映画「極道ペテン師」  監督:千野皓司  主演:フランキー堺

上

組1-0濃いコメディーだ。
ペテン師、詐欺師に、詐話師、いかさま師。
この題材、大阪を舞台するのがよく似合う。
同類の大阪映画、一夜一話ではこれで3本目。(下に映画リスト) 

なにしろ、楽して儲けようという男たち。
楽して儲けるには、儲けのタネを見つけ出し、汗水たらし頭使って仕掛けをして・・・ああ結構楽じゃない。
生駒のぼろ寺・珍大寺の和尚(曽我廼家明蝶)を騙して、新興宗教まがいをおっ立て教祖を演じ、おばちゃん信者をぎょーさん集めて、寺は大繁盛。喜ぶ和尚! その隙に、この寺の不動産を売り飛ばす。
MHK集金人(殿山泰司)が、時の大臣にそっくりなのを利用した。ほんとの大臣が、ある企業の工場視察をするのを聞き入れた。当日、視察に向かう車を迷わせ、その隙に、偽大臣一行が先回りして工場視察。工場から大臣への献金を、まんまと横取り。 

組2-0詐欺グループの若きリーダー・カンパイ(フランキー堺)は、工場視察の最中に、工場に勤める八重(朝丘雪路)に再会した。戦時中に、ふたりは出会い、淡い恋をした仲であった。そして、八重には子がいた。ラスト近くでわかるが、八重は、この子を人の良いカンパイに預けたかった。
それでだ。「父ちゃん、父ちゃん」と、やたらしつこく付いまわる子供が突然、カンパイの前に現れた。もちろん、身に覚えは無い。何も知らないカンパイは、暇に任せて母親探しを始めるが、見つからない。
しかし、この子、口達者でませている。男たちの仕事現場まで付いて来て邪魔をする。それがあまりに酷いので、殺したろか!が、段々本気になろうとするころ、子は空き地にあった不発弾で爆死してしまう。さあ、これからは観てのお楽しみ。

ま、この他にも、いろんなエピソードをつなぎ合わせてるので散漫さはある。が、喜劇ですから、そこそこスピード感ありますから、これくらいの数のエピソードがあってトントン話が進まないと、逆につまらない。
で、たぶん、この映画の一番の見どころは、金と女とブルーフィルムに、安酒とホルモン焼きを、こよなく愛す男たちの、軽くて深~い生きざまだ。

下85

緑の古い阪堺線、濃緑のラインが走る南海電車、古枕木利用の線路柵、そんで堺の美々卯! ・・・どれも、いにしえ。


下0監督:千野皓司|1969年|93分|
原作:野坂昭如「ゲリラの群れ」|脚色:村井良雄、千野皓司|撮影:姫田真佐久|
出演:フランキー堺(カンパイ)|大辻伺郎(印鑑屋)|伴淳三郎(ブック)|南利明(挨拶屋)|世志凡太(葬式屋)|朝丘雪路(八重ちゃん)|川喜多純子(ユリ)|二宮博見(ケン坊)|島米八(キンちゃん)|曽我廼家明蝶(和尚)|松井康子(ミチコ)|梶芽衣子(アケミ)|清川虹子(オタケ)|殿山泰司(MHK集金人)|佐藤サブロウ(檀家総代)|福地トモ(挨拶屋の女)|尾名昭造(親分)|伝法三千雄(エロ事師)|丹羽志津(マンションの女)|臼井かつみ(へソナル電気社員)|

映画リスト

<大阪>
  「猫と鰹節  ~ ある詐話師の物語」  監督:堀川弘通  森繁久彌 、三木のり平、千葉信男、伴淳三郎、ミッキー・カーチス ほか
  「現代インチキ物語 騙し屋 (だましや)」  監督:増村保造  曽我廼家明蝶、伊藤雄之助、船越英二、犬塚弘 ほか

<大阪以外>
  スリ師  「白昼堂々」  監督:野村芳太郎  渥美清、倍賞千恵子、藤岡琢也 、有島一郎、フランキー堺 ほか
  偽物衣料の行商  「狐と狸」  監督:千葉泰樹  加東大介、小林桂樹、山茶花究、清川虹子、左卜全 ほか 

<新興宗教> 
  お薦めです。  「教祖誕生」  監督:天間敏広  原作:北野武  萩原聖人、北野武、岸部一徳 ほか


大阪を舞台にした映画をここに集めました。
大阪
(兵庫・和歌山・奈良も含めました)


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