映画 「あの娘と自転車に乗って」  キルギス共和国の映画 監督:アクタン・アリム・クバト

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1-0_201604191516256f4.jpg 北の隣国カザフスタン、南東は天山山脈を挟んで中国を隣国とする国、キルギス共和国。
 映画は1970年ごろのこの国でのお話。ただしそのころ、この国の名はキルギス・ソビエト社会主義共和国だった。

 幼年期を終え、思春期に入った多感な時期の男の子がこの映画の主人公です。名は・ベシュケンピール。
 でも、まだまだ子供。毎日、他の子たちと村のあちこちで、あるいは村はずれの小川で腕白な日々を楽しんでいます。
 ベシュケンピールと、同い年のもうひとりの男の子、この2人は、そろそろ異性に目覚める頃。
 村のおばさんのおっぱいをのぞき見したり、女性の裸体を地面に作ってセックスの真似をしたりと、腕白な遊びに新たなバリエーションが加わります。年下の子たちもベシュケンピールらに加わってワイワイやっています。

 この村に、移動映画館を営む男が住んでいます。野外上映です。この映画館の男が、村の女の子・アイヌーラをデートに誘います。アイヌーラは、ベシュケンピールよりも少し年上。ベシュケンピールはこの男に頼まれて、アイヌーラの家から彼女をそっと呼び出す役目を受けます。呼び出された彼女はおしゃれしていて、男は自転車に彼女を乗せて、どこかへ出かけて行きます。ベシュケンピールはというと、このふたりの様子をいつもじっと見つめ見送ります。実はベシュケンピールはアイヌーラに淡い恋を抱いているのかもしれません。

 そんなある日、ベシュケンピールらが村でたむろしていました。アイヌーラもその中にいます。ベシュケンピールが彼女に何やらひそひそ話をしていました。これを見た仲間の男の子が嫉妬心を抱いて、ベシュケンピールと喧嘩になります。彼に打ち負かされたその男の子は、お前はもらい子だと罵りました。ベシュケンピールは、こののち、このことで悩みます。家族は何も答えてくれませんでした。
 そんな中、ベシュケンピールが大好きなばあちゃんが亡くなります。葬儀の日、彼の父は、もらい子の事実を息子にていねいに伝えました。そして、息子に葬儀のスピーチを託しました。この日、ベシュケンピールは大人への階段を一段、上がったのかもしれません。

 ある晴れた日、ベシュケンピールは映画館の男に自転車を貸してくれと頼みました。ベシュケンピールは男に、自転車の荷台を取り外して良いかと聞き、了解を得ます。そして、ベシュケンピールは年下の子を使って、アイヌーラを呼びにやりました。彼女は穏やかな表情でやって来て、ベシュケンピールの自転車に乗って出かけて行きました。ただし、彼女は普段着のままでした。
 ベシュケンピールがなぜ荷台を外したかと言いますと、映画館の男がデートの時にいつもそうしていたからです。アイヌーラを自転車の前に座らせるためでした。

 牧歌的な静かなお話です。キルギスの地方の様子をていねいに描いています。心穏やかな日に観てください。

下






 【アクタン・アリム・クバト監督の映画】 ・・・これまでに記事にした作品です、題名をクリックしてお読みください。

 「ブランコ」(1993)未見、「あの娘と自転車に乗って」 (1998)
 「旅立ちの汽笛」 (2001)、 「明りを灯す人」 (2010)

オリジナル・タイトル:Beshkempir
英語タイトル:The Adopted Son
監督:アクタン・アリム・クバト|キルギス・フランス|1998年|81分|
脚本:アクタン・アリム・クバト、アブタンディル・アディクロフ、マラット・サルール|
撮影:ハッサン・キディライエフ|(パートカラー)
出演:ベシュケンピール(ミルラン・アブディリカコフ)ほか

アクタン・アリム・クバト監督の映画
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明りを灯す人
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あの娘と自転車に乗って
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旅立ちの汽笛


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