映画 「メトロマニラ 世界で最も危険な街」  監督:ショーン・エリス  2013年イギリス・フィリピン映画

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組1-000




  舞台は、フィリピンの首都マニラ。
  山奥の棚田で米を作っていたオスカーは、小作じゃ喰えなくて、意を決し一家して山を下りてマニラに出てきた。

  出てきたはいいが、あまりの田舎者、さっそく詐欺に会いカモにされ、子供ふたりを抱え路上をさ迷う。
  追い詰められたオスカーは、手当たり次第に職を探すが、無い。
  紆余曲折あって、スラム街(トンド地区)で小屋を借り、そしてやっと職を得た。

組3-0  その職は、マニラ市内を現金輸送車で金を回収してまわる仕事。輸送車は装甲車のよう、仕事は厳重に管理され、常に防弾チョッキに銃を持つ。命をかけるには余りに安い賃金。 
  上司のオングという男が、やたら熱心にオスカーの面倒にみる。それはオングの計画であった。オングは現金を盗もうとしていた。オスカーは、その仲間にされようとしている。

  一方、オスカーの妻マイも、仕事を探していた。いかがわしい店の女として雇われることになる。やりたくない仕事だが、三人目を妊娠していることがわかっている。お金が欲しい。

  現金輸送用の専用ジュラルミン・ケースがある。このケース、鍵で開けずに無理にこじ開けようとすると、ケース内で特殊インクが噴き出して札束が赤く染まってしまう。
  実は、オングは輸送中の現金が収まったこのケースを隠し持っている。かつて、彼が運転する輸送車が襲撃を受けた際、行方不明になったケースだ。このケースの鍵は、厳重警備された本社事務所にある。オングはオスカーに、事務所に忍び込ませて、その鍵の型を取らせようとしたが・・・。

  特別に何か言うほどの作ではないが、フィリピンの現在が少し垣間見れる。
  話は変わるが、この映画は、映画を宣伝すべき広報宣伝スタッフが、自ら映画を壊しているいい例だ。
  この作品を売り出すにあたって、何をプッシュすればいいのか、アイデアが浮かばなかったんだろう。タイトル 「メトロマニラ 世界で最も危険な街」 が変だ。マニラが世界で最も危険な街?? (オリジナルのタイトルは、METRO MANILA)
  それは、この映画を、銃撃戦があるアクション物として仕立てれば(相当に無理やりだが)、売れると考えたのだろう。 ちらしには、「死ぬなら最後まで戦え それがこの街の掟」 と大きく書いてある。やくざ映画か!
  たぶん、広報宣伝スタッフの人は、こりゃ絶対ヒットしないよ、と諦め、いい加減な仕事をした。そうなら、この作品を買い付けなきゃいいのに。作り手や観る者に失礼な話だ。 こんな阿呆な映画業界人たちが、自ら、映画業界や観る文化を壊している。

  トンド地区
  マニラにある世界でも有数の貧困地域であり人口密集地帯。(64,000人/km²)


下オリジナル・タイトル:METRO MANILA
監督・原案・撮影:ショーン・エリス|イギリス、フィリピン|2013年|115分|
脚本:ショーン・エリス、フランク・E・フラワーズ|
出演:ジェイク・マカパガル(オスカー・ラミレス)|アルセア・ヴェガ(マイ・ラミレス)|ジョン・アルシラ (オング)|

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