映画「夫婦フーフー日記」 監督:前田弘二 主演:永作博美、佐々木蔵之介
2015年06月06日 公開
赤ちゃんを抱え、遺影を持つ夫と、ハンバーガーを食う妻の幽霊。


とても明るくカラッとした、コメディです。
あらすじは一見、とても悲しいのですが、これが実にいい喜劇に仕立ててあるんです。必見、観てのお楽しみ!!
20歳代の浩太(佐々木蔵之介)には、飲み屋でわいわい騒ぐ、同世代の楽しい友達がたくさんいたが、あっという間に30歳が過ぎ、やがて30歳も半ばを越すと、クシの歯が欠けたように、呑み会に集まる人数はぐんと減って行った。
そんなわけで、浩太含め、もう40歳目前になってしまったメンバーが、吹き溜まりのようにテーブルを囲む中に、相変らず優子(永作博美)は常連でいて、やはり相変らず酔っぱらって意味不明な大口をたたいている。
つまり、互いに知り合ってからのこれまでの17年間、浩太と優子は互いに友達以上のことはなかったのです。
なかったのですが、ふと、にじみ出るように愛が生まれ、浩太と優子が結婚。そしてすぐ、妊娠が発覚。ふたりは喜んだ。
しかし、幸せ絶頂のさなか、ヨメ・優子の直腸に悪性腫瘍が見つかる。そして出産、育児が始まる。同時に闘病生活も始まり、ついにヨメが入院するとダンナ・浩太は育児に奮闘する。さらに、そして、治療の甲斐なく、ヨメはあっけなく他界する。
つまり優子は、浩太と17年間友達で、1年ちょっと夫婦で、そして9か月だけ母親だった。
そして・・・。
ヨメの実家で葬儀が行われようとしている。親戚一同が集まった。
ところが、控えの間にいたダンナの前に、突如ヨメが現れた。ヨメはいたって元気で、笑顔。
驚くダンナは大声でヨメに話しかける。すると、ダンナの大きな独り言に周囲がびっくり、気が動転してるのね、かわいそう。
そうなんです。ダンナと観客にしかヨメの姿は見えないのです。
さあ、ドラマはここら辺から主題に入って行きます。
ストーリーは、余命あと何日的な仕立てですが、展開にひねりがあります。
つまり、普通は死ぬまでのあれこれの経過を追う筋立てですが、本作は映画冒頭で新妻・永作博美はすぐにあっけなく死んでしまう。観客の意表を突きます。
そして、ヨメの死後からの展開は、ダンナと「幽霊になったヨメ」との現在進行のシーンと、ふたりについてのさまざまな回顧シーンとが、交互に入れ替わりながら話は進みます。つまり、現在・過去のシーンのカットバック(切り返し)で、話は進む。このカットバックの冴えが一番の見どころです。
回顧シーンの様子は、現在のダンナと幽霊のヨメが、過去の自分たちがいるその時へ、タイムスリップします。そして、自分たちの過去の様子(画面合成している)を前にして、ふたりは客観的に眺め語り合い、時に言い争いもします。
何といっても、永作の演技力が映画を引っ張って行きます。さらに、映画を注意して観ていれば、想定外のどんでん返しかと、ハッとさせるトリックが用意されています。これは観てのお楽しみ!! いい映画です。

監督:前田弘二|2015年|95分|
原作:川崎フーフ|脚本:林民夫、前田弘二|撮影:伊藤寛|
出演:ダンナ・清水浩太(佐々木蔵之介)|ヨメ・清水優子( 永作博美)|エリ(佐藤仁美)|ギテー(通称)・ヨメの弟(高橋周平)|ギフ・ヨメの父親(並樹史朗)|ギボ・ヨメの母親(梅沢昌代)|ダンナの父親(大石吾朗)|ダンナの母親(吉本選江)|佐藤(ダンナとヨメの友人)(宇野祥平)|山下(ダンナの職場の上司)(小市慢太郎)|KZO(杉本哲太)|
永作博美が出演の映画をこちらでまとめています。タップしてお進みください。


とても明るくカラッとした、コメディです。
あらすじは一見、とても悲しいのですが、これが実にいい喜劇に仕立ててあるんです。必見、観てのお楽しみ!!
20歳代の浩太(佐々木蔵之介)には、飲み屋でわいわい騒ぐ、同世代の楽しい友達がたくさんいたが、あっという間に30歳が過ぎ、やがて30歳も半ばを越すと、クシの歯が欠けたように、呑み会に集まる人数はぐんと減って行った。
そんなわけで、浩太含め、もう40歳目前になってしまったメンバーが、吹き溜まりのようにテーブルを囲む中に、相変らず優子(永作博美)は常連でいて、やはり相変らず酔っぱらって意味不明な大口をたたいている。
つまり、互いに知り合ってからのこれまでの17年間、浩太と優子は互いに友達以上のことはなかったのです。
なかったのですが、ふと、にじみ出るように愛が生まれ、浩太と優子が結婚。そしてすぐ、妊娠が発覚。ふたりは喜んだ。

つまり優子は、浩太と17年間友達で、1年ちょっと夫婦で、そして9か月だけ母親だった。
そして・・・。
ヨメの実家で葬儀が行われようとしている。親戚一同が集まった。
ところが、控えの間にいたダンナの前に、突如ヨメが現れた。ヨメはいたって元気で、笑顔。
驚くダンナは大声でヨメに話しかける。すると、ダンナの大きな独り言に周囲がびっくり、気が動転してるのね、かわいそう。
そうなんです。ダンナと観客にしかヨメの姿は見えないのです。
さあ、ドラマはここら辺から主題に入って行きます。
ストーリーは、余命あと何日的な仕立てですが、展開にひねりがあります。
つまり、普通は死ぬまでのあれこれの経過を追う筋立てですが、本作は映画冒頭で新妻・永作博美はすぐにあっけなく死んでしまう。観客の意表を突きます。
そして、ヨメの死後からの展開は、ダンナと「幽霊になったヨメ」との現在進行のシーンと、ふたりについてのさまざまな回顧シーンとが、交互に入れ替わりながら話は進みます。つまり、現在・過去のシーンのカットバック(切り返し)で、話は進む。このカットバックの冴えが一番の見どころです。
回顧シーンの様子は、現在のダンナと幽霊のヨメが、過去の自分たちがいるその時へ、タイムスリップします。そして、自分たちの過去の様子(画面合成している)を前にして、ふたりは客観的に眺め語り合い、時に言い争いもします。
何といっても、永作の演技力が映画を引っ張って行きます。さらに、映画を注意して観ていれば、想定外のどんでん返しかと、ハッとさせるトリックが用意されています。これは観てのお楽しみ!! いい映画です。

監督:前田弘二|2015年|95分|
原作:川崎フーフ|脚本:林民夫、前田弘二|撮影:伊藤寛|
出演:ダンナ・清水浩太(佐々木蔵之介)|ヨメ・清水優子( 永作博美)|エリ(佐藤仁美)|ギテー(通称)・ヨメの弟(高橋周平)|ギフ・ヨメの父親(並樹史朗)|ギボ・ヨメの母親(梅沢昌代)|ダンナの父親(大石吾朗)|ダンナの母親(吉本選江)|佐藤(ダンナとヨメの友人)(宇野祥平)|山下(ダンナの職場の上司)(小市慢太郎)|KZO(杉本哲太)|
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そうなんです!本当にいい映画ってなかなか無いんです。
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