映画 『胡同の精神病院』・ 『胡同のモツ鍋店』

『胡同の精神病院』|監督:シー・ルンチウ|2002|ドキュメンタリー映画|

病院 1IMG北京安定病院 (所在地:北京市東城区安康胡同5号) にお勤めの精力的な精神療養師(?)女性45歳が受け持つ患者さん達のドキュメンタリー。(右写真→は患者さんのひとり)
本作は2002年の話なので今となっては治療手法が少々古臭いかも (医療の世界はIT同様日々進化しているので) 例えば暴れる患者の拘束に対して拘束帯、抑制帯が使用されているシーンが2回あるが最近は徐々にこうした手法は使われなくなっているかもしれない。


精神病院本IMGここに中国北京出身写真家(写真集出版当時は胡同に在住)の馬小虎を紹介したい。(1993年第三書館発行 日本初版の写真集→)
私は当時この写真集に非常に驚いた記憶がある。東京都写真美術館でも紹介されていた。
馬小虎は中国各地の精神病院を訪ね、じっくり時間をかけ患者と親密になって撮影した。映画の舞台になった北京安定病院内の写真も収録されている。
患者はいろいろな奇行・暴力の末に入院することになるが、3年4年と経過するうちに入院費費用が尽き、治療半ばで退院。しかし退院しても家族の中で地域社会の中で生きていけない、よってまた再入院となる。同じことが映画でも描かれている。
日本でのドキュメンタリーを知らないが、たぶん同様なのではないかと思われる。薬物については映画には出てこない。


『胡同のモツ鍋店』|監督:シー・ルンチウ|2006|ドキュメンタリー映画|

料理IMG北京オリンピック建設を目前に100年以上前から胡同に根を下ろしていた人々が再開発計画によって家を店を追われるドキュメンタリーである。長い歴史を誇るこの店について字幕は、ムスリム料理店と紹介している。映画の中で店の由来が語られる。田舎で鍛冶屋を営んでいたあるじの祖父は、大干ばつを期に北京胡同に流れて来て、老夫婦の屋台の店を手伝い、後を継いだ。
田舎とは新疆ウイグル自治区か甘粛省だと思われる。ウイグル人の食文化やトルコ系民族の食が基盤。地理的に隣接するウズベク人・カザフ人と共通した料理も多いらしい。中国国内の都市にはウイグル料理店(または新疆料理店)があることが多く、なじみあるエスニック料理といえるらしい。現在のあるじは70歳台の老夫婦で、店の存続について管轄の役所に何度も陳情するが事態は一向に進まない。
さて、次に同じ町内に住む大家族が紹介される。やはり歴史を誇る宿屋/料理屋だったらしい。再開発で追われる彼らは、借金して郊外の新築分譲マンションあるいは田舎の土地を購入か、そうではなく胡同近辺の店を買って他人に賃貸しその収益でマンション購入だと、大家族はてんやわんや。
再開発に向けての取り壊しはどんどん進む。胡同に住む人々の苦悩が写実に描かれている。


北京街_03 北京道路view

ハスチョロー監督の劇映画 『胡同の理髪師』|2006|は以前に観ているが、今回『ドキュメンタリー胡同の理髪師』|監督:シー・ルンチウ|2002|は見てない。 



海外映画評・題名50音順リストは、こちらから
   〃   ・国別ソート・リストは、こちらから

日本映画評・題名50音順リストは、こちらから
   〃   ・監督ソート・リストは、こちらから
関連記事
やまなか
Posted byやまなか

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply