映画「ニッポンの、みせものやさん」 監督:奥谷洋一郎
2014年12月05日 公開


日本中で、ここだけとなった見世物小屋、大寅興行社一座のドキュメンタリー。
この一座は、見世物とお化け屋敷で全国各地を巡業している。
まだ見世物小屋がたくさんあった頃・・・・
神社境内の小屋の前で、呼び込みのタンカ。
「ああ恐ろしや、親の因果が子に報い、上半身は普通の人間だが、下半身はタコ」
「我が子だ他人の子だと思わずに、見てやってください。あの可愛らしい17歳の娘、ハナちゃん」
すると、幕の端からちらりと顔をのぞかせる、何年経っても17才の女がニコリ。
小屋の前で通り行く客に呼びかける「呼び込み」は、隣りの小屋へ入りそうな客足を、呼吸ひとつでこっちに向ける魔力があるらしい。この呼び込みは、小屋ごとに特徴があり、この映画でもその話がでてくる。
昭和20年代。こんなことを言っている。
サーカスは別として、その興行内容があまりにインチキなため、都会では次第に人気を失いつつある見世物が、ドサ廻りの劇団などと同様、娯楽が乏しい地方では依然として人気があり、見世物がかかる祭礼の日を人々は待ち焦がれている。※ その後、あまりのインチキは影をひそめたらしい。

そして、今を生き抜くために、大寅興行社の出し物は日々進化している。
思い返せば、映画がシネマトグラフと呼ばれた明治30年ごろ、映画は見世物であった。
※「浅草 その黄金時代のはなし」 より 浅草の見世物
編者:高見順 英宝社より昭和30年に出版 (のちに新評社で1978年発行)
監督:奥谷洋一郎|2012年|90分|
撮影:江波戸遊土、遠藤協、奥谷洋一郎、早崎紘平、渡辺賢一|
出演:大寅興行社および関係者の方々
奥谷洋一郎 監督の映画
【 一夜一話の歩き方 】
下記、クリックしてお読みください。
◆邦画
邦画の題名から探す。 監督名から探す。
◆洋画
洋画の題名から探す。 国名から探す。
- 関連記事
-
-
映画「偽れる盛装」 監督:吉村公三郎 主演:京マチ子 2015/02/08
-
映画「鬼火」 1997年 監督:望月六郎 出演:原田芳雄、片岡礼子、哀川翔 2015/02/04
-
映画「病院へ行こう」 監督:滝田洋二郎 出演:薬師丸ひろ子、真田広之 2015/01/27
-
映画 「おそいひと」 監督:柴田剛 2015/01/17
-
映画 「鮫肌男と桃尻女」 監督:石井克人 2015/01/11
-
映画「弥次喜多道中記」 監督:マキノ正博 2014/12/21
-
映画「やじきた道中 てれすこ」 監督:平山秀幸 2014/12/19
-
映画「ニッポンの、みせものやさん」 監督:奥谷洋一郎 2014/12/05
-
映画「さよなら歌舞伎町」 監督:廣木隆一 主演:染谷将太 ~東京フィルメックス 2014 から 2014/12/01
-
映画 「顔役」 1971年 監督・主演:勝新太郎 2014/11/19
-
映画「穴」 1957年 監督:市川崑 主演:京マチ子、船越英二、山村聡 2014/11/11
-
映画「箱入り息子の恋」 監督:市井昌秀 2014/11/05
-
映画「鴛鴦歌合戦(おしどり)」 監督 :マキノ正博 2014/11/03
-
映画「怪異談 生きてゐる小平次」 監督:中川信夫 主演:宮下順子 2014/10/30
-
映画「揮発性の女」 監督:熊切和嘉 2014/10/26
-