浅草博徒一代 ~アウトローが見た日本の闇  佐賀純一著

ボブ・ディランが、この本の文章から一部を引用し歌詞にした。

浅草一帯に勢力があった博徒、伊地知栄治という男の一代記。この英訳本からディランは引用し「ラヴ・アンド・セフト」の歌詞を作ったらしい。2003年当時、このニュースはウォールストリートジャーナル紙や日本のマスコミを賑わしたとのこと。

syosekiIMG.jpg「若い頃、少々無茶をやりましてね、この年になるまで好き勝手なことをやってきたんです」

伊地知栄治(1906~1979)宇都宮に生まれ、明治末、大正、昭和を生き抜いた73歳のヤクザからの聞き書きをまとめたのが本書。ディランのことは読み終えた後、あとがきを見て初めて知った次第。このことは横において置いて、とにかく面白い。移り行く時代の様子や当時の人々の生活や気持ちが読み取れるし、宇都宮、深川(石炭卸の丁稚奉公)、浅草(ヤクザ家業へ)、足尾銅山(鉱夫の大反乱)、巣鴨刑務所(刑務所仲間の逸話)、北朝鮮(徴兵、中国国境最前線)、駆け落ち放浪、前橋刑務所~網走刑務所(刑務所生活の逸話)、柏(終戦直後の軍隊物資の横領)などなど、場所場所での話も面白い。
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やまなか
Posted byやまなか

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