箱根 姥子温泉    岩盤自然湧出泉 秀明館

上
  こんなワイルドな湯が、箱根にあった。

  脱衣場に入ると、さえぎるものなく、いきなり浴室全体がドーンと見える。
  まず、目に入ってくるのは、正面奥、湯船の向こう側にある、ごつごつした大きな岩壁。まるで地球の内部が、ここに露出している感じ。その岩の前に、しめ縄が左右に張られている。一瞬、神社のご神体かと思うほどに、浴室は厳かな雰囲気。
  岩壁の下部から、多量の湯がじゃわじゃわと勢いよく噴き出している。おお!ワイルド。
  湯船は三つある。岩盤下の奥の湯船と、その手前に左右に別れて二つだ。

  さて、入浴。
  脱衣場から三段の段差を降り、湯殿の床に足が着いた瞬間、 熱い!
  それもそのはず。湯船から溢れ出た多量のお湯が、床全面を流れているのだ。床の石が黒いので気づかなかった。
  とにかく、すごく熱い。右足、左足、交互にひょこひょこしていると、 
  幸い、厚板が一枚置いてあって、これに飛び乗った。

  板に乗りながら恐るおそる湯船の温度を確かめた。 おお、これなら入れる。かけ湯してそっと浸かる。
  さらっと透明な湯。湯船の底は岩だ。ざらざらしている。
  木枠で囲んだ湯船の湯面と、湯殿の床面の高低差がほとんどない。だから、岩壁や しめ縄を見上げる感じ。その上に窓があり、さらに見上げると木組みが交差する天井が高い。
  ああ、なんとも、いい気分。開放感。湯の音しかしない。

  しばらくして分かったこと。床を流れる熱い湯は、岩盤から噴き出した、そのままの温度の湯。熱いはずだよ。
  左隣の湯船に移る。
  こっちは熱い。当てずっぽうで45℃くらいか。ううっ、ぐっと来る。熱いのが苦手な方は、どうかな・・・。
  岩壁下の湯船に近づき、手を入れてみる。こりゃ熱いよ。「この湯船は入ってはいけない」と注意書きがあるが、浸かるのはまず無理だろう。しかし、この熱い湯が眼病に効くらしいが、私はこの湯に顔を浸けられない。(桶に汲んでから、どうぞ)

  そうこうしているうちに15分くらいは、経ったか。身体が十分ほてって来たので、一旦あがった。長い廊下は静か。
  部屋にもどる。さて、さっぱりしたところで、冷え冷えの缶ビール。
  しばらく、ごろごろしていると、温泉が効いて来るのが分かる。

  ここの温泉は、湯の力が強い。
  地の底のエネルギーを携え噴き出した瞬間の湯は、力がある。それが味わえる。これがいい。
  ただし、湯疲れにご注意。一回に長い時間、入らないのがお作法。

  秀明館は、芦ノ湖へと続く森の中に、ぽつんとある。


  岩盤自然湧出泉、姥子秀明館は、日帰り湯専門の温泉。
  温泉の歴史は、遙か いにしえにさかのぼる。かつては湯治場であった。現在の建屋は、その当時のままを伝えている。今は日帰り湯専門で宿泊できない。料理のサービスもない。
  館内は清潔で簡素。個室は、中程度の旅館レベル。客応対も簡素。 
  温泉は、自然のままの岩盤湯壺のため、日によって湯量が変化するらしい。湯枯れ時は揚湯泉使用。

写真右が女湯。狭い。
そもそもは、崖から突き出た岩盤から温泉が自然湧出していて、
その岩を覆うように屋根をかけ、のちに浴室が建てられたのだろう。
 
下   
   入館受付時間 >> 10時~17時(4月~11月)、秋冬は16時まで、ただし2月は水道凍結で休館の可能性あり。 ※入浴のみは15時から受付。
   入 館 料 金 >> 4時間で2500円~3100円(部屋によって異なる)  すべて手ぬぐい、浴衣付き個室。 ※入浴のみ 1900円 
   禁 止 事 項 >> 湯の温度が高いため3歳児以下不可。洗い場がないため石鹸・シャンプー使用禁止。療養施設のため湯治以外の利用や安眠を妨げる行為不可。酒類持ち込み禁止(自販機あり)。6人以上の団体利用禁止。刺青、ペット、酒酔は入館不可。 (受付時に、修学旅行の先生のような口調で注意事項を言われます。)

秀明館の裏を流れる芦ノ湖へ注ぐ渓流。小さな滝があった。
ほかに六地蔵や祠がひっそりとある。

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やまなか
Posted byやまなか

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