草津温泉に行ってきた。
2016年01月13日 公開


この温泉地のど真ん中に、源泉が大量に湧きだし、盛んに湯けむり舞い上がる「湯畑」という広い場所がある。硫黄の臭いは強くない。夜はライトアップされる。
この湯畑周辺には、かつて、江戸、明治まで、「御座之湯、綿の湯、かっけの湯、滝の湯、鷲の湯」という、5つの共同湯があったらしい。とにかくここは、草津温泉の中心でシンボル的な所。
宿は、この湯畑からすぐの「大阪屋」という旅館。味よし。
全国どこの宿も、料理の品数は並ぶが、味よしと言えるほどの旅館は、なかなか無いもんだ。
料理に力を入れているのだろう、夕食時に女将が挨拶に訪れた。とても品の良い方。
風呂は露天風呂の湯加減が良い。42~43度くらいの熱めだ。湯船にゆっくり浸かると、クゥ~ときて、そしてジンワ~リ。
従業員の接客も行き届いていて気持ち良い。いい宿に泊まると、そこの温泉地の印象も自ずと良くなるものだ。
草津温泉には、外湯(共同湯)がたくさんある。大阪屋のすぐ隣りにあるのは、小さな外湯「千代の湯」。夜の10時ごろに入った。中は、木の浴槽で素朴で薄暗い。ちょうど誰もいなくて、ゆっくりできた。
大阪屋の真向いには、かつて鷲の湯という外湯があったらしい。ここの湯が、あの草津節発祥の地。
素朴な外湯のほかに、有料の湯もある。「御座之湯」に入った。(600円)
場所は湯畑に面している。かつて、ここにあった御座之湯を再現したらしい。大きな木造建築。ここの湯は、草津町から湧き出る2つの源泉(湯畑源泉、万代源泉)を引き、湯船を分けている。泉質の違いをお楽しみくださいとのことだが、私には違いが分からなかった。湯は私にはヌルイ。天上が高く広い湯殿は、意識して薄暗くしてある。ヒノキの香りが微かに漂う。2階にくつろげる大広間があって湯畑が一望できる。
もうひとつ。「大滝乃湯」(900円) ここの売りは、「合わせ湯」というもの。
木の湯船がいくつもあって、それらが38度から46度まで段階的に調整してある。つまり、ぬるい湯船から熱い湯船へと順に巡るのである。さすがに46度はちょっとしか入っていられないが、ひとつぬるい湯は良い感じであった。
この「大滝乃湯」という名は、その昔、湯畑から大量に流れ落ちる湯の滝の下にあったという「滝の湯」の名を譲り受けたらしい。湯畑から10分ほど歩いた場所にある。館内に食事処やサウナも備えていてスーパー銭湯と言っていい。ただし、煮川源泉の湯に浸かれるのは、ここと、近くにある外湯の「煮川乃湯」だけ。だから、どうだということもないが。
さて、温泉街も楽しみたい。宿と外湯だけじゃ、味気ない。
「コーヒー綾」という喫茶店がいい。場所は湯畑際の道から入った、行き止まりの路地の奥にある。コーヒーがうまい。旅館や店のあるじが来る地元の喫茶店。コーヒーの香りがする。当たり前のようだが、スタバじゃコーヒーの香りがしない。そして、ストーブが発する温かさが、なんとも柔らかい。新鮮な感触だった。
蕎麦屋はいくつもあるが、どれも混んでいる。長い列。小一時間と言われるが、30分から1時間近くも待っているのは一泊客には辛い。湯畑から数分歩くが、湯滝通りにある「大野家」という店にした。店内が広く、ざわざわしてない。落ち着いて熱燗を呑める店。つけ汁は甘めだが悪くない。草津近くの六合村産の芋をたっぷり使ったとろろ蕎麦がうまかった。

落ち着いた呑み屋にも行きたかったが、いい店は無い。草津に長逗留できるなら、何か見つかるかもしれない。名の知れた温泉地だから、各種居酒屋、スナック、カラオケが雑然とある。
大阪屋に話を戻すが、仲居さんに中国の方がいた。和服を着こなし髪を結いあげ楚々とした感じ。また、布団の上げ下げのバイト君。地元の男の子で二十歳前だと思う。シーツの扱いが上手い。魔法でも使っているように、布団の上でシーツがスッーと伸びてひろがる、すばらしい!
草津にも中国人観光客が来ているが、そんなに多くない。それより、大学生くらいの若いカップルがやたら目につく。
草津は外湯が多い。あちこち巡れば湯疲れするだろうが、草津外湯めぐりマップ。
http://minsyuku-miyama.com/yumeguri-map.html (これは外部へのリンクです。今後リンク切れの可能性があります)
外湯めぐりのほかに、旅館の内湯めぐりというのもある。草津良いとこ、一度はおいで。
ただし今シーズンは雪が無い。スキー場でも降らない。気温は10度もある。草津町の人は嘆いている。
<全国温泉ランキング> 観光経済新聞社主催の「第28回にっぽんの温泉100選」
「おかげさまで12年連続、第1位」と大書する、こんなポスターがあちこちに貼られていた。
これによると、第1位・草津温泉、2位・湯布院、3位・下呂、4位・別府八湯、5位・有馬、6位・登別、7位・道後、8位・黒川、9位・指宿、10位・城崎。
<一夜一話の温泉記事> これまでに記事にした温泉。
四万温泉~積善館(群馬県) 、 箱根の「にごり湯」~芦の湯温泉「きのくにや」・仙石原温泉「パウエル」
信州 渋温泉と湯田中温泉 、 箱根 姥子温泉~岩盤自然湧出泉「秀明館」
熱海の温泉旅館「連月荘」・御殿場の「時之栖」 、 福島 高湯温泉~山の上のにごり湯
これからも、行きまっせ!
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