一夜一話

Category洋画評だけを見る 1/15

映画「サンドラの週末」 監督:ダルデンヌ兄弟

勤め先から、クビを宣告されようとしている女の孤軍奮闘する話。うつ病で休職しているサンドラ。人件費削減で経営維持を図る一方、従業員のやる気を引き出そうとする社長と、忖度する主任の思惑。この会社、従業員と期間雇用者も含め17名の会社だ。(郊外にある建屋も現場環境も綺麗な会社です)サンドラの休職中に、社長は、ひとり欠けた16名でも現場は問題なく回ることが分かったし、たぶんサンドラは職場復帰しないだろうと踏ん...

  •  -
  •  0

ホン・サンス監督の映画 《まとめ》

身近な題材を「平淡」に描く作風、「軽み」ある妙味。しかし題材は、いけない愛や親子の話など身近なテーマ。そんな、よくある題材の中に、新たな発見を促させ、なんとなく納得させられ、それをさらりとやる。また、軽みある作風は、撮影当日に台本が渡されるという、撮影時の即興性(演技の新鮮さ)が大いに寄与している。この作風では「川沿いのホテル」が一番いいにみえる。(次作新作ではどうなるかな?)‥‥「川沿いのホテル」...

  •  -
  •  0

映画「タンジェリン」 監督:ショーン・ベイカー

 舞台はロサンゼルス。クリスマス・イヴその一日の物語。 アップテンポの展開に、つい乗せられ、ラストまで、あっという間のエンターテインメント! 活き活きとしたライブ感、巧い演出、いい映画。 しかし物語の中身は、な~んてことない、よくある色恋、三角関係の話なんだけど、話が進むにつれ、これぞ脚本の技! 登場人物たちにとっては深刻な様相へ、でも、私たちは笑えるトンデモナイ結末を迎えるのです。 クリスマス・...

  •  -
  •  0

映画「ドリーム」(2017) 監督:セオドア・メルフィ

 実話をもとにしたエンターテイメント作品です。いいですよ。 時は1961年、話の舞台はNASA(アメリカ航空宇宙局)。 そのNASAは、焦っていた。人類初の有人宇宙飛行を、ソ連が先に成し遂げ、アメリカは出し抜かれたのだ。(1961年4月) そしてその翌月に、アメリカが有人宇宙飛行に成功。 この間のNASAの混乱と、成功へ導いたNASA内の計算課※に勤務の黒人女性3人の活躍を映画は描きます。 しかし彼女たちの前には、人種差別...

  •  -
  •  0

映画「フェイ・グリム」 監督:ハル・ハートリー

 この映画は、ハル・ハートリー監督の前作「ヘンリー・フール」(1997)の、その後の物語。 今回は一転、派手に展開します! ただし、マジなスパイものサスペンスと思っちゃいけない。なにしろハル・ハートリーの映画ですから結構なドタバタの様相です。 そして、無茶苦茶な話の展開に乗り遅れないように。 ってことで、最初に予告編をどうぞ。https://www.youtube.com/watch?v=vAnsrD3kC58 まあ、本作単体だけを観ても、おも...

  •  -
  •  0

映画「自由が丘で」(旧題「自由が丘8丁目」) 監督:ホン・サンス

 どこか不思議な雰囲気に仕立てられた、男と女と、もう一人の女とのラブストーリーです。 その不思議、それは映画の各シーンを、時系列を無視して、順序不同に、つなぎ合わせて観せるから、かもしれません。 そのため、ファンタジーかと錯覚させ、だから不思議に感じるのかもしれません。  まずは話のお膳立て。 モリ(加瀬亮)とクォン(ソ・ヨンファ)は、韓国にある語学学校の同僚。ここでふたりは出会い、愛し合っていま...

  •  -
  •  0

アキ・カウリスマキ監督の映画 《まとめ》

 「パラダイスの夕暮れ」辺りの、すっとぼけたユーモアある演出が、なんとも言えぬアキ・カウリスマキ監督の味で、これが全作品に通底している。 だから、マッティ・ペロンパー(1951- 1995)の死は残念だった。 この、すっとぼけたユーモア性を全開にしたのが、「愛しのタチアナ」で、大好きです。しかし、ユーモア性を絞った方向へ行くと、おもしろくないな。 以下は掲載済みの作品です。抜けてる作品は今後加えていきます。...

  •  -
  •  0

映画「TOKYO!」 出演:香川照之, 蒼井優ほか 監督:ミシェル・ゴンドリー, レオス・カラックス, ポン・ジュノ

 フランス・日本・ドイツ・韓国の、4か国合作のオムニバス作品。 中身は、ちょっと不思議でコミカルな話が3つ。「インテリア・デザイン」、「メルド」、「シェイキング東京」。 このうち、ポン・ジュノ監督の「シェイキング東京」が一番いい出来。 出演者は、どの作品も、ほとんど日本人俳優、セリフも日本語。https://www.youtube.com/watch?v=8TUbDzB7m5Uシェイキング東京(ひきこもり)監督、脚本:ポン・ジュノ|フランス...

  •  -
  •  0

映画「アクトレス〜女たちの舞台」 監督:オリヴィエ・アサイヤス

 著名な舞台女優マリア(ジュリエット・ビノシュ)が、ベテランが故に大きな壁に突き当たる話。 その昔、若きマリアが女優として日の目を見ることとなった「マローヤのヘビ」、この芝居を作った往年の劇作家ヴィルヘルム・メルヒオールが亡くなった。 これを機にヴィルヘルム追悼の意をもって、世界が注目する演出家クラウスが、「マローヤのヘビ」を手掛けようとして、マリアに出演の話を持ち込んだ。 この「マローヤのヘビ」...

  •  -
  •  0

映画「オープニング・ナイト」 監督:ジョン・カサヴェテス

 著名な舞台女優マートル・ゴードン(ジーナ・ローランズ)が、ベテランが故に大きな壁に突き当たる話。 新たな芝居の舞台稽古で、老け役を演じることへのマートルの抵抗は、周囲を驚かせる。 台本に無い台詞を言うにとどまらず、身勝手な即興を演じようとする。 舞台監督、脚本家、製作者はもとより、共演者たちや舞台裏方までもが戸惑った。 監督や脚本家は、彼女をなだめ説得するが、効果なし。マートルは泥酔の中。 演技...

  •  -
  •  0

映画「悲しみに、こんにちは」 スペイン映画 監督:カルラ・シモン

 バルセロナに住んでいたフリダという女の子の話。 すでに父親を亡くし、母子の家庭だったんだろう。その後、母親が難病で世を去り、フリダはひとりになる。 しかし祖母祖父は高齢で、彼女を引き取るには限界があった。(話はここら辺から始まる) そこで、親戚たちの相談の上、フリダは、若い叔父夫婦が住むカタルーニャの田舎へ引き取られた。 映画は、それからのフリダの心境を、フリダに寄り添いながら、ていねいに描いて...

  •  -
  •  0

リン・ラムジー監督の映画 《まとめ》

 いい監督です。 この人の原点は、最初の作品「ボクと空と麦畑」にあると思う。 12歳の少年が友達と戯れていたが、ふとした拍子に相手が池に落ち、水死。 少年にとって事の事態が掌握しきれないまま、ただ呆然と霊柩車を見つめるばかり。 しかし日が経つにつれ、後ろ髪をひかれる思い、大きな不安を拭えない、自分があの子の背を押したかも‥、漠とした罪悪感の重圧。加えて、その事故現場を窓から見ていたという人の、疑いの...

  •  -
  •  0

映画「それから」,「クレアのカメラ」(2017)  韓国映画 監督:ホン・サンス

ホン・サンス監督の韓国映画を2作品とりあげます。どちらも、女優キム・ミニが印象的です。「それから」(2017)  就職が決まって初出勤のその日に、社長の不倫発覚に巻き込まれてしまった新入社員の、迷惑で不運な、そしてそのあとは‥な話。 アルム(キム・ミニ)は大学教授の紹介で、著名な文芸評論家ボンワン(クォン・ヘヒョ)が社長の小出版社に就職した。 社長はアルムの優秀さに喜び、アルムはボンワンのもとで仕事ができ...

  •  -
  •  0

映画「少年は残酷な弓を射る」 監督:リン・ラムジー

 リン・ラムジー監督は贔屓にする監督なのですが、本作については次を期待したい、そんな作品です。  「We Need to Talk About Kevin」という原題を、映画の中身を分かりやすくしちゃえって事で、「少年は残酷な弓を射る」と、こんな、ネタバレ風の邦題にしたんでしょうね。 あるいは、B 級スリラー/サスペンス作品として日本公開しようとしたのかもしれない。 原作小説は、英国の文学賞ベイリーズ賞受賞作品。だから、きっ...

  •  -
  •  0

映画「ポップ・アイ」 シンガポール・タイ映画 監督:カーステン・タン

 人生に成功したかに思われる初老の優しい男タナーと、年老いた象ポパイ(Popeye)との、ユーモラスなロードムービー。 タナーは、バンコクで著名な建築家だったが、所属する建築事務所の世代交代で今や窓際族になっていた。 また、私生活では富裕層ではあるが、妻とはまったくもって疎遠な関係になっていた。 そんな、タナーにとってヤケッパチな、ある日、バンコクの街中で一頭の大きな象に出会った。 その象とは、幼いころ...

  •  -
  •  0

映画「アスファルト」 監督:サミュエル・ベンシェトリ

 いい映画です。 大人の喜劇。上質な静かな映画です。 登場人物がそれぞれに抱く悲しみを、コミカルなオブラートに包んで見せます。 ここは老朽化する団地。壊されつつある一棟もある。 そんなこの団地に住む、3組の人物たちの3つの物語。 こんな老朽化団地にひとり引っ越して来た、売れなくなった女優(イザベル・ユペール)と、同じ階で向かいに住む若い男との、世代違いのズレの可笑しさ、ちょっとした隣人愛、の話。 二...

  •  -
  •  0

映画「モーヴァン」 監督:リン・ラムジー

 この娘がモーヴァン。 スーパーで働いている。ごく普通の女の子。 クリスマス・イヴの日、何の前触れもなく、独り住まいの彼氏が自殺した。 彼の遺体を見つけたモーヴァンは、しばらく彼の傍らにいて彼の手を握っていた。 そのうち何やら醒めた様子で一点を見つめている。 薄暗い部屋。モーヴァンは彼に背を向けた。その時、つけっぱなしの彼氏のパソコンが、ふっと目に入った。 パソコン画面には、大きくREAD ME と書いて...

  •  -
  •  0

映画「ローガン・ラッキー」 監督:スティーヴン・ソダーバーグ

 16万の観客席数を誇るカーレース競技場、シャーロット・モーター・スピードウェイから、大金をまんまと強奪するお話。喜劇です。 いきなりですが、予告編をどうぞ!https://bd-dvd.sonypictures.jp/loganlucky/ いいですね、こういう映画。気に入りました。 まったくといって運のないローガン兄弟の、人生一発逆転。 金庫破りのプロで、刑務所にいるジョー・バングを、その一時だけ、脱獄させるには‥の手法も面白い。 登場...

  •  -
  •  0

アニメ「レゴバットマン ザ・ムービー」 監督:クリス・マッケイ

 おもろい! タイトルの通り、「LEGO」で出来たキャラクターが画面狭しと暴れまわるが、大人も楽しめる趣向。 バットマンの、一匹狼の心の内をていねいに描きます。 本作ではないですが、そんなバットマンとスーパーマンとの、感情の葛藤を描いた作品もありました。これもイケてます。 本作の予告編の、あちら版と吹き替え版を並べてみました。 予告編の映像は同じですが、受ける印象はだいぶ違います。見比べてみてください...

  •  -
  •  0

エミール・クストリッツァ監督の映画 《まとめ》

 いよいよ、エミール・クストリッツァ監督の特集! この監督、好きです。 初めて観た作品は、たしか「黒猫・白猫」だったと思う。 破天荒な人物たちの描写、その疾走感のダイナミックスさ、ワクワクするミュージック、最高です! これからも、お付き合いしたい監督です。 「ライフ・イズ・ミラクル」は観たはずなのに、掲載し忘れてたことに今回 気が付いた。気が向けば、もう一回観てから書いてみます。 ちょっと記事にす...

  •  -
  •  0

映画「女は二度決断する」  監督:ファティ・アキン

 ドイツ、ハンブルクの街中で、爆弾テロがあった。 それは、クルド系トルコ人である夫・ヌーリが営む店先での爆破事件で、ドイツ人の妻・カティヤは、一瞬で夫と一人息子を失った。 警察は、カティヤの夫がクルド系である、つまり移民であることで移民間の争いか、または、ヌーリがかつて麻薬にかかわっていたことでのトラブルか、に注目し捜査を開始した。 一方、悲しみのどん底のカティヤはバスルームで自殺を図る、その消え...

  •  -
  •  0

映画「ビューティフル・デイ」 監督:リン・ラムジー

 いい映画です。 スリラー、サスペンスの領域を軽やかに超えるこの作品は、苦い、大人のファンタジーへと向かおうとしている。 そのベクトルの力がこの映画の見どころです。 荒々しい残忍さ、悪への怒り、もしくは正義、悲惨な体験と精神的苦悩、そして沈黙の幻想的な美しさ、昇華する孤独、共鳴し合い始めた二人の心、ジョーとニーナ。 リン・ラムジー監督の映画は、心をヒリヒリさせる。 ジョーとニーナのラストシーンが素...

  •  -
  •  0

映画「宇宙飛行士の医者」 監督:アレクセイ・ゲルマン・ジュニア

医師ダニエル。辺境の地の基地にて。あたりは見渡す限り一面、ぬかるむ荒涼たる大地だ。 いい映画ですね。 1961年、人類初の有人衛星、ソビエト連邦の宇宙船が、飛行士1名を乗せ地球一周に成功する。これに至るまでの物語です。 ただしこの映画は、科学技術の進歩や未知への挑戦、あるいは飛行士の選ばれし使命感を、うたい上げるものではありません。また、ロケット全様も発射台などの基地建屋も、人類初の宇宙飛行士ガガーリ...

  •  -
  •  0

映画「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」  監督:ショーン・ベイカー

 いい映画ですね。 フロリダの青い空の下、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの近くに住む、ホームレス母子家庭、母ヘイリー、娘ムーニー6歳。 だが、住む、とは言っても彼女たちは格安モーテルに長期滞在してる。が、毎日の宿泊費、食費に事欠く日々。 映画は、路上生活一歩手前のシングルファミリーの日常を、元気いっぱいのムーニーの、無邪気な視点で描きます。その効果は、悲惨な現実を和らげています。(回避し...

  •  -
  •  0

映画「三人の夫」(2018) 監督:フルーツ・チャン

 ムイを演ずる女優クロエ・マーヤンの捨て身の熱演がすごい作品。 かつて香港の港には、水上生活者たちの船がぎっしりと停泊していた。しかし今、その数は極々わずか。 この映画は、そのうちの一隻を住処とする老人と、一緒に住む主人公ムイという若い女の話。 彼女は娼婦。停泊する船上が仕事場。埠頭には多くの男たちがその順番を待っている。 老人はヒモであり売春を斡旋して金を稼いでいる。 そんな客の一人の青年がムイ...

  •  -
  •  0

アレクセイ・ゲルマン監督の映画 《まとめ》  + アレクセイ・ゲルマン・ジュニア

 ロシアの映画監督、アレクセイ・ゲルマン(1938 - 2013)の作品です。 私が初めて観た作は「フルスタリョフ、車を!」、いきなりノックアウトでした。監督が放つ独特のオーラに取りつかれると、もう、虜(とりこ)。 「神々のたそがれ」製作中に惜しくもお亡くなりになりました。 ここにプラスして、監督のご子息、アレクセイ・ゲルマン・ジュニア監督の作品を併記します。「宇宙飛行士の医者」です。作風が父親ゆずりなんで...

  •  -
  •  0

映画「浴室」(1988) フランス映画 監督:ジョン・ルヴォフ  

 浴室のバスタブを安住の地とする彼。※     ※     ※ 他人に理解されにくい、引きこもり系の若い男の、言われなくても分かってんだけどね‥の状況から、引きこもり脱却への自助努力と、彼女との愛を描く。 押し殺したユーモアを全編に にじませた一作。静かな静かな映画です。 彼のまわりには彼女や母親がいて、優しいし、身の回りの世話も焼いてもらっているが、彼はそれに甘えつつも、その時々で引きこもりの度合い...

  •  -
  •  0

アピチャートポン・ウィーラセータクン監督の映画 《まとめ》

 これまでに取り上げたタイの映画監督、アピチャートポン・ウィーラセータクンの作品です。以下の画像をクリックして記事ページをご覧ください。 はじめて観た作品は「ブンミおじさんの森」でした。 人と自然、人と獣、人と霊、そして愛、越境、過去、医療などをテーマした映画です。我々アジア人に通底する根源的な感覚が、とても身近に感じられます。 残念ながら、「アイアン・プッシーの大冒険」 (2003年)、「メコンホテ...

  •  -
  •  0

映画「希望の灯り」(2018) 監督:トーマス・ステューバー

 クリスティアンとマリオン いい映画です。 陰のある無口な独身男と、夫の家庭内暴力(DV)に悩む女との、ゆっくり静かに進むラブストーリー。 ここは、アウトバーンが近くを走るライプツィヒ郊外、何も無い殺伐とした風景の中にポツンと建つ巨大店舗の会員制スーパー。 小売業と倉庫業を組み合わせた店内(ウォルマート流 在庫管理方式)。来店客の脇をフォークリフトが走り回る。 土木作業をしていたという男クリスティア...

  •  -
  •  0

韓国映画「波高」, イラン映画「牛」 ~第20回東京フィルメックス2019

このページでは、2本の映画を併記しています。波高(はこう)  Height of the Wave (東京フィルメックス・コンペティション作品) 今年のフィルメックスで観たうち、これもいい映画だった。 韓国の離れ小島で起きた事件を描きます。 いくつもの話を内包しながらも、ひとつのストーリーにぎゅっと凝縮させた風、なかなかの脚本です。 話は、幼児のころに両親を海で亡くし、その後一人住まいで生きてきた貧しい20歳の島の女と...

  •  -
  •  0

カンボジア映画「昨夜、あなたが微笑んでいた」, ポルトガル映画「ヴィタリナ(仮題)」監督:ペドロ・コスタ ~第20回東京フィルメックス2019

このページでは、2本の映画を併記しています。昨夜、あなたが微笑んでいた Last Night I Saw You Smiling (東京フィルメックス・コンペティション作品) カンボジアの、プノンペンの街中にある市営アパートが取り壊されるにあたって、多くの住民たちが立ち退きせざるを得なくなった様子を描くドキュメンタリー映画です。監督はここで育ち、ご両親が住んでいます。(画像は父親) そのアパート「ホワイト・ビルディング」は、...

  •  -
  •  0

フィリピン映画「評決」、中国映画「シャドウプレイ」 ~第20回東京フィルメックス2019

このページでは、2本の映画を併記しています。評 決 Verdict (東京フィルメックス・コンペティション作品) いい映画です。 これが長編第一作目だというから驚く。 夫の家庭内暴力(DV)に苦しむ妻が、警察の補助機関として活動する、DV被害に対する支援組織の助けを得て、夫を訴えて裁判に持ち込む話。 映画は、DVについての夫婦の関係これまでを物語るのではなく、フィリピンの裁判の実態と、原告/被告の人間ドラマを...

  •  -
  •  0

ハル・ハートリー監督の映画 《まとめ》

 これまでに取り上げたハル・ハートリー監督作品です。以下の画像をクリックして記事ページをご覧ください。 この監督の作品は、一度ハマるとクセになる魅力があります。いい監督です。 その魅力とは、奇妙な言い方になりますが、登場人物をストーリーの流れの中に埋没させず、結果、ちょっとユーモラスな人物描写が浮き彫りになって見えるところ。この軽み!がいい。 つまり、物語そのものよりも人物描写に比重がある語り口、...

  •  -
  •  0

映画「人魚姫」 監督:チャウ・シンチー

リウとルオランの間に、突如、プールからシャンシャンが出現!*       *       * 人魚と人間のラブストーリー。 香港郊外、海に面した自然豊かな場所を、リゾート地にする計画が進んでいました。 ただし、イルカも生息する海の自然破壊が問題となり、これを避けるため、最新のソナー技術で、イルカをはじめとする邪魔な海洋生物を追い払おうとしていました。 そこで、これに立ち向かうべく立ち上がったのが、...

  •  -
  •  0

ファティ・アキン監督の映画 《まとめ》

 これまでに取り上げたファティ・アキン監督の作品をまとめました。 監督はトルコ系ドイツ人(トルコ移民の二世)だからでしょう、その出自をベースとしながら、ドイツとトルコ、あるいはその東方を結ぶベクトルを感じる作品を作っています。 かつて、「太陽に恋して」を観て、私好みの監督になりました。 今後、「女は二度決断する」「消えた声が、その名を呼ぶ」など、気が向けば他の作品を追加していきます。 以下、画像を...

  •  -
  •  0

映画「サバイビング・デザイア」 監督:ハル・ハートリー +短編2作「セオリー・オブ・アチーヴメント」,「アンビション」

 ハル・ハートリー監督の57分の映画。 文学部の学生ソフィと、講師のジュードとのラブコメディ。あるいは、ソフィ役の女優メアリー・ウォードを愛でる映画。  登場人物が手にした小説随筆の一節を読み上げるセリフと、日常会話のセリフとを馴染ませる演出は、文学部の人々を描く話なので、違和感を感じさせない。よって、監督の狙い通り、書物から引き出された意味ありげな格言ごときが、シーンのあちこちに散らばっている。 ...

  •  -
  •  0

映画「50年後のボクたちは」 監督:ファティ・アキン

マイクと、チョビ髭はやしてるのがチック。髭は黒のテープ製。※      ※      ※ これは、14歳のマイクとチックの、やっちゃいけないロードムービー。 マイクのうちは、地域の自然環境を壊した所にポツンと建つ一軒、この分譲地を開発したのがマイクの父親。 母親は重度のドランカーで依存症克服のため施設へ、その隙に父親は若い愛人と旅へ‥。 とにかく、マイクの夏休みはひとりで始まった。 (家はプールもあるリ...

  •  -
  •  0

映画「FLIRT/フラート」 監督:ハル・ハートリー

ニューヨークでの第一話。ビル(ビル・セイジ)と、ビルの元カノの夫ウォルター(マーティン・ドノヴァン) その街の、ある恋人同士の設定から語り始められる物語のその二人、そのそれぞれの想いは、二人の間に留まらず、ある日、他へと浮遊して行く。そしてその時その場の、愛の損得勘定、その行方。しかし振り返れば、そこに一人が抱く嫉妬が‥。 映画は、同性愛も含めて恋愛関係が連鎖する人々のつながりの様を、ニューヨーク...

  •  -
  •  0

映画「昨日・今日・明日」 主演:ソフィア・ローレン 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ

タバコ売りが並ぶナポリの下町。妊娠中の妻アドリーナ(ソフィア・ローレン)、失業中の夫カルミーネ(マルチェロ・マストロヤンニ)*        * 強い女と弱い男の、愛の喜劇話。 演ずるは、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ。 舞台は、ナポリの下町(第1話)、ミラノの郊外(第2話)、ローマの広場を見下ろすアパート最上階(第3話)。 1960年代のイタリアの街風景が楽しめ、あわせて、アンティークなテー...

  •  -
  •  0

映画「コンビニ・ウォーズ 〜バイトJK VS ミニナチ軍団」 監督:ケヴィン・スミス

 これはホラーというより、あ・ほら~。つまりドタバタ・コメディ。 「バイトJK VS ミニナチ軍団」とは、ふたりの高校生女子(15歳)と、ヒトラー似のソーセージ・ミニ男たちとの、深夜のコンビニを舞台にした壮絶な戦いであった。 予告編 :https://www.youtube.com/watch?v=0jSah3lwTyE こちらの映画版予告編のほうがずっといい出来。 予告編2 :https://www.youtube.com/watch?v=5EAy6-uCb1oオリジナルタイトル:YOGA HO...

  •  -
  •  0

映画「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」(1986) 監督:フランク・オズ

 これはホラーというより、あ・ほら~。つまりドタバタ・コメディ。 そして、ソウル/R&B/Doo Wopがいっぱいの元気なミュージカル。 さっそく観てみて聴いてみて。 ビデオクリップ :https://www.youtube.com/watch?v=L7SkrYF8lCU この映画は、ニューヨークのダウンタウン、生活が苦しい人々が集まり住む街のお話です。 ここで生まれた孤児シーモア(リック・モラニス)は、花屋のあるじムシュニクに拾われて以来、店...

  •  -
  •  0

映画「きっと ここが帰る場所」 監督:パオロ・ソレンティーノ

 癒えぬ孤独と後悔を抱える男の、何するでもない無為な毎日と、一転してロードムービーなお話。 その男とは、シャイアン(ショーン・ペン)。有名なロックバンドのスターだった。 一生分を超える、有り余る金を稼いだらしい、宮殿のような大邸宅に、30年以上連れ添う奥さんと二人っきりで住んでいる。 しかし、シャイアンはぼんやり、気が抜けたように暇を持て余している。 たまに消防士として働く奥さんのジェーンと遊ぶか、...

  •  -
  •  0

映画「ブロークン・フラワーズ」 監督:ジム・ジャームッシュ

 癒えぬ孤独を抱える男の、何するでもない無為な毎日と、一転してロードムービーなお話。 その男とは、ドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)、今もって独身。(昔は、遊び人で色男であったらしい) IT企業を立ち上げ大成功(マスコミで知られているようだ)、そしてその後たぶん、この会社の技術が欲しい企業に会社を高額で売ったんだろう、(よく聞く話) だから、今後一生の金は十分すぎるくらいにある。悠々自適の極み。 ...

  •  -
  •  0

映画「鉄路の闘い(斗い)」 監督:ルネ・クレマン(1945年)

彼ら鉄道員の多くがレジスタンスとして活動した 第二次世界大戦、終戦直後1945年製作のこの映画を一言でいえば、レジスタンス運動に加わった鉄道員の苦難の活劇。 冒頭に、レジスタンス国民会議とフランス国有鉄道の協力でこの映画は完成したというメッセージが入る。 だから活劇というより、ドイツ軍に対するレジスタンスの勝利宣言をうたう映画と言える。 1940年6月フランスへ侵攻したドイツ軍は、フランス域内での迅速な軍...

  •  -
  •  0

映画「パターソン」 監督:ジム・ジャームッシュ

 静かな、いい映画。 ジム・ジャームッシュのこの映画は、彼の感性の海に浮かんでいる。 だから観る者が、その浮かぶ映画に降り立つと、一瞬、僅かにゆらっとする揺らぎ、浮遊感を感じる。それは、日常からちょっと乖離する世界へ誘うようです。これが見どころ。 路線バスの運転手パターソン(アダム・ドライバー)の一日のふるまいは、毎日時間通り規則正しい。 愛妻の横で目覚め、まだ寝ている妻を置いてベッドを抜け、ひと...

  •  -
  •  0

映画「ペーパー・ムーン」 監督:ピーター・ボグダノヴィッチ

 今もって上質な喜劇映画です。 ある日、突然、母を亡くし身寄りのない孤児となった少女アディと、人のいい詐欺師モーゼ、このふたりのロードムービーです。(実はアディ役テータム・オニールとモーゼ役ライアン・オニールは実の親子です) 話が進むにつれ、かわいいアディのしたたかさ計算高さそして彼女の機転で、迫る危機を幾たび乗り切るに付け、いつの間にか、ふたりの間の主導権は、アディに移っていくのです。ここが可笑...

  •  -
  •  0

映画「ただいま」中国映画 監督:チャン・ユアン

 それぞれに一人娘を連れて再婚した、新・家族の愛なき不幸の顛末と、長い時を経て、初めて手にする家族愛の始まりを描く。 この再婚夫婦は四六時中、とにかく夫婦げんかが絶えない。 それぞれの連れ子、タウ・ランとシャオチンの意見の一致は、なにしろいち早く、この家を出たいこと。 父親の連れ子タウ・ランは高校を卒業したらすぐに家を出て職に就くつもり。母親の連れ子シャオチンは大学進学の猛勉強中、入試に受かれば街...

  •  -
  •  0

映画「鉄道運転士の花束」 セルビア=クロアチア映画 監督:ミロシュ・ラドヴィッチ

老運転士イリヤと、シーマ少年との出会いは鉄橋の上だった。少年の姿を見て急ブレーキをかけたイリヤ。孤児院を抜け出し列車に轢かれて自殺しようとしたシーマが鉄橋を歩いていたのでした。 定年間際の電気機関車 運転士で独り身のイリヤと、運転士に憧れる彼の養子シーマとの、奇妙で温かい親子愛。喜劇です。 この話はシーマの成長とともに展開し、シーマに優しいイリヤの同僚夫婦、心理カウンセラーでやはり独り身のヤゴダ、...

  •  -
  •  0

映画「カーマイン・ストリート・ギター」 2018年 ドキュメンタリー映画 監督:ロン・マン

 結構、気に入った映画です。 ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあるギター工房のあるじ、リック・ケリーという人の話です。 とりわけ、ここで製作されるエレクトリックギターの品質は、トップミュージシャンからとても信頼されています。 そして、ここのエレキギターのボディ(木部)は、ニューヨークの古い建物から出た廃材を活用しています。これが抜けのいい音を出すのです。なぜなら19世紀から現在までの長い年月、...

  •  -
  •  0

映画「立ち去った女」フィリピン映画 監督:ラヴ・ディアス

 とにかく、いい映画。 殺人の罪で30年間服役していた、元教師ホラシアの物語。 しかし30年経ったある日、これが冤罪事件と判明し、ホラシアは無罪放免 釈放された。映画はここから静かにゆったりと展開し始める。 さてホラシアに濡れ衣を着せたのは誰だったのか、そして釈放後、彼女は‥。 なにしろ、228分の長尺。 セリフが少ない、また、さほど起伏感の無いストーリーが淡々と進むが、映画が語る語り口の彫りは深い。 そ...

  •  -
  •  0