映画 「イザイホウ - 神の島・久高島の祭祀」  沖縄のドキュメンタリー映画  1966年製作、2015年公開

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  神の島と言われる沖縄県久高島(くだかじま)は、海の彼方のあの世「ニライカナイ」に一番近い島とされる。
  そのニライカナイから久高島へ訪れた神が船をつけるという、神聖な浜が久高島にある。

  この島で生まれた30歳過ぎの既婚女性は皆、必ず 神女(神職者)となる。
  映画のタイトル名 「イザイホウ」とは、神を迎え見送る神事であり、島の女性たちの通過儀礼だ。加えて、新たに30歳を迎えた女性が神女となることを神々に認証してもらう就任儀礼でもある。
  またイザイホウは、秘祭として部外への公開を固く拒んできた儀式であり、12年に1回の周期で繰り返し行われて来た儀式だったが、昭和53年(1978)を最後に、神事を後継できずに現在は途絶えたままになっている。
  よって映画は、日本の祭祀の原型を留める、このイザイホウの様子を記録した貴重な映画となった。


中  4日間にわたるイザイホウ本祭には、七つの儀式があってそれぞれに様々な様相をみせる。
  とりわけ、円陣を組んだ大勢の神女たちが、早いテンポで手拍子を打ちながら、祭場を早足で巡るシーンは、高揚感があって圧巻である。

  琉球神話によると久高島は、琉球の創世神アマミキヨが大昔、天からこの島に舞い降りて国づくりを始めた聖地の島。
  片や、祭祀を行う場所として、沖縄本島で最高の聖地とされる斎場御嶽(せいふぁ・うたき)とは、そもそもは琉球王朝時代初期の頃に、国王が海を渡って久高島へ巡礼する折、立ち寄った場所であった。
  ことほどさように、久高島は誠に聖なる島らしい。

  この映画は1966年に製作されたにもかかわらず、公開は2015年だった。
  封印されていた理由は、この作品をあまり世に広めたくない、という島民(神女)らの意向をくんでのことだった。しかし当時の関係者が世を去り、またフィルムが劣化し記録が消えることを危惧して公開となった次第。

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  イザイホウが途絶えている最大の原因は、島の過疎化だ。
  30歳を迎え新たな神女となる女性がいないことと、儀式を熟知する女性の逝去だ。
  秘祭を行う神の島は、島や神事の観光化も阻んできた。


監督:野村岳也|1966年|49分|  
映画 「イザイホウ」の公式サイト
http://www.kaiensha.jp/archive.html


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