映画 「空気の無くなる日」   監督:伊東寿恵男

上

1-0_201504291322383b2.png  ハレーすい星の接近で村中が大騒ぎ、のお話です。
  舞台は富山でしょうか。遠くに雪をいただく山々が見える村。

  すい星が接近して来て、その引力で地球の空気が吸い取られてしまう。
  小学校の用務員のおじさんが、息を切らして職員室に駆け込んできた。
  そんなバカげた話と相手にもしなかった校長が役場に出かけ、折り返し息を切らして帰って来た。
  空気がなくなる。
  新聞にも記事が出る。(だが村人に新聞購読者はいない)

2-0_20150429135659bf5.png  空気がなくなるのは5分間らしい。そのあと、空気はまた地上に満ちてくる。
  校庭に生徒を集め、さっそく始めた訓練は、洗面器や水槽に水をはって顔をつけ、できるだけ息を止める訓練だ。気分が悪くなる子も出てくる。5分間も息を止めるのは、やはり不可能であった。

  空気がなくなることを子たちが親に話し、村中は徐々に大騒ぎになって行く。
  が、対処しようがない。その日は刻々と迫る。
  こういう時、人は意外にもいつものように畑仕事をする。ぼんやり時は過ぎていく。

  だが庄屋のあるじは、ある行動に出た。
  それは、もと小作であった男からの入れ知恵であった。自転車やバイクのタイヤチューブ内の空気を吸えば、5分間は凌げる。あるじは自転車屋のチューブをすべて買い占め、さっそく家族を集めチューブの口をくわえて呼吸の訓練を始めた。

  そして、その日が来た。
  集まって南無妙法蓮華経を唱える人々。盛装し静かに時を迎える人々。柱時計を見上げる人々、そしてタイヤのチューブをくわえている人々。
  さて、このあと、どうなりますやら。
  


監督:伊東寿恵男|1949年|51分|
原作:岩倉政治|撮影:大小島嘉一|
出演:深見泰三|花沢徳衛|河崎竪男|平山均|佐々木浩一|河合健児|大町文夫|望月伸光|

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