美術展 「オープン・スペース 2014」展  楽しいアート!  NTTインターコミュニケーション・センター (ICC)

上
  空間をたっぷりとった展示スペース。まず、これが嬉しい。
  現代美術作品とコミュニケーションできる。肩ひじ張らない、お子様でも楽しいアート。




組1-0  ◆「指紋の池」  ユークリッド(佐藤雅彦+桐山孝司)

  装置に指を当てて指紋をスキャンする。そうすると、全面の大きなスクリーンの「池」に自分の指紋が表示され、それがゆらゆらと動きだす。つまり指紋の池に放たれる。ああそうか、池にはたくさん泳いでいるのは、人々の指紋であったと、その時、分かる。なにやら指紋たちは、あちらこちらで群れているし、単独行動のもいる。スキャンされた指紋、これも自分と認めざるをえないと感じるとすれば、男感覚だと精子。そんな動きをしている。
  も一度、装置に同じ指をあてると、指紋が帰ってくる。
  可愛い、か? だが、楽しい。



組2  ◆「バイナトーン・ギャラクシー」   スティーヴン・コーンフォード

  壁面に、懐かしいポータブルなカセットテープレコーダーがたくさん展示されている。
  それらがそれぞれに、異なる音を発している。打音系の軽い雑音の音たちが重なり合って一体となり、観る者を包む。その総体は、街の音や工場の音でもない。
  この世のどこにもない、柔らかな不思議な空間が立ち現れる。いかしてる。




組3  ◆「ジャグラー」   グレゴリー・バーサミアン

  ジャグラーとは、数本のナイフやボールやらをお手玉みたいに両手で巧みに操る曲芸師。
  等身大の赤いジャグラーによって空中に投げ上げられた受話器が、空中で哺乳瓶に形態変化し→そこから飛び出したミルクが→さいころ→骨へと次々に形を変えて、その骨がパラシュートを開いて落下し、ジャグラーの手元に受話器となって戻って来る。また、その受話器を投げ上げる、のスピーディな繰り返しを見る。かつ、ジャグラーが複数いて、全体が回転し、ストロボフラッシュで明暗チカチカ点滅していて、立体パラパラ漫画か三次元ゾートロープかのような有り様。
  ずっと見ていたいが目が疲れる。けど、面白い。

 ゾートロープ : 回転のぞき絵。側面に縦のスリットを入れた回転する円筒形を用意し、円筒形の内側面に連続する絵を描いたコマが並ぶ紙製フィルムをセット。この円筒形を回転させ側面からスリットを通して覗き込むと、連続写真のように並んでいるコマの絵が、アニメのように動いて見える。


作品3  ◆「ミラー No.12」   ダニエル・ローズィン

  暗い部屋にある大きなスクリーンの前に立つと、自身の姿を反映した映像が絵画のようなテイストで表示される。
  カメラでとらえた像を、無数の細い横線で描写しながら、被写体が動くとそれに合わせて、無数の横線が斜めに角度を持って動く。ま、自分の姿がデジタル抽象画で描写されるわけだ。色味のある服装やバッグを持っていると、すごくきれいだ。
  
  展示会場の中には、細い廊下の左右に小部屋があって、カーテンをくぐると、その中で一作品ごとに展示されている。そんなコーナーがある。ちょっと暗くて現代版お化け屋敷っぽくて良い。
  上記以外にもまだまだ多くの作品があるが、会場入り口付近の広いロビーに展示されている慶應義塾大学 筧康明研究室が出品の、おもしろ現代アートもお見逃しなく。


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やまなか
Posted byやまなか

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