映画「ニッポンの、みせものやさん」  監督:奥谷洋一郎

上

    上2

日本中で、ここだけとなった見世物小屋、大寅興行社一座のドキュメンタリー。
この一座は、見世物とお化け屋敷で全国各地を巡業している。

まだ見世物小屋がたくさんあった頃・・・・
神社境内の小屋の前で、呼び込みのタンカ。
「ああ恐ろしや、親の因果が子に報い、上半身は普通の人間だが、下半身はタコ」
「我が子だ他人の子だと思わずに、見てやってください。あの可愛らしい17歳の娘、ハナちゃん」
すると、幕の端からちらりと顔をのぞかせる、何年経っても17才の女がニコリ。
小屋の前で通り行く客に呼びかける「呼び込み」は、隣りの小屋へ入りそうな客足を、呼吸ひとつでこっちに向ける魔力があるらしい。この呼び込みは、小屋ごとに特徴があり、この映画でもその話がでてくる。

昭和20年代。こんなことを言っている。
サーカスは別として、その興行内容があまりにインチキなため、都会では次第に人気を失いつつある見世物が、ドサ廻りの劇団などと同様、娯楽が乏しい地方では依然として人気があり、見世物がかかる祭礼の日を人々は待ち焦がれている。※  その後、あまりのインチキは影をひそめたらしい。

下大寅興行社は、こういう見世物興行全盛期の波乱万丈な時代を生き抜き、今に至る。
そして、今を生き抜くために、大寅興行社の出し物は日々進化している。
思い返せば、映画がシネマトグラフと呼ばれた明治30年ごろ、映画は見世物であった。

※「浅草 その黄金時代のはなし」 より 浅草の見世物  
  編者:高見順 英宝社より昭和30年に出版 (のちに新評社で1978年発行)


監督:奥谷洋一郎|2012年|90分|
撮影:江波戸遊土、遠藤協、奥谷洋一郎、早崎紘平、渡辺賢一|
出演:大寅興行社および関係者の方々


奥谷洋一郎 監督の映画
写真
ソレイユのこどもたち
写真
ニッポンの、
   みせものやさん


【 一夜一話の歩き方 】
下記、クリックしてお読みください。

写真
写真
写真
写真
写真

邦画
 邦画の題名から探す。   監督名から探す。
洋画
 洋画の題名から探す。   国名から探す。
関連記事
やまなか
Posted byやまなか

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply