コーエン兄弟の初期の作品です。
時はアメリカ1950年代。
世界は冷戦の時代だけれど、アメリカでは、日常生活を豊かに楽しくしてくれる商品が次々に世に送り出され、世間は浮かれていた、戦後パクス ・アメ リカーナの全盛期。大手企業も一般大衆も、繁栄を謳歌していた。
本作は、そんな時代への郷愁と、人の愚かさを、ファンタジーで包み込んだ、喜劇&ラブストーリーの娯楽映画です。

聞いたこともない田舎の大学の新卒が、何の手立てなくニューヨークに出て来て職探しを始めた男、ノーヴィル・バーンズ(ティム・ロビンス)から話は始まる。

一方、マンハッタンにそそり立つビルに本社を構える大企業のハッドサッカー社は、収益、株価ともにウハウハ右上がり。
これが重役会議。
中1

ところがだ、ハッドサッカー社のオーナー社長が突然、この重役会議の最中に、このテーブルの上を走り、正面の窓を突き破ってダイブ! 飛び降り自殺。‥‥なぜ?

そして、あっけにとられ呆然とする重役たちをしり目に、社長のお気に入りだった重役、マスバーガー(ポール・ニューマン)は、間髪いれず、今後とるべき策を打ち出した。
それは、どこかの阿呆、とてつもない阿呆を社長に据え、企業評価を極端に下げ、株価の下落を見据えて、自社を一気に企業買収しようという企て。重役全員賛成。

で、注目のその阿呆はというと、世間知らずの天然のノーヴィル・バーンズが選ばれるのは、観客誰もが分かる。
というのは、事件前にバーンズは、幸か不幸か、ハッドサッカー社に入社し、ビルの地下にある社内便の区分け配達部署の、現場の下っ端にいたんです。

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で、このマスバーガーの企てをいち早く感じ取ったのは、新聞記者のエイミー・アーチャーだった。
さっそくアーチャーは、果敢にも秘書としてハッドサッカー社に潜り込み‥‥。
中2


さてさて話は、ここからです。
阿保社長のバーンズが、のちに爆発的に売れる、阿呆な商品を重役会議にかけ、全員一致で了承されたのです。
その商品とは‥

予告編をご覧ください。
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=dBa8p0NFwM8


どうして、こうなった?
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のちのコーエン兄弟の作を思うと、本作は冴えがない。
あと、どうでもいいことですが、社内風景。
ビルの大部屋に整然と並ぶ多数のオフィス机と社員たちのシーンは、なにやらテリー・ギリアム監督の「未来世紀ブラジル」(1985年)を思い出す。
そして、ビリー・ワイルダー監督の「アパートの鍵貸します」(1960年)でも、大部屋に整然と並んでいた。


原題:The Hudsucker Proxy
監督:ジョエル・コーエン|アメリカ|1994年|111分|
脚本:イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン、サム・ライミ|
撮影:ロジャー・ディーキンス
出演:ノーヴィル・バーンズ(ティム・ロビンス)|エイミー・アーチャー(ジェニファー・ジェイソン・リー)|シドニー・J・マスバーガー(ポール・ニューマン)|ほか多数

マンハッタンにそびえる本社ビル
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コーエン兄弟の映画をまとめています。
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