映画「弥次喜多道中記」  監督:マキノ正博

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組1

  秀作「鴛鴦(おしどり)歌合戦」の人気の影に本作あり。

中  東海道中膝栗毛と、江戸町奉行・遠山の金さんと、義賊・ねずみ小僧次郎吉とを掛け合わせたお話。
  受け狙いのコメディを排した笑いと、男同士の友情、それと涙をほど良くブレンドした素直な時代劇。
  冒頭いきなり始まる波乱万丈と、これもいきなり始まるラストの波乱万丈が対を成し、しっかりオチに向かう。

  公開当時の流行歌を題材にした歌謡映画じゃなく、曲はオリジナルものだから、本作をオペレッタ映画と言うのか・・・。
  オペレッタの構成・作詞を時雨音羽が、作曲・編曲・指揮を古賀政男が担当。しかし、翌年製作の「鴛鴦歌合戦」の方が曲も演奏も良いし、ちょいとジャズになっている。(オペレッタ構成・作詩:島田磬也、指揮・作・編曲:大久保徳二郎) だから、「鴛鴦歌合戦」のほうが、今となってはオペレッタ映画というにふさわしい。

  絵は本作の方がいい。例えば冒頭の日本橋橋詰の様子、屋根の上での捕り物のシーン。
  日活京都撮影所製作だからか、日本橋から三条大橋まで、きっちりたどり着くのが気持ち良い。
  「鴛鴦歌合戦」のレビューはこちらから。  

下監督:マキノ正博|1938年|96分|
脚本:小国英雄|オペレッタ構成・作詞:時雨音羽|音楽:古賀政男|
撮影:石本秀雄|
出演:片岡千恵蔵 (遠山金四郎、「弥次さん」)|杉狂児 (鼡小僧次郎吉こと和泉屋次郎吉、「喜多さん」)|
ディック・ミネ (喜多八)|楠木繁夫 (弥次郎兵衛)|河部五郎 (村雨藤五郎)|瀬川路三郎 (目明し伝七)|香川良介 (遠山河内守)|尾上華丈 (千太、次郎吉の子分)|志村喬 (文太夫、金四郎の爺や)|林誠之助 (親分尻鍋)|団徳麿 (手品師、饅頭勝負に勝つ男)|石川秀道 (駿河屋亭主、「よっ馬の脚」と叫ぶ男)|原駒子 (奥方お国)|中野かほる (お銀、次郎吉の顔見知りで宿で胴巻きを盗んだ女)|比良多恵子 (お雪、三郎の姉)|美ち奴 (座頭)|服部富子 (大原女、三条大橋で歌う)|近松里子 (おつた、幼少時に次郎吉に助けられた女)|悦ちゃん (三郎、お雪の弟)|藤川三之祐|小松みどり|


マキノ正博 監督の映画
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鴛鴦歌合戦
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弥次喜多道中記



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