特集「ちょっと変な映画」 でも、どれも可笑しい話です。(洋画編)
2010年01月02日 公開
ストレートな喜劇映画を笑うのもいいですが、もう一ひねり、
いや、二ひねり三ひねりさせた、私の大好きな、ちょっと変な洋画特集です。(50音順)
◆「アメリカン・スプレンダー」 監督:シャリ・スプリンガー・バーマンほか|アメリカ|2003年|
この映画は実話だ。ハーヴェイ・ピーカー36歳、バツ2。後にカルト的人気となる漫画家のサクセスストーリーだが、本人が二癖三癖の人物だけに、話は全く「アメリカンっぽくない」サクセスストーリーだ。
彼は変人だ。偏屈とも言う。××なヤツの代表選手である。そして無類のつぶやき男だ。(続きはこちらから)
◆「アンダーグラウンド」 監督:エミール・クストリッツァ|フランス、ドイツ、ハンガリー|1995年|
観客席にちんまり座って、この映画を首から上で理解しようとすると、はじき飛ばされる。からだを使って全身でヅーンと受け止める映画です。そう観客はプロレスのリングサイドにいると思えば、臨場感が増す。但しロマ・ブラスバンドのサウンドが炸裂するので要注意。映画は我々をあおってきます!(続きはこちらから)
◆「愛おしき隣人」 監督:ロイ・アンダーソン|スウェーデン、フランスほか|2007年|
スウェーデンの人々は、てっきり幸せだと思ってた。だけどほんとは、みんなポツンと孤独。そして、とても真面目で一生懸命だ。監督は、そんな人々をこよなく愛おしみながらも一方で、観客をオチャメにそっとくすぐり、私たちはくすぐられて、苦っと笑う。そんな映画。短いエピソードが、次から次に、無秩序に脈略なく続く。(続きはこちらから)
◆「愛しのタチアナ」 監督:アキ・カウリスマキ|フィンランド|1994年|
実にいい映画だ。 上質な喜劇です。一見、素っ気ないまでの態度を示す作品かも知れない。しかし、そう感じるとすれば それは、手取り足取りサービス過剰な映像の観すぎだろう。「愛しのタチアナ」、この映画の完成度は、もうすでに様式美の領域にある。
(続きはこちらから)
◆「イン・ザ・スープ」 監督:アレクサンダー・ロックウェル|アメリカ|1992年|
ニューヨークの下町。ジョーじいさん(シーモア・カッセル)は、いい歳して女たらしでウサン臭いが、笑顔でダンディ。金は無い。そしてどこで覚えたのか上流階級の男の生き方を、ほんのり身につけている。アルドルフォ(スティーヴ・ブシェミ)は自称脚本家/映画監督。夢想の人。手元には8ミリの習作と書き上げた脚本が1本。(続きはこちらから)
◆「ウェディング・ベルを鳴らせ!」 監督:エミール・クストリッツァ|セルビア、フランス|2007年|
全編に流れるリズミカルなサウンドに乗れれば楽しい映画。そのファンキーさで体が自然に動くか否か、そのスタンスの差で評価が変わっちゃう映画。社内の3人が左右に体を揺すってる冒頭シーン。ここで監督はおっしゃってるのです。事前に読んだ、あらすじでストーリーを追いかける観かたをすると、つまんない映画になるって。だって、そもそも筋で観る映画じゃないからね。(続きはこちらから)
◆「エバースマイル、ニュージャージー」 監督:カルロス・ソリン|アルゼンチン、イギリス|1989年|
大笑いする類ではないですが、これも喜劇映画です。アルゼンチンはパタゴニアの雄大な景色を背景に繰り広げられる物語。「私は歯科医だ。虫歯菌と闘う。」 これがオコーネル医師の揺るぎないアイデンティティーだ。治療器具一式をバイクに積んで、荒涼とした辺境の地をひとり巡っている。村に入り無償で歯の治療をしたりと真面目で一徹な男。 「歯ブラシで、こうやって磨こう!」(続きはこちらから)
◆「キッチン・ストーリー」 監督:ベント・ハーメル|ノルウェー、スウェーデン|2002年|
北欧の、とても地味でスローな喜劇映画。凛とした空気のなかで紡ぎ出される細やかな情景と、歳を重ねた男の「不都合な友情」が描かれている。理想のダイニングキッチンのあり方を研究する、スウェーデンの家庭研究所という団体が映画の背景。調査のため、この研究所から一般家庭へ派遣された男と、調査対象になった男との交流が、奇妙な喜劇仕立てになっている。(続きはこちらから)
◆「黒猫・白猫」 監督:エミール・クストリッツァ|フランス、ドイツ、ユーゴスラビア|1998年|
クオリティが高い娯楽喜劇。2組の男女のラブストーリーです。ユーゴスラビアはドナウ河沿岸に住む、荒くれのジプシー・ギャングたちの悲喜こもごもを、常に前向きに明るく描きます。ダンサブルなジプシー音楽が常に流れる映画です。実に大勢の人々、たくさんの動物が登場する、賑やかでとてもクレージーな映画です。ハッピーエンドな最後まで130分間、一気にみせます。(続きはこちらから)
◆「クワイエット・ファミリー」 監督:キム・ジウン|韓国|1998年|
B級味のサスペンス・コメディ。笑えます。でも安っぽいのでご用心。喜劇を楽しむってのは、鑑賞力の柔軟さが意外に求められます。かつB級だから、あれこれ言っちゃいけない。そもそもストーリー自体、荒唐無稽だ。それを素直に楽めれば、いい映画になります。
(続きはこちらから)
◆「ゲンスブールと女たち」 監督:ジョアン・スファール|フランス、アメリカ|2011年|
しっかり作られた、いい映画。主人公は、フランスの著名なミュージシャン、セルジュ・ゲンスブール。恋多き波乱万丈の生涯を楽しく描きます。監督はフランスの漫画家で本作の原作者。だから伝記くさくない。娯楽映画に仕上がっています。セルジュ・ゲンスブールはソングライターで歌手。その性向は無頼で女好き。多くの曲を女性歌手に提供しフランスのポップスをリードしてきた男。(続きはこちらから)
◆「ゴーストワールド」 監督:テリー・ツワイゴフ|アメリカ|2001年|
いい映画。思いや考えをたくさん盛り込んでいるんだけれど整理しない。説明しない。主張しない、安易に解決もさせない。そんな見識の高さと、さりげなさ、引っ込み思案さが気に入っている。あらためて観てそう感じた。自分探しに出かけるまでには時間がかかる。高校を卒業したが旅立てない。自分の中で何かがある一定まで満たされてこないと、旅立つ準備のスイッチが入らない。(続きはこちらから)
◆「散歩する惑星」 監督:ロイ・アンダーソン|スウェーデン、フランス|2000年|
いい映画です。監督の頭の中にある映像がスタジオ内で忠実に再現されていく。その製作において「不可能なこと」に出くわすごとに、凝り性な監督はきっとワクワクするんだろう。大きなスクリーンで映画の隅から隅まで、じっくりながめたい。ワンシーンの中の各所で、いろんなことを言っている。恐ろしく緻密な作品だ。何度観ても、広い空間の、奥行きある空気感にしびれる!!(続きはこちらから)
◆「死の教室」 監督:アンジェイ・ワイダ|ポーランド|1976年|
ポーランド前衛の芝居を、そのままアンジェイ・ワイダが撮った、演劇ライブ映画。地下のワイン蔵といったようなところが演劇スペース。観客が席に着き客電が消え芝居が始まる。12名ほどの役者が教会の椅子席ように座っている。役者は機械仕掛けのようにギクシャクした身体の動き。脈絡の無いセリフが同時多発的に続く。ですが、何故かおもしろく観てしまう。(続きはこちらから)
◆「スーパー!」 監督:ジェームズ・ガン|アメリカ|2010年|
少々アクの強い喜劇。うだつの上がらない男が狂気を伴いながらも笑いを誘う映画。アメコミに登場する架空のヒーローのような男・フランクは、実在の人間なだけにスーパーパワーも特技もない。だが、今日もコスチュームに着替えて、悪をやっつけに街へ出る。その名は(自称)「クリムゾンボルト」 そもそも、フランクが「クリムゾンボルト」に変身するに至った経緯はこうだ。(続きはこちらから)
◆「スクリーミング・マッド・ジョージの BOY IN THE BOX」監督:S・マッド・ジョージ|アメリカ|2005年|
主人公の長男の目を通して語られる、シュールな家族のえげつない日々。なにしろ、ママは頭が花咲く植木鉢、パパは頭が電球、セクシーな姉貴の頭はテレビ、唯一無口な弟はセロハンテープ。そして主人公の長男はと言うと、生まれた時から箱の中。食事中は鑑賞を避けた方がいいシーンがある。(続きはこちらから)
◆「スナッチ」 監督:ガイ・リッチー|イギリス|2000年|
これは大変な映画ですよ。ノリについて行くだけで精一杯。軽く見てたら振り落とされる。思いっきり笑えます! 英国の裏社会が舞台。冒頭からラストまで、アクセル踏み込みっぱなしのストーリー展開。それでいてお茶目なシーンが随所に。86カラットのダイヤと、裏社会が仕切るギャンブルのための非公開ボクシング試合、そして八百長を柱に、多くの男達が暗躍する映画。(続きはこちらから)
◆「台湾の暇人」 監督:アーサー・チュー|台湾|1997年|
台湾の郊外を舞台に3組の男女が繰り広げる、おバカでハチャメチャな話。三つの話、初めは無関係、そののち徐々に関係し合い、そして絡み合い、ラストで合体! 一話の季節は夏。新築マンションの近辺は、まだ人けがない。周囲は夜になると、真っ暗。でも、窓を開け放つと気持ちいい風。この夫婦は友達夫婦で仲はいいが、夫の方は倦怠期に入っている。妻がせがんでも寝てしまう。(続きはこちらから)
◆「妻の愛人に会う」 監督:キム・テシク|韓国|2006年|
妻を寝取られた男と、寝取った男、このふたりの面白おかしい真夏のロードムービー。寝取られた男キム・テハンは、タクシー運転手のパク・チュンシク(妻の愛人)を、ソウルの街で探し出し、素知らぬ顔でそのタクシーの客となる。向かう先はテハンが住む町、江原道の海辺。つまりソウルから韓国の東海岸までの長距離タクシーだ。このドライブ中にふたりの間に、何やら・・・(続きはこちらから)
◆「どつかれてアンダルシア (仮)」 監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア|スペイン|1999年|
B級映画です。好き・嫌いが大きく分かれるアクの強い映画です。嫌悪感に至るかも。ニノ&ブルーノという、スペインの「どつき漫才コンビ」がスターダムを駆け上がり、そして10年続いたコンビを解消。さらに10年経て一時だけの再結成をした、そのステージで意外なことが起こります。ニノはボケ役・殴られ役・無口・実は漫才の天才肌。ブルーノはツッコミ役・口数多く・女好きで(続きはこちらから)
◆「ナポレオン・ダイナマイト (バス男)」 監督:ジャレッド・ヘス|アメリカ|2004年|
アメリカのアイダホ州にある小さな町に住む、ナポレオン・ダイナマイトという高校生の可笑しなお話。ナポレオンは、ルックスも頭も良いとは言えず、女の子の人気もない。両親もいない。これといった望みや金もなく、すでに人生あきらめが先行、だら~っとボンヤリの日々。唯一の友人は学友ペドロだ。そんなある日、ふたつの事件が起きる。(続きはこちらから)
◆「バーバー」 監督:ジョエル・コーエン|アメリカ|2001年|
おもてなしに腐心する映画じゃない。起伏に乏しいサスペンスですが・・・。主人公は目立たない男エド。彼の人生選択は風向きに委ねる。あるいは他人が決めたことに従う。つまり逆らわず成り行きで生きて来た。そんな彼が自らの意思で行動した三つのことが事件となって行く。喜劇的とまでは言わないが、悲劇的ではない喜劇映画。この素敵な立ち位置が、この映画をいいものにしている。(続きはこちらから)
◆「博士の異常な愛情」 監督:スタンリー・キューブリック|アメリカ|1964年|
いい映画。一気に見終える、大人の喜劇。国家間の事柄から個人の内面までと、扱う世界が広く大きいのもいい。米ソが激しく対峙する冷戦時代の話。アメリカはソ連の「奇襲」核攻撃を一番に恐れていた。米空軍は、ソ連周辺に、核爆弾を搭載した戦略爆撃機B52、34機を常時飛ばし、いつか必ず実行すべき「報復」核攻撃の態勢を敷いていた。B52の攻撃対象は、もちろん・・・(続きはこちらから)
◆「ハックル」 監督:パールフィ・ジョルジ|ハンガリー|2002年|
いい映画です。ハンガリーの小さな農村、そこで進行する複数の毒殺サスペンス。ただし、普通の娯楽作品とはだいぶ異なります。映画は、村人達の極々普通の日常生活の仔細や、村に生きる動植物の生態を、ミクロの視点で複眼的にドキュメンタリー風に描いています。(続きはこちらから)
◆「バッファロー'66」 監督:ヴィンセント・ギャロ|1998年|アメリカ|
自分を探すという難問を解決する糸口は、自分を知ってくれる相手を見つけることから、かもしれない。いい映画だ。こういう映画に遭遇すると、ああ映画観ていて良かったな、と思わせてくれて嬉しい。目だったコミカルさは、まったくないですが、これは喜劇映画ですよ。くれぐれも、重~い辛~い映画!と勘違いしないでね。(続きはこちらから)
◆「ハネムーン・キラーズ」 監督:レナード・カッスル|アメリカ|1970年|
一組の男女による連続殺人事件のお話。1940年代に実際に起こった事件らしい。看護師長のマーサは男勝りの独身。しかし、いくらなんでも、もう・・・と、友達が気を利かせ、(お相手探し専門の)文通クラブをすすめた。もちろん、独身中高年対象のクラブだ。しばらくしてレイという男から手紙が来た。ふたりは会う。優しいイケメン、ニューヨークに住む浅黒いスペイン系だ。(続きはこちらから)
◆「パラダイス 愛」 監督:ウルリッヒ・ザイドル|オーストリア・ドイツ・フランス|2012年|
普通のオーストリアのおばさんが、アフリカのリゾート地へ、軽~く遊びに行く話。その遊びとは、アフリカの若い男たちとセックスすること。ウィーンで娘とふたり暮らしの、50過ぎのテレサは、中産階級の真面目なおばさん。そのおばさんの愛のパラダイスを描く映画。ここは、白人観光客だけの海辺のリゾートホテル。(続きはこちらから)
◆「パラダイス 神」 監督:ウルリッヒ・ザイドル|オーストリア・ドイツ・フランス|2012年|
宗教をテーマにする、かなりビターな喜劇です。人の業と言いましょうか。映画は、コミカルな語り口を忘れずに、人の業をえぐり出します。このコミカルさの妙味がピンと来ないと、ただ重いだけの映画になります。大きな病院でレントゲン技師として勤務するアンナ・マリア。敬虔なカトリック信者だ。緑多いウィーン郊外の一軒家に住んでいる。ひとりが住むには、相当に広い家だ。(続きはこちらから)
◆「ハリウッドホンコン」 監督:フルーツ・チャン|フランス、香港、日本|2001年|
人と豚。擦れ合う肌。食う肉、食われる肉。人の片腕は夜空を飛び、めいめいの憂さは、ブランコ大きく振って振り落とせ。再開発が決まっている、香港の不法な密集住宅地区ダイホム・ビレッジ。様々な人々が、生活の場を追い立てられようとしている。一方、そんな事は我関せずで、黙々と商売に励む人たちもいる。そんなかのひとり、焼き豚製造販売のチュウは・・・。(続きはこちらから)
◆「パンチドランク・ラブ 」 監督:ポール・トーマス・アンダーソン|アメリカ|2002年|
変な映画だ。お話が2層になっていて相互に、あまり関連しない。ですが、主役バリーの人物設定がうまいのか、主役俳優アダム・サンドラーの演技力のせいか、違和感なく楽しめる。バリーは真面目で穏やか。姉が数人いる末っ子の長男。小さい頃から姉たちに、口やかましい程にからかわれて育ってきた。だから屈折した女性恐怖症。そして自閉症気味。発達障害かもしれない。(続きはこちらから)
◆「ひなぎく」 監督:ヴェラ・ヒティロヴァ|チェコスロヴァキア|1966年|
枠にとらわれず観たい映画。年齢で言えば50歳近い映画だが、以前に観た時より若くみえる。今回そう感じた。チェコスロヴァキア当局や軍を「男の象徴」に置き換えてみせている。主人公の姉妹は、おどけながら そんな男を次々に挑発し、とりわけ偉そうな年配をターゲットにして、男はまんまと手玉に取られる。基本、こんな話、ストーリーはほぼ無いが。(続きはこちらから)
◆「不思議惑星キン・ザ・ザ」 監督:ゲオルギー・ダネリア|ソ連|1986年|
ソ連の男ふたりが、ふとしたことで瞬間移動し、遙か彼方の惑星に迷い込んでの珍騒動を、ゆっくりした展開で牧歌的に描いた喜劇。
ソ連共産党特権階級と官憲に対する批判を読み解きながらも、話は奇天烈で可笑しいシーンでゆるく笑える映画です。(続きはこちらから)
◆「ブラック・ムーン」 監督:ルイ・マル|フランス・西ドイツ|1975年|
森の中の「3びきの熊」の家は留守、そっと侵入し飲み食いする女の子。そして「不思議の国のアリス」のように動物が話しかけてくる。怖い女王に出会い素早い走りで危機を脱出。こんな話を下敷きに話は展開する。リリーは田舎道をドライブ中、突然、戦争状態のこの場に出くわす。辺りを見回しながらリリーは感じた。何か変。どうも現代じゃない。目の前をユニコーンが通り過ぎる。(続きはこちらから)
◆「ほえる犬は噛まない」 監督: ポン・ジュノ|2000年|韓国|
いい映画だ。好きな映画です。話の始まりはいたって普通で、何もどこも奇をてらってない。じゃ~つまんねぇか、というとこれが、徐々に話がねじれて行ってすごく面白い。犬に話がまとまっていく。超ヒマな管理事務所、表向きペット不可のマンション規定、犬嫌いなペイペイ講師、フラストレーション、犬を屋上から落とす残虐さ、それを見てしまう主人公ヒョンナムと親友は・・・(続きはこちらから)
◆「マルコヴィッチの穴」 監督:スパイク・ジョーンズ|アメリカ|1999年|
いい喜劇映画だが、なかなか難しい。話の立ち上がりが緩慢で、やっと中盤くらいになって話を理解する手がかりが紹介される、それも散発的に語られるので、しっかり観てないと、どうなってんだか分からなくなる。そんな意地悪な仕掛けの映画だが、実に面白い!! 観る者の集中力が、どこで途絶えるかによって、感想が分かれる。(続きはこちらから)
◆「みなさん、さようなら」 監督:ドゥニ・アルカン|カナダ、フランス|2003年|
末期がんと診断された父親レミとその家族、そして面会に来た愛人と旧友たち、それぞれの振る舞いを愛情深く、かつカラッとコミカルに描いた大人の「おとぎ話」。舞台はカナダのモントリオールです。加えて、反りが合わず互いの思いを素直に語れなかった父と息子の信頼回復、また父親レミと愛人との間にできた娘ナタリーに、生きる張り合いが生まれたことが語られる。(続きはこちらから)
◆「ミリオンズ」 監督:ダニー・ボイル |イギリス、アメリカ|2004年|
イギリスがユーロ市場圏加入直前の頃のお話。ポンド/ユーロの通貨移行で慌しい年末に、ダミアン少年の前に22万ポンドが詰まった大きなバッグが、空から落ちてきた。フランスはフランと別れ、ドイツはマルクとさようなら、ポルトガルも何とかという通貨と別れた。今度は僕らがポンドと別れる。さようなら! さてさて、話はどう展開しますか・・・(続きはこちらから)
◆「ミルクのお値段」 監督:ハリー・シンクレア|ニュージーランド|2000年|
ほかに無い、ちょっと不思議な、おとぎ話です。ニュージーランドの緑の大草原にある牧場。見渡す限り人はいない。酪農を営むルシンダとロブは幸せに暮らしています。働き者のルシンダ、明るくお茶目で変わり者なロブ。ふたりは誰よりも幸せです。しかし、この大草原にはアダムとイブのように2人だけが住んでいるわけではなかった。魔女がいたのです。話は、ここからどんどん・・・(続きはこちらから)
◆「森の中の淑女たち」 監督:シンシア・スコット|カナダ|1990年|
いいね。7人のばあさん達が貸切バスに乗って日帰りピクニックへ出発した。ところが森の中の、誰も知らない林道でバスが故障、修理不能とわかる。彼女達は湖畔にある廃屋の別荘で夜露をしのぐことに。食材を探し等で知恵を出し合い1週間ほどを、ここで過ごす話。ストーリー性もないこんな題材が映画になってしまうマジック! 映画の面白みを存分に味わってみて。(続きはこちらから)
◆「ゆずれない事」 監督:ペーター・フィッシュリ、ダヴィッド・ヴァイス|スイス|1981年|
ネズミとパンダは腐れ縁。ともに無職。ネズミは、まじめで一途な性格。パンダは、自分の手を汚さずに相手を利用して、お気軽に生きていきたいタイプ。だが、この現代社会はそうそう、お気楽にできない。一方、ネズミ的な性格は機転が利かず、ひとりじゃ損をする。だから、ネズミはパンダに付かず離れず付き合ってる。まそんなわけで、お互い腐れ縁。大人のお話。(続きはこちらから)
◆「ラスベガスをやっつけろ」 監督:テリー・ギリアム|アメリカ|1998年|
笑える映画です。ラスベガス近郊の砂漠で開催される恒例のオートバイ・レース。スポーツ記者のラウル・デューク(ジョニー・デップ)とドクター・ゴンゾーも、まっ赤なオープンカーでラスベガスを目指している。すでに強烈にラリパッパ状態のふたりは楽しそう。大麻・LSD・コカイン・メスカリン、果てはエーテルなど、ありとあらゆるドラッグに身を任せ、車は一路、ラスベガスへ疾走中。(続きはこちらから)
◆「ラテンアメリカ 光と影の詩」 監督:フェルナンド・E・ソラナス|アルゼンチン、フランス|1992年|
あまりお薦めしない映画だ。でも面白い。アルゼンチンのフエゴ島の朝の天気予報には、傾斜注意報がある。「今日は島全体が、右に32度、傾くでしょう」 そして島が傾斜しだすとさあ大変。教会の鐘も勝手に鳴る。この映画、ビジュアルな印象的シーンや不条理的記号が、あちこちに出てくる。そこが見どころか。つまらなさの、その向こうにあるおとぎ話を聞きましょう。(続きはこちらから)
◆「ルナ・パパ」 監督:バフティヤル・フドイナザーロフ|ドイツ、オーストリアほか|1999年|
明るくカラッとした強烈ドタバタ喜劇。そして、スピード感と広大な大地のスケール感がこの映画の魅力。また、たくさんのエピソード・シーンが、ていねいなモザイク模様になっているのが万華鏡のよう。中央アジアのタジキスタンでのお話。17歳の娘マムラカットが主人公。母を亡くし、父と兄の三人家族。マムラカットは芝居好きで女優になりたい。旅回りの劇団が来ると、気もそぞろ。(続きはこちらから)
◆「レポマン」 監督:アレックス・コックス|アメリカ|1984年|
その車のリアトランク、開けちゃいけない! バシッ! 一瞬の閃光で、蒸発しなかったのは、警察官の足だけだった。危険なその車を運転しているのは、気のふれた、この科学者だ。閃光を発した「得体のしれないモノ」は、軍事施設から、この科学者が無断で運び出したモノ。軍事施設とはたぶんエリア51。宇宙人やUFO研究で有名なアメリカの最高機密軍事施設だ。そして、(続きはこちらから)
◆「ローズ・イン・タイドランド」 監督:テリー・ギリアム|イギリス、カナダ|2005年|
誰でも心の中に、いくつかの顔を持っている。そのどれかが、つぶやき、次の瞬間、別の顔が「そうじゃないでしょ!」と異を唱える。めったに顔を出さない顔もある。10歳の少女ローズの心には5人のローズがいて、うち4人を4体のバービー人形に割り当てている。心の葛藤を内在化しないで済む、うまい心の発散方法だ。バービー人形に体はいらない、ローズは人形の頭だけでいい(続きはこちらから)
◆「ロードキル」 監督:ブルース・マクドナルド|カナダ |1989年|
カナダのロードムービー。B級だ。2流のロックバンド「パラダイス」が国内ツアー中に行方不明、音沙汰なし。マネージャーは怒りまくる。どこに問い合わせてもバンドの行方を誰も知らない。怒りの余波が女性主人公に及ぶ。お前が探して来い! 行くわよ、やるわ!タクシーを拾い、当ても無くハイウェイを飛ばす。走り去る風景をぼんやり眺める。最初っから本気で探す気は無い。(続きはこちらから)
◆「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」 監督: ガイ・リッチー|イギリス|1998年|
ロンドンのイーストエンドの顔役ハリーは、カード賭博と、闇の賭けボクシングでのしてきたボス。古典派勢力ではあるが、近年ポルノショップも手がける。一方、麻薬流通密売のボス、ロリーは若く頭が切れる新興勢力。アフリカ大陸の臭いがする。そんな街で主人公エディたち、中途半端な若者4人とギャングとのえらいこっちゃなお話が始まる。(続きはこちらから)
いや、二ひねり三ひねりさせた、私の大好きな、ちょっと変な洋画特集です。(50音順)

この映画は実話だ。ハーヴェイ・ピーカー36歳、バツ2。後にカルト的人気となる漫画家のサクセスストーリーだが、本人が二癖三癖の人物だけに、話は全く「アメリカンっぽくない」サクセスストーリーだ。
彼は変人だ。偏屈とも言う。××なヤツの代表選手である。そして無類のつぶやき男だ。(続きはこちらから)

観客席にちんまり座って、この映画を首から上で理解しようとすると、はじき飛ばされる。からだを使って全身でヅーンと受け止める映画です。そう観客はプロレスのリングサイドにいると思えば、臨場感が増す。但しロマ・ブラスバンドのサウンドが炸裂するので要注意。映画は我々をあおってきます!(続きはこちらから)

スウェーデンの人々は、てっきり幸せだと思ってた。だけどほんとは、みんなポツンと孤独。そして、とても真面目で一生懸命だ。監督は、そんな人々をこよなく愛おしみながらも一方で、観客をオチャメにそっとくすぐり、私たちはくすぐられて、苦っと笑う。そんな映画。短いエピソードが、次から次に、無秩序に脈略なく続く。(続きはこちらから)

実にいい映画だ。 上質な喜劇です。一見、素っ気ないまでの態度を示す作品かも知れない。しかし、そう感じるとすれば それは、手取り足取りサービス過剰な映像の観すぎだろう。「愛しのタチアナ」、この映画の完成度は、もうすでに様式美の領域にある。
(続きはこちらから)

ニューヨークの下町。ジョーじいさん(シーモア・カッセル)は、いい歳して女たらしでウサン臭いが、笑顔でダンディ。金は無い。そしてどこで覚えたのか上流階級の男の生き方を、ほんのり身につけている。アルドルフォ(スティーヴ・ブシェミ)は自称脚本家/映画監督。夢想の人。手元には8ミリの習作と書き上げた脚本が1本。(続きはこちらから)

全編に流れるリズミカルなサウンドに乗れれば楽しい映画。そのファンキーさで体が自然に動くか否か、そのスタンスの差で評価が変わっちゃう映画。社内の3人が左右に体を揺すってる冒頭シーン。ここで監督はおっしゃってるのです。事前に読んだ、あらすじでストーリーを追いかける観かたをすると、つまんない映画になるって。だって、そもそも筋で観る映画じゃないからね。(続きはこちらから)

大笑いする類ではないですが、これも喜劇映画です。アルゼンチンはパタゴニアの雄大な景色を背景に繰り広げられる物語。「私は歯科医だ。虫歯菌と闘う。」 これがオコーネル医師の揺るぎないアイデンティティーだ。治療器具一式をバイクに積んで、荒涼とした辺境の地をひとり巡っている。村に入り無償で歯の治療をしたりと真面目で一徹な男。 「歯ブラシで、こうやって磨こう!」(続きはこちらから)

北欧の、とても地味でスローな喜劇映画。凛とした空気のなかで紡ぎ出される細やかな情景と、歳を重ねた男の「不都合な友情」が描かれている。理想のダイニングキッチンのあり方を研究する、スウェーデンの家庭研究所という団体が映画の背景。調査のため、この研究所から一般家庭へ派遣された男と、調査対象になった男との交流が、奇妙な喜劇仕立てになっている。(続きはこちらから)

クオリティが高い娯楽喜劇。2組の男女のラブストーリーです。ユーゴスラビアはドナウ河沿岸に住む、荒くれのジプシー・ギャングたちの悲喜こもごもを、常に前向きに明るく描きます。ダンサブルなジプシー音楽が常に流れる映画です。実に大勢の人々、たくさんの動物が登場する、賑やかでとてもクレージーな映画です。ハッピーエンドな最後まで130分間、一気にみせます。(続きはこちらから)

B級味のサスペンス・コメディ。笑えます。でも安っぽいのでご用心。喜劇を楽しむってのは、鑑賞力の柔軟さが意外に求められます。かつB級だから、あれこれ言っちゃいけない。そもそもストーリー自体、荒唐無稽だ。それを素直に楽めれば、いい映画になります。
(続きはこちらから)

しっかり作られた、いい映画。主人公は、フランスの著名なミュージシャン、セルジュ・ゲンスブール。恋多き波乱万丈の生涯を楽しく描きます。監督はフランスの漫画家で本作の原作者。だから伝記くさくない。娯楽映画に仕上がっています。セルジュ・ゲンスブールはソングライターで歌手。その性向は無頼で女好き。多くの曲を女性歌手に提供しフランスのポップスをリードしてきた男。(続きはこちらから)

いい映画。思いや考えをたくさん盛り込んでいるんだけれど整理しない。説明しない。主張しない、安易に解決もさせない。そんな見識の高さと、さりげなさ、引っ込み思案さが気に入っている。あらためて観てそう感じた。自分探しに出かけるまでには時間がかかる。高校を卒業したが旅立てない。自分の中で何かがある一定まで満たされてこないと、旅立つ準備のスイッチが入らない。(続きはこちらから)

いい映画です。監督の頭の中にある映像がスタジオ内で忠実に再現されていく。その製作において「不可能なこと」に出くわすごとに、凝り性な監督はきっとワクワクするんだろう。大きなスクリーンで映画の隅から隅まで、じっくりながめたい。ワンシーンの中の各所で、いろんなことを言っている。恐ろしく緻密な作品だ。何度観ても、広い空間の、奥行きある空気感にしびれる!!(続きはこちらから)

ポーランド前衛の芝居を、そのままアンジェイ・ワイダが撮った、演劇ライブ映画。地下のワイン蔵といったようなところが演劇スペース。観客が席に着き客電が消え芝居が始まる。12名ほどの役者が教会の椅子席ように座っている。役者は機械仕掛けのようにギクシャクした身体の動き。脈絡の無いセリフが同時多発的に続く。ですが、何故かおもしろく観てしまう。(続きはこちらから)

少々アクの強い喜劇。うだつの上がらない男が狂気を伴いながらも笑いを誘う映画。アメコミに登場する架空のヒーローのような男・フランクは、実在の人間なだけにスーパーパワーも特技もない。だが、今日もコスチュームに着替えて、悪をやっつけに街へ出る。その名は(自称)「クリムゾンボルト」 そもそも、フランクが「クリムゾンボルト」に変身するに至った経緯はこうだ。(続きはこちらから)

主人公の長男の目を通して語られる、シュールな家族のえげつない日々。なにしろ、ママは頭が花咲く植木鉢、パパは頭が電球、セクシーな姉貴の頭はテレビ、唯一無口な弟はセロハンテープ。そして主人公の長男はと言うと、生まれた時から箱の中。食事中は鑑賞を避けた方がいいシーンがある。(続きはこちらから)

これは大変な映画ですよ。ノリについて行くだけで精一杯。軽く見てたら振り落とされる。思いっきり笑えます! 英国の裏社会が舞台。冒頭からラストまで、アクセル踏み込みっぱなしのストーリー展開。それでいてお茶目なシーンが随所に。86カラットのダイヤと、裏社会が仕切るギャンブルのための非公開ボクシング試合、そして八百長を柱に、多くの男達が暗躍する映画。(続きはこちらから)

台湾の郊外を舞台に3組の男女が繰り広げる、おバカでハチャメチャな話。三つの話、初めは無関係、そののち徐々に関係し合い、そして絡み合い、ラストで合体! 一話の季節は夏。新築マンションの近辺は、まだ人けがない。周囲は夜になると、真っ暗。でも、窓を開け放つと気持ちいい風。この夫婦は友達夫婦で仲はいいが、夫の方は倦怠期に入っている。妻がせがんでも寝てしまう。(続きはこちらから)

妻を寝取られた男と、寝取った男、このふたりの面白おかしい真夏のロードムービー。寝取られた男キム・テハンは、タクシー運転手のパク・チュンシク(妻の愛人)を、ソウルの街で探し出し、素知らぬ顔でそのタクシーの客となる。向かう先はテハンが住む町、江原道の海辺。つまりソウルから韓国の東海岸までの長距離タクシーだ。このドライブ中にふたりの間に、何やら・・・(続きはこちらから)

B級映画です。好き・嫌いが大きく分かれるアクの強い映画です。嫌悪感に至るかも。ニノ&ブルーノという、スペインの「どつき漫才コンビ」がスターダムを駆け上がり、そして10年続いたコンビを解消。さらに10年経て一時だけの再結成をした、そのステージで意外なことが起こります。ニノはボケ役・殴られ役・無口・実は漫才の天才肌。ブルーノはツッコミ役・口数多く・女好きで(続きはこちらから)

アメリカのアイダホ州にある小さな町に住む、ナポレオン・ダイナマイトという高校生の可笑しなお話。ナポレオンは、ルックスも頭も良いとは言えず、女の子の人気もない。両親もいない。これといった望みや金もなく、すでに人生あきらめが先行、だら~っとボンヤリの日々。唯一の友人は学友ペドロだ。そんなある日、ふたつの事件が起きる。(続きはこちらから)

おもてなしに腐心する映画じゃない。起伏に乏しいサスペンスですが・・・。主人公は目立たない男エド。彼の人生選択は風向きに委ねる。あるいは他人が決めたことに従う。つまり逆らわず成り行きで生きて来た。そんな彼が自らの意思で行動した三つのことが事件となって行く。喜劇的とまでは言わないが、悲劇的ではない喜劇映画。この素敵な立ち位置が、この映画をいいものにしている。(続きはこちらから)

いい映画。一気に見終える、大人の喜劇。国家間の事柄から個人の内面までと、扱う世界が広く大きいのもいい。米ソが激しく対峙する冷戦時代の話。アメリカはソ連の「奇襲」核攻撃を一番に恐れていた。米空軍は、ソ連周辺に、核爆弾を搭載した戦略爆撃機B52、34機を常時飛ばし、いつか必ず実行すべき「報復」核攻撃の態勢を敷いていた。B52の攻撃対象は、もちろん・・・(続きはこちらから)

いい映画です。ハンガリーの小さな農村、そこで進行する複数の毒殺サスペンス。ただし、普通の娯楽作品とはだいぶ異なります。映画は、村人達の極々普通の日常生活の仔細や、村に生きる動植物の生態を、ミクロの視点で複眼的にドキュメンタリー風に描いています。(続きはこちらから)

自分を探すという難問を解決する糸口は、自分を知ってくれる相手を見つけることから、かもしれない。いい映画だ。こういう映画に遭遇すると、ああ映画観ていて良かったな、と思わせてくれて嬉しい。目だったコミカルさは、まったくないですが、これは喜劇映画ですよ。くれぐれも、重~い辛~い映画!と勘違いしないでね。(続きはこちらから)

一組の男女による連続殺人事件のお話。1940年代に実際に起こった事件らしい。看護師長のマーサは男勝りの独身。しかし、いくらなんでも、もう・・・と、友達が気を利かせ、(お相手探し専門の)文通クラブをすすめた。もちろん、独身中高年対象のクラブだ。しばらくしてレイという男から手紙が来た。ふたりは会う。優しいイケメン、ニューヨークに住む浅黒いスペイン系だ。(続きはこちらから)

普通のオーストリアのおばさんが、アフリカのリゾート地へ、軽~く遊びに行く話。その遊びとは、アフリカの若い男たちとセックスすること。ウィーンで娘とふたり暮らしの、50過ぎのテレサは、中産階級の真面目なおばさん。そのおばさんの愛のパラダイスを描く映画。ここは、白人観光客だけの海辺のリゾートホテル。(続きはこちらから)

宗教をテーマにする、かなりビターな喜劇です。人の業と言いましょうか。映画は、コミカルな語り口を忘れずに、人の業をえぐり出します。このコミカルさの妙味がピンと来ないと、ただ重いだけの映画になります。大きな病院でレントゲン技師として勤務するアンナ・マリア。敬虔なカトリック信者だ。緑多いウィーン郊外の一軒家に住んでいる。ひとりが住むには、相当に広い家だ。(続きはこちらから)

人と豚。擦れ合う肌。食う肉、食われる肉。人の片腕は夜空を飛び、めいめいの憂さは、ブランコ大きく振って振り落とせ。再開発が決まっている、香港の不法な密集住宅地区ダイホム・ビレッジ。様々な人々が、生活の場を追い立てられようとしている。一方、そんな事は我関せずで、黙々と商売に励む人たちもいる。そんなかのひとり、焼き豚製造販売のチュウは・・・。(続きはこちらから)

変な映画だ。お話が2層になっていて相互に、あまり関連しない。ですが、主役バリーの人物設定がうまいのか、主役俳優アダム・サンドラーの演技力のせいか、違和感なく楽しめる。バリーは真面目で穏やか。姉が数人いる末っ子の長男。小さい頃から姉たちに、口やかましい程にからかわれて育ってきた。だから屈折した女性恐怖症。そして自閉症気味。発達障害かもしれない。(続きはこちらから)

枠にとらわれず観たい映画。年齢で言えば50歳近い映画だが、以前に観た時より若くみえる。今回そう感じた。チェコスロヴァキア当局や軍を「男の象徴」に置き換えてみせている。主人公の姉妹は、おどけながら そんな男を次々に挑発し、とりわけ偉そうな年配をターゲットにして、男はまんまと手玉に取られる。基本、こんな話、ストーリーはほぼ無いが。(続きはこちらから)

ソ連の男ふたりが、ふとしたことで瞬間移動し、遙か彼方の惑星に迷い込んでの珍騒動を、ゆっくりした展開で牧歌的に描いた喜劇。
ソ連共産党特権階級と官憲に対する批判を読み解きながらも、話は奇天烈で可笑しいシーンでゆるく笑える映画です。(続きはこちらから)

森の中の「3びきの熊」の家は留守、そっと侵入し飲み食いする女の子。そして「不思議の国のアリス」のように動物が話しかけてくる。怖い女王に出会い素早い走りで危機を脱出。こんな話を下敷きに話は展開する。リリーは田舎道をドライブ中、突然、戦争状態のこの場に出くわす。辺りを見回しながらリリーは感じた。何か変。どうも現代じゃない。目の前をユニコーンが通り過ぎる。(続きはこちらから)

いい映画だ。好きな映画です。話の始まりはいたって普通で、何もどこも奇をてらってない。じゃ~つまんねぇか、というとこれが、徐々に話がねじれて行ってすごく面白い。犬に話がまとまっていく。超ヒマな管理事務所、表向きペット不可のマンション規定、犬嫌いなペイペイ講師、フラストレーション、犬を屋上から落とす残虐さ、それを見てしまう主人公ヒョンナムと親友は・・・(続きはこちらから)

いい喜劇映画だが、なかなか難しい。話の立ち上がりが緩慢で、やっと中盤くらいになって話を理解する手がかりが紹介される、それも散発的に語られるので、しっかり観てないと、どうなってんだか分からなくなる。そんな意地悪な仕掛けの映画だが、実に面白い!! 観る者の集中力が、どこで途絶えるかによって、感想が分かれる。(続きはこちらから)

末期がんと診断された父親レミとその家族、そして面会に来た愛人と旧友たち、それぞれの振る舞いを愛情深く、かつカラッとコミカルに描いた大人の「おとぎ話」。舞台はカナダのモントリオールです。加えて、反りが合わず互いの思いを素直に語れなかった父と息子の信頼回復、また父親レミと愛人との間にできた娘ナタリーに、生きる張り合いが生まれたことが語られる。(続きはこちらから)

イギリスがユーロ市場圏加入直前の頃のお話。ポンド/ユーロの通貨移行で慌しい年末に、ダミアン少年の前に22万ポンドが詰まった大きなバッグが、空から落ちてきた。フランスはフランと別れ、ドイツはマルクとさようなら、ポルトガルも何とかという通貨と別れた。今度は僕らがポンドと別れる。さようなら! さてさて、話はどう展開しますか・・・(続きはこちらから)

ほかに無い、ちょっと不思議な、おとぎ話です。ニュージーランドの緑の大草原にある牧場。見渡す限り人はいない。酪農を営むルシンダとロブは幸せに暮らしています。働き者のルシンダ、明るくお茶目で変わり者なロブ。ふたりは誰よりも幸せです。しかし、この大草原にはアダムとイブのように2人だけが住んでいるわけではなかった。魔女がいたのです。話は、ここからどんどん・・・(続きはこちらから)

いいね。7人のばあさん達が貸切バスに乗って日帰りピクニックへ出発した。ところが森の中の、誰も知らない林道でバスが故障、修理不能とわかる。彼女達は湖畔にある廃屋の別荘で夜露をしのぐことに。食材を探し等で知恵を出し合い1週間ほどを、ここで過ごす話。ストーリー性もないこんな題材が映画になってしまうマジック! 映画の面白みを存分に味わってみて。(続きはこちらから)

ネズミとパンダは腐れ縁。ともに無職。ネズミは、まじめで一途な性格。パンダは、自分の手を汚さずに相手を利用して、お気軽に生きていきたいタイプ。だが、この現代社会はそうそう、お気楽にできない。一方、ネズミ的な性格は機転が利かず、ひとりじゃ損をする。だから、ネズミはパンダに付かず離れず付き合ってる。まそんなわけで、お互い腐れ縁。大人のお話。(続きはこちらから)

笑える映画です。ラスベガス近郊の砂漠で開催される恒例のオートバイ・レース。スポーツ記者のラウル・デューク(ジョニー・デップ)とドクター・ゴンゾーも、まっ赤なオープンカーでラスベガスを目指している。すでに強烈にラリパッパ状態のふたりは楽しそう。大麻・LSD・コカイン・メスカリン、果てはエーテルなど、ありとあらゆるドラッグに身を任せ、車は一路、ラスベガスへ疾走中。(続きはこちらから)

あまりお薦めしない映画だ。でも面白い。アルゼンチンのフエゴ島の朝の天気予報には、傾斜注意報がある。「今日は島全体が、右に32度、傾くでしょう」 そして島が傾斜しだすとさあ大変。教会の鐘も勝手に鳴る。この映画、ビジュアルな印象的シーンや不条理的記号が、あちこちに出てくる。そこが見どころか。つまらなさの、その向こうにあるおとぎ話を聞きましょう。(続きはこちらから)

明るくカラッとした強烈ドタバタ喜劇。そして、スピード感と広大な大地のスケール感がこの映画の魅力。また、たくさんのエピソード・シーンが、ていねいなモザイク模様になっているのが万華鏡のよう。中央アジアのタジキスタンでのお話。17歳の娘マムラカットが主人公。母を亡くし、父と兄の三人家族。マムラカットは芝居好きで女優になりたい。旅回りの劇団が来ると、気もそぞろ。(続きはこちらから)

その車のリアトランク、開けちゃいけない! バシッ! 一瞬の閃光で、蒸発しなかったのは、警察官の足だけだった。危険なその車を運転しているのは、気のふれた、この科学者だ。閃光を発した「得体のしれないモノ」は、軍事施設から、この科学者が無断で運び出したモノ。軍事施設とはたぶんエリア51。宇宙人やUFO研究で有名なアメリカの最高機密軍事施設だ。そして、(続きはこちらから)

誰でも心の中に、いくつかの顔を持っている。そのどれかが、つぶやき、次の瞬間、別の顔が「そうじゃないでしょ!」と異を唱える。めったに顔を出さない顔もある。10歳の少女ローズの心には5人のローズがいて、うち4人を4体のバービー人形に割り当てている。心の葛藤を内在化しないで済む、うまい心の発散方法だ。バービー人形に体はいらない、ローズは人形の頭だけでいい(続きはこちらから)

カナダのロードムービー。B級だ。2流のロックバンド「パラダイス」が国内ツアー中に行方不明、音沙汰なし。マネージャーは怒りまくる。どこに問い合わせてもバンドの行方を誰も知らない。怒りの余波が女性主人公に及ぶ。お前が探して来い! 行くわよ、やるわ!タクシーを拾い、当ても無くハイウェイを飛ばす。走り去る風景をぼんやり眺める。最初っから本気で探す気は無い。(続きはこちらから)

ロンドンのイーストエンドの顔役ハリーは、カード賭博と、闇の賭けボクシングでのしてきたボス。古典派勢力ではあるが、近年ポルノショップも手がける。一方、麻薬流通密売のボス、ロリーは若く頭が切れる新興勢力。アフリカ大陸の臭いがする。そんな街で主人公エディたち、中途半端な若者4人とギャングとのえらいこっちゃなお話が始まる。(続きはこちらから)
【 一夜一話の歩き方 】
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