映画「キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語」 監督:ダーネル・マーティン

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  1950年代からはじまる、ブルースやロックンロール、ソウルのスターたちの誕生秘話。
  マディ・ウォーターズ、リトル・ウォルター、チャック・ベリー、ハウリン・ウルフ、エタ・ジェームズ、みなビッグヒットをかっ飛ばし大スターとなった。
  そしてこの映画は、キャデラック・レコードというレーベルを立ち上げ、彼らを発掘しスターダムに押し上げた、実在の音楽プロデューサー、レナード・チェス(エイドリアン・ブロディ)のサクセスストーリーでもある。
  映画ではキャデラック・レコードという名にしているが、実はチェス・レコードのこと。※注
 
  みどころは、それぞれビッグスターに扮する俳優たちが、自ら歌い演奏していること。これが素晴らしい。ブラックミュージックに詳しい人でも十分に耐えられる実力あるプレーが楽しめる。
  田舎から出てきたばかりで、みすぼらしい姿のマディ・ウォーターズ役が演奏するアコースティックのスライドギターや歌、リトル・ウォルター役が演奏するブルースハープ(ハーモニカ)、チャック・ベリー役の歌とギターそしてあのダックウォーク。そして極みは、女性ソウルシンガー、エタ・ジェームズ役のビヨンセ・ノウルズのソウルフルなボーカルだ。ビヨンセはきっとアレサ・フランクリンなんかが好きだったんだろう。グッときます。特にビヨンセが歌う、チェスとの別れのスタジオ録音シーン。
  ちなみに、エタ・ジェームズ本人の声は押しつぶしたような実に独特なものですが、そんなこと置いといてビヨンセのボーカルを楽しみましょう。

  この映画、一応、史実に沿ってはいるが、省くところは省き、また伝説のベールはベールとして尊重している。
  何回もあるスタジオ録音のシーンは、ブラックミュージックの歴史の重みを感じます。ビヨンセはいままで聴いた事は無かったのですが、これを機に聴いてみようか。ただし、曲の作りやバック演奏や録音方法が今風で、私はきっと聴いてがっかりするかもしれない。
  ブラックミュージックの歴史やミュージシャンに対する人種差別にふれる映画に、ニューオリンズのR&Bやソウル音楽ドキュメンタリー「メイク・イット・ファンキー」がある。こちらからどうぞ。
  
chess.jpg  ※チェス・レコード (Chess Records)は、米国のブルース、R&B系のレコード・レーベル。シカゴに設立し、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、チャック・ベリー、エタ・ジェイムズなどの主要な作品を多く送り出した。その影響はブルースに留まらず、ロックンロールの歴史にも大きな影響を与えたと言われている。


下オリジナル・タイトル:Cadillac Records
監督・脚本:ダーネル・マーティン|アメリカ|2008年|108分|
撮影:アナスタス・ミチョス
出演:レナード・チェス(エイドリアン・ブロディ)|マディ・ウォーターズ(ジェフリー・ライト)|エタ・ジェームズ(ビヨンセ・ノウルズ)製作総指揮も担当|リトル・ウォルター(コロンバス・ショート)|チャック・ベリー(モス・デフ)|レベッタ・チェス(エマニュエル・シュリーキー)|ウィリー・ディクソン(セドリック・ジ・エンターテイナー)|ジェニーヴァ・ウェイト(ガブリエル・ユニオン)|ハウリン・ウルフ(イーモン・ウォーカー)|タミー・ブランチャード|ノーマン・リーダス|


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