映画 「妻の愛人に会う」  監督:キム・テシク

寝取られテハンと、妻の愛人チュンシク
上2






組1-0-1組1-2





  妻を寝取られた男と、寝取った男、このふたりの面白おかしい真夏のロードムービー。

  寝取られた男キム・テハンは、妻の愛人でタクシー運転手のパク・チュンシクを、ソウルに出向いて探しだし、素知らぬ顔で彼のタクシーの客となる。
  向かう先はテハンが住む町、江原道の海辺、つまりソウルから韓国の東海岸までの長距離タクシー。

中0  道中、テハンは無口を通した。片や、チュンシクは彼が何者か知る由もない。
組2-0  そんな状況の中、決して相容れぬ関係でありながらも、この長距離ドライブ中にふたりの間に、何やら友情らしきものが生まれる可笑しみが、話の主軸。

  中年のテハンは、ハンコ職人で無口、内気、真面目一徹。チュンシクと不倫しているテハンの妻は若い、美人、いささか軽薄。まったくもって反りが合わない夫婦。チュンシクは、出会う女に必ずちょっかいかける女好き、行動派、チャランのポラン。どこで出会ったのか知らないが、この不倫、なるようにしてなった感じ。

  さて、途中、車が故障したり渓流で泳いだりバドミントンしたり女と遊んだり西瓜が転げて来たり突如ヘリが舞い上がったりと、いろいろあったドライブだったが、なんとか到着。テハンを降ろす。
  何も知らないチュンシクは、さっそくテハンの家へ不倫に行く。後を追うテハンは、用意した彫刻刀を握りしめ、我が家の二階の窓から密かに侵入、そして一気にに突入し最中のチュンシクの腹に・・・。

組3-0  その後、テハンは彼のタクシーを盗んでソウルへと向かう。
  向かった先は、一軒のある飲み屋。ここで酔っぱらうテハン。
  夜も更け閉店の時間。若い女将がひとり飲み始める。いつしか、ふたりは差し向かい。そのうち女将が夫の浮気を愚痴る。テハンも妻の浮気を言い、その不倫相手をさっき刺し殺して目玉をくりぬいたと言う。
  そこへある一件が起きて、それが起爆剤、ふたりの仲がグッと深まる。

  夜が明けた。
  チュンシクもソウルに戻って来て、妻が働く店にやって来た。
  店の前で、ヘッドライトを外された自分のタクシーを見つけたチュンシクは、急いで店に入った。なんと、奥の部屋でテハンと自分の妻が全裸で寝ている!!
  テハン、チュンシクのふたりは店を出る。そして、チュンシクはテハンに何やかにや言う。
  彼の言う事をじっと聞きながらも、無口を通すテハン。
  最後に一言、捨てぜりふを吐いて、テハンはソウルの街へ消えて行った。

  この後に後日談のシーンがあるが、あれは余計だ。
  テハン役のパク・クァンジョンなくして本作はない。彼が、美味しいところ全て持って行った。
  不倫の相手にまとわりついて、仕返しするような話だが、決して暗くなく偏執的でもない。
  あっけらかんとカラッと明るく、笑える映画です。



下






オリジナル・タイトル:아내의 애인을 만나다
英語タイトル:Driving with My Wife's Lover
監督:キム・テシク|韓国|2006年|92分|
脚本:キム・テシク、キム・ジョナン|撮影:チャン・ソンボン|
出演:パク・クァンジョン(テハン)|チョン・ボソク(チュンシク)|チョ・ウンジ(チュンシクの妻・ソオク)|キム・ソンミ(テハンの妻・ウンス)|

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